
Image:Audi
| おそらくアウディとしては「復活させたいのはやまやま」であろうが、そこにかかるコストを考慮すると「現実的に無理」なのだろう |
一方、TTは次期ポルシェ718ベースにて復活するというウワサも
さて、ちょっと前には「ランボルギーニ・テメラリオの兄弟車として、アウディR8が復活する」というウワサがまことしやかに囁かれましたが、今回フォルクスワーゲン・グループ・オブ・アメリカの新しいCEOであるキェル・グルーナー氏が「伝説的な全輪駆動スーパーカー(つまりR8)を復活させる計画はない」と明言しぼくらの夢を打ち砕くことに。
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まさかの「アウディR8復活」?ランボルギーニ・テメラリオをベースに”日常使いができるスーパーカー”として登場か。「廃止」を決めたにもかかわらず復活の理由とは
| アウディの販売はR8「廃版」以降、どんどん下がっている | R8そのものは販売に貢献せずとも「イメージ」では大きく貢献していたのだと思われる さて、突然ではありますが「アウディR8が復活」する可能 ...
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新型R8は「当面」見送り
これは今週はじまったニューヨークオートショーにて同氏が新型R8について記者から質問された際に出てきた回答であり、キェル・グルーナー氏によれば以下の通り。
「つまるところ、R8が復活するかしないかは製品ポートフォリオに関する議論であり、市場で何が実現可能かということです。ミッドシップの内燃エンジン車は、私たちのロードマップにはありません。」
アウディR8はランボルギーニ・ガヤルドの兄弟車として初代が誕生し、その後はウラカンの兄弟車として二代目へと進化していますが、ランボルギーニがテメラリオの開発に着手した時点で「3代目のR8はない」という決定がなされていたためにランボルギーニは「自社専用のスーパーカー」としてテメラリオを開発することに。
そしてアウディは予定通り「TT」「R8」の販売を終了させてSUV中心のラインアップへと変化を遂げることになるのですが、直近ではBMWそしてメルセデス・ベンツに対して販売面で差をつけられることとなってしまい、その理由は「スポーツカーを持たないから」だという見方が大半です。

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ランボルギーニ「ウラカン後継モデルについて、専用に設計された車体を持つことになります。妥協なしのね。現在は十分な利益があり、R8のような兄弟車は必要ありません」
| やはりスポーツカーメーカーにとって真に必要なのは「開発資金を提供してくれる」実売につながるSUVである | そしてもはや、こういった事情を誰もが理解しているためか、スポーツカーメーカーがSUVを投 ...
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もちろんスポーツカーは販売台数や利益に貢献するわけではなく、ラインアップしていたとしても直接の利益に貢献するわけではありませんが、「売れないクルマ」を揃えることはある意味でその自動車メーカーの余裕を示すことができ、これが「面白い自動車メーカー」だと消費者の目に映るのかもしれません。
一方でSUVばかりの「売れ筋」しか持たない自動車メーカーは「商業臭のする、面白くない、あるいは味気ない自動車メーカー」だと受け止められることがあり、アウディは現在消費者に「いいクルマを作るが、刺激的ではない」と捉えられている可能性もありそうです。
そしてアウディ社内でもこういった意見が出ているものと思われ、それが「アウディR8復活(待望)論」に結びついているのだと思われますが、今回R8の復活が明確に否定されてしまったわけですね。※ガヤルド、ウラカンとは異なってアウディへの転用を考慮に入れず設計されたテメラリオをアウディ向けに調整することは非常に難しいのだと思われる

Image:Audi
幸いなことに「GTI」はまだ安泰
「R8の復活がない」というのは悲しいニュースではありますが、VWグループは象徴的な高性能車を完全に諦めることをせず、身近なブランド、つまりフォルクスワーゲンでは「GTI」「ゴルフR」が継続されることが明言されています。
2025年第1四半期では、GTIそしてゴルフRとも「販売不振」に分類されたものの、GTIとゴルフRの存続を決めたあたり、やはりフォルクスワーゲングループとしては「売れなくてもスポーツモデルを持っておく必要がある」と考えるようになったのかもしれません(ただ、開発コストを考慮すると、R8は”お金がかかりすぎる”と捉えられたのかも)。※GTIの販売台数は21.6%減少し、ゴルフRは37.6%減少している
「米国市場はハッチバックが売れる市場ではありません。時代とともに進化しました。ハッチバックがクールだった時期もあれば、ミニバンがクールだった時期もありました。今はSUVがクールで、顧客がやりたいことのほとんどすべてをこなすことができます。ハッチバックが米国で巨大な市場になることは決してないでしょうし、正直なところ、私たちにとってそうである必要もありません。
しかしドイツにルーツを持つ私たちにとって、これら(GTIやゴルフR)の楽しいハッチバックは、ブランドの観点からも非常に重要です。フォルクスワーゲンは、運転する楽しさを追求しています。ゴルフRやGTIに乗れば、笑顔で降りてくるでしょう。私たちは間違いなく、これからもそこにあり続けます。」キェル・グルーナー
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参照:Motor1