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| アイコニックSPは次期ロードスターではなかった。マツダが示す“もうひとつのスポーツカー戦略” |
アイコニックSPは「RX-7の後継」としてロータリーエンジンによる駆動も視野に
今回マツダが公式に「アイコニックSPは、次期ロードスターではなくRX-7の精神的後継として登場する予定である」とコメント。
このアイコニックSPは2023年のジャパンモビリティショーで初公開され、大きな注目を集めていますが、そのコンパクトな車体、そして初代(NA)ロードスターをイメージしたディティールやボディカラーから「これは次期ロードスターか?」という憶測が飛び交っていたわけですね。
しかし今回、マツダのCTO(最高技術責任者)、梅下隆一氏がMotorTrend誌の取材に対し、「アイコニックSPは次期ロードスター(MX-5)とは別モデルで、むしろRX-7の後継として期待してほしい」と語っています。
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マツダ RX-7(FD3S)のデザイナーが当時、そして現在の”再評価”を鑑み「全体的に見て、私たちはやりたかったことを達成し、30年を経てその点を証明したと思っています」
Image:Mazda | こう言い切れるカーデザイナーは幸せである | さらに「当時目指していたことが30年経って立証された」クルマはそう多くない さて、マツダのデザイナーがFC3S、FD3Sのデザ ...
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なお、以前にマツダのデザイン本部長、中山雅氏もアイコニックSPとRX-7とを結びつける発言を行っており、マツダ社内においては「アイコニックSPの市販モデルはRX-7後継」という捉え方が共通の認識として持たれているのかもしれません。
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マツダのチーフデザイナーがRX-7の復活について語る。「次のプロジェクトにはアイコニックSPの市販化を選びたい。あのクルマはRX-7が最大のインスピレーション源です」
| いまマツダが行うべきは、ブランディング的にも「スポーツカーの開発」であると考える | イメージ的にスポーツカーは大きな役割を果たし、マツダの価値を引き上げる可能性が大きい さて、ここ最近では「ロー ...
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アイコニックSPのサイズはロードスターよりひとまわり大きく、スペックも別次元
現時点では「アイコニックSP」市販モデルについては情報が限られているものの、まず(ショーモデルのアイコニックSPの)ボディサイズは以下の通りで、ロードスターよりも大きな数字を持つことがわかります。※車体重量は1,450kgだと説明されているので、ロードスターRFよりも330kgほど重い
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マツダは2007年、NDロードスターと新型RX-7の開発を同時にスタートさせていた。共通の車体をもって発売されるはずだったが2008年の経済恐慌によってRX-7復活の夢が潰える
| 新型RX-7の発売は「かなわぬ夢」だと思われていたが、実は実現に向けて動いており、思ったよりも近いところにまで来ていた | 新型RX-7の開発中止によってリソースがすべてNDロードスターに振り分け ...
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- 全長:4,179mm(ロードスターより約264mm長い)
- 全幅:1,849mm(ロードスターより約119mm広い)
- 全高:1,148mm(ロードスターより約84mm低い)
- ホイールベース:2,591mm(ロードスターより約279mm長い)
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マツダが新型コンセプト「アイコニックSP」発表。ロータリエンジンで発電して走るEV、リトラクタブルヘッドライト風のヘッドライトなど過去の車へのオマージュも
| このICONIC SPがそのまま発売されることはなさそうだが、その思想やディティールは今後の市販車にも反映されそうだ | レトロともフューチャーとも受け取れる、シンプルでミニマルなデザイン さて、 ...
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パワートレインは「EV+ロータリー」、365馬力を発揮
アイコニックSPの心臓部は、エレクトリックモーター(365馬力)+2ローターエンジン(発電用)というシリーズハイブリッド(EREV)方式で、この構成は、以前アメリカ市場で規制に対応できなかったMX-30のシングルロータリーエンジンとは異なり、新開発の2ローター構成でパワーと航続距離を両立するというもの。
この方式では「車輪を駆動するのはエレクトリックモーターでありロータリーエンジンではない」のですが、今回のインタビューにてマツダは「ロータリーエンジンが直接車輪を駆動する」バージョンの可能性にも言及しており、これが実現すれば2012年に生産終了したRX-8以来、実に13年ぶりの“リアル駆動ロータリー”になるかもしれません。※ただし、完全なEVモデルは予定していないとのことで、これは軽量性を重視するためにバッテリー容量を拡大したくないという理由からだ思われる
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マツダCEO自らが「ツインロータリーエンジンを開発中」と宣言。どうやらアメリカ市場の「パワーへの渇望」に対応すべく、発電容量を増やしアイコニックSPをパワフルにする計画か
Image:Mazda | ただし、もともとアイコニックSPは「ツインローター」ロータリーエンジンを搭載するという想定である | おそらく、市販時にはコンセプトカー段階よりも大きく出力が引き上げられる ...
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アイコニックSP市販モデルのデザインは次期ロードスターにも反映へ
さらにマツダのグローバルデザイン責任者、中山雅史氏は「現在のMX-5(ロードスター)は今後数年販売を継続するが、その後継モデルにはアイコニックSPのデザイン要素が取り入れられる」と発言しているので、「マツダのスポーツモデル」はいずれも共通のデザインを持つことになるのかもしれません。
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排ガス規制の壁を越え、次世代マツダ・ロードスターは2.5リッター4気筒エンジンを搭載へ。一方で重量は「1トン以下」
| 新型「NE」ロードスターはガソリンエンジン、マニュアル・トランスミッションを維持 | エンジンは排ガス規制へと対応するため「低回転トルク重視型」へとスイッチか さて、ここ最近チョコチョコと噂が出て ...
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このロードスター後継モデルについても確たる情報はないものの、新開発Skyactiv-Zエンジンが搭載され、6速MT、FR(後輪駆動)、軽量構造といったロードスターの美点は次世代でも維持される見通しです。
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【動画】マツダRX-7は新車時から未来のクラシックカーを目指していた!そのため「ハイテクに頼らずピュアさと軽量性を追求」した等の開発背景が30年後に明かされる
| ただし新車時にはロータリーエンジンの気難しさ、信頼性の低さが受け入れられず、北米では3年で販売終了 | ただし今になってもその輝きは色褪せず、むしろ強さを増しているようだ さて、ハガティが「マツダ ...
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アイコニックSP市販バージョンの価格は5万ドル以上に?「高級スポーツカー」として登場
現時点で価格はもちろん未定ですが、アメリカでは5万〜6万ドル以上と予想されており、日本国内でも700万円〜900万円超えが視野に入る価格帯。
要は「かなり高価な」クルマということになり(ポルシェ718ケイマン、アルピーヌA110にも近い価格帯)、ロードスターの上位互換ではなく、完全に別次元の「ラグジュアリー・ロータリースポーツカー」としての位置づけにとなる可能性が考えられます。
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Image:MAZDA | マツダはSUVラインアップを充実させた段階に達しており、そろそろ「次の段階」に進むべきかもしれない | そして次の段階とは、トヨタのように「スポーツカーを投入しブランドイメ ...
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参照:Motor Trend