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実際にフェラーリに乗っているとこんなことに困ったりする。フェラーリオーナーの「悩み」トップ10

フェラーリ296GTB

| フェラーリオーナーにはまた「ランボルギーニとは異なる」苦労がある |

それでもたいていはランボルギーニと共通していると考えていい

さて、先日は「ランボルギーニオーナーの困りごと」について触れましたが、今回は「フェラーリ編」。

同じスーパーカーではあるものの、フェラーリとランボルギーニではその性格や性質、イメージが異なり、ランボルギーニとはまた違った意味あいでの「困りごと」も生じます。

いくつかは「スーパーカー」という共通項によって同様の悩みではありますが、ここで改めて「フェラーリオーナーならではの困りごと」をランキング形式にて紹介してみたいと思います。

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フェラーリオーナーの「悩み」10選

10位:車体の大きさ・視認性の悪さ

フェラーリは全幅が広く、特に後方や斜め後方の視認性が優れないため、狭い道でのすれ違いや駐車場での取り回しにはかなりの神経を使うことも。

ぼくはフロントエンジン車を2台(ポルトフィーノとローマ)を乗り継ぎましたが、これはこれでドアミラーが斜め前方の視界を塞いでしまったり、(ボディ剛性確保のために)リヤやリアサイドウインドウが小さく後方確認が難しかったりという印象があります。

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一方のミドシップだと後方視界が絶望的であり、やはり後方確認には気を使ってしまうのですが、「安全に運転するため」には周囲にいるクルマやバイク、自転車、歩行者を把握し、その動きを予測する必要があるため、むしろ安全運転の習慣が身についていいのかもしれません。

参考までに、最低地上高についてはさほど(ポルシェやランボルギーニに比較しても)低くはなく、意外と「底をする」ことは気にしなくてもいいようですね(もちろんモデルにもよる)。

9位:注目の高さ・いたずらのリスク

どこへ行ってもフェラーリは注目の的であり、好奇の視線、写真撮影の依頼、話しかけられることなど日常茶飯事なので、常にこれに耐えうるタフなメンタル、そして社交術を身につける必要があります。

そして「クルマ好きおじさん」からは様々な質問攻めにあうかと思いますが、そういった質問に対してもサラリと回答するだけのスキルを身に着けたり、子どもがフェラーリをガン見して、その母親が「これ、見ちゃいけません」と叱るような場面においても、紳士的な対応をせねばならず、いかなる場合も「フェラーリ、そしてフェラーリオーナーに対して悪い印象を持たれてはならぬ」と考えて行動するように思います。

ちなみにですが、ランボルギーニよりは「話しかけられる率」が高いように感じており、それは「ランボルギーニオーナーに対する印象と、フェラーリオーナーに対する印象」の差なのかもしれません(あえて詳細には言及しない)。

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なお、「注目される」という点において、周囲の人(第三者)が期待する「そのフェラーリから出てくるオーナー像」に著しく反するファッションは好ましくないとも考えていて、これは人それぞれではあると思うものの、ぼくは「フェラーリオーナーとして恥ずかしくない」服装を心がけるようにしています。

たとえば、ぼくはポルシェやランボルギーニなど、他の自動車ブランド(トヨタも)の衣類もたくさん持っているものの、それらを(フェラーリを運転する際には)着ない、そしてまず周囲の人がフェラーリから出てくるぼくについて目にするのは「足先」なので、みすぼらしい靴を履かない、といったことですね。

参考までに、「視線を集める度合い」でいうと、そのサウンドの大きさ、車体デザインのエキゾチックさからして「ランボルギーニのほうが上」といった印象。

それでもフェラーリが高い注目を集めることには変わりはなく、よって「いたずら」を防ぐためには様々な自衛策を取ることも考えねばならない、と認識しています。

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8位:乗り降りのしにくさ

フェラーリのミドシップモデルではサイドシルが高く分厚いため、乗り降りがちょっと困難に感じる場合も。

体格や体型によっても異なるかとは思いますが、パーキングエリアなどで、「どんな人が降りてくるのか」と注目するギャラリーに対しても格好良い姿を見せるためにも”スマートに乗り降りができるよう”研究する必要があり、ぼくは「ドアを開け、「サイドシルに手をつき、その手を支点にして、身体を180度反転させるようにし、車両後部に向かって」くるっと回って降車するようにしています。

そしてその女性をはじめて助手席に乗せる場合、あらかじめシートポジションの低さ(見た目よりも実際のほうがかなり低く感じる。ほとんどの人はこの低さを体験したことがないはずである)についてそれとなく注意を促したり、容易に乗り降りできる方法をさりげなく伝えるなどすれば「素敵・・・♥」となるかもしれません。

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なお、その車高やシート位置、サイドシル形状のほかにも、フェラーリは「ドアが分厚く長いので、横にかなりのスペースがなくては乗り降りが難しい」という問題も存在します。

さらにいうなれば、「乗り降りしやすい服装」「乗り降りしにくい服装」とがあり、「身をかがめる」「脚をガバっと開く」必要があるので、動きにくい服装(タイトでピチピチなスーツとか)、女性だとタイトでミニなスカートは”危険”かもしれません(ブガッティのいう、「氷の微笑」状態になってしまう)。

よって、比較的余裕がある服、ストレッチの効いた服が好ましい、とも考えています。

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7位:外出時の駐車場問題

これはスーパーカーにとって永遠の課題であり、そしてフェラーリにとっても例外ではなく、これを気にしない人もいるものの、ぼくは「かなり気にするタイプ」です。

要は「バンパーやフロアを擦らずに入出庫できる」「周囲にクルマのいない状況、周囲のクルマから離れた状況でクルマを停めることができる(ドアパンチされたくない)」「不特定多数の人が出入りしない」「駐車券や料金の支払いなどがスムーズにできる」といったことを重視していて、そのためぼくは「自分が認定した」駐車場以外にはフェラーリを停めないようにしていますが、そうなると自ずと行動半径や行き先が限定されてしまい、よって現在は「新規駐車場」を鋭意開拓している最中です。

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そしてこういった「駐車場の新規開拓が必要なこと」もまたフェラーリを始めとするスーパーカーオーナーの苦労のひとつなのかもしれません(重ね重ねであるが、駐車場問題を気にしないオーナーさんも多く、ということはこれを気にせず実際にはどこにでも停めることができ、しかしぼくがそうできないのは、ぼくの胆力が小さいだけなのかもしれない)。

6位:イベント参加費用の高さ

フェラーリを購入すると、フェラーリが公式に開催する様々なイベントの招待を受けるようになるのですが、正直このイベント参加費用が「かなり高額」。

これはランボルギーニに比較しても「相当に」高く、これに耐えうる財力を確保してこそ真のフェラーリオーナーだといえるのかもしれません。

5位:維持費の高さ

フェラーリには「7年メンテナンスパッケージ」が付与されているので、新車から7年間は(引き継ぎさえすれば中古でも)メンテナンス費用はほぼかからないものの、当然ながら消耗品は「自腹」です。

そしてタイヤについてはおおよそ5年ほどで(ゴムが劣化してグリップが損なわれるため)交換したほうがいいとされ、これは「摩耗していなくても」交換すべきパーツです。

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さらには任意保険も安くはなく、通常のクルマよりは高い維持費を覚悟する必要があるのですが、トータルで見た場合、無料メンテナンスパッケージが付帯されていない場合の高級車、たとえばBMW、メルセデス・ベンツ、ポルシェ、マセラティなどに比較すればかなり安上がりだとも捉えていて、この維持費については「ずば抜けて高い」わけではない、とも認識しています。※昔のフェラーリは「常に100万円ほどメンテナンス費用を確保していないと乗れない」と言われたが、今のフェラーリはそんなことはない。ぼく的にはポルシェやBMWのほうが維持にお金がかかるとも捉えている

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4位:ちょっと運転が難しい場面も

モデルにもよりますが、多くのフェラーリでは「(ポルシェやランボルギーニのように)クリープがなく」、よって「ちょっとだけ動かす」のがやや苦手。

たとえば何回か切り返す必要がある狭い駐車スペース、傾斜している路面上にあるパーキングロットなどに停める際はアクセルワークに気を使う場合があり、とくに「傾斜をバックでのぼりながら駐車場に停める」場合は少し強めにアクセルを踏む必要があり、そしてその場合は勢いよくクルマが動いたりするので少し緊張する場面も。

そして何度かこれを繰り返していると、「駐車場に入れるだけなのにやたら吹かしてる」と捉えられてしまうことがあり、これは強化クラッチや軽量フライホイールを装着したマニュアル・トランスミッション車を所有し運転したことがある人ならば理解できるかもしれません。

ただ、こういった場面は日常的に遭遇するわけではなく、とくにネガティブな要素ではなく、「慎重になればいい」だけの要素です。

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3位:充電環境が求められる

これは「ハイブリッド」フェラーリのみではなく、ガソリンオンリーのフェラーリにおいても同様で、フェラーリは「乗らなくてもバッテリーがどんどん減ってゆく」ためにガレージにて保管している間、充電がほぼ必須と言われます。

バッテリーが消耗してしまう期間がどれくらいなのかは車種やバッテリー残量によって異なるので一概に言えませんが、フェラーリには「標準装備としてバッテリー充電器が付属していること」からもその重要性が理解できるかもしれません。

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ぼくは幸いにしてガレージにて充電ができる環境ですが、タワーマンション等に住んでいて、立体駐車場にてフェラーリを保管する場合は充電が難しく、その場合は「定期的に、とくに目的地がないままに」バッテリー充電のためだけにフェラーリを走らせることもあると聞いています。

ちなみに296GTBの場合、ドライブモードに「クオリファイ(予選)モード」なるここ一番の速さを追求した本気モードがあるのですが、バッテリーの充電にはこのモードで走るのが一番だとされ(常にガソリンエンジンが稼働し、かつ高めの回転数に維持される)、一般道をクオリファイモードで駆け抜けるオーナーさんも少なくはないようですね(それはそれで楽しそうである)。

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2位:女性からロックオンされることがある

これはレアケースかもしれませんが、ホテルなどでフェラーリのイベントなどがある場合、フェラーリオーナーをターゲットとした「逆ナン」に遭遇することがあり、駐車場にクルマを停めてエレベーターに乗ると、エレベーターに乗っていた女性から「久しぶりー」などと声をかけられたことが過去に数回。

ぼくはその女性に見覚えがないものの、向こうはぼくのことを知っているような感じで話しかけてきて、「ツーリングで会ったよねー」などと話しかけてきて、「機種変したから連絡先なくなっちゃってー。LINEまた教えて」と迫ってくるのですが、この時点でぼくはようやく「フェラーリオーナーを狙った逆ナンか・・・」と気づくことに。

ただ、ぼくが乗ってきたクルマを見ていないはずなので「フェラーリオーナー」だとはわからないと思うのですが、手に持った招待状(封筒)や身なりからそう判断するのかもしれません。

なんともたくましいと思う限りではあるものの、「触らぬ神に祟りなし」ですね。

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1位:周囲からの誤解や偏見

やはりスーパーカーに乗っていると周囲からの誤解や偏見に遭遇することは皆無ではなく、しかし「体感上」フェラーリの場合はランボルギーニに比較すると「そういった場面」が少ないように思います。

たとえば、YouTubeへと「ランボルギーニを停めることができる駐車場」という動画をアップすると、「苦労してまで乗るなやボケ」といったコメントがつくのですが、同じ内容の動画をフェラーリ版としてアップするとそういったネガティブなコメントはほぼ皆無であり、フェラーリは周囲からは「偏見をもって見られにくい」スーパーカーなのかもしれません。※ランボルギーニの場合、あら探しのように動画の隅々までを見てネガティブなツッコミを入れてくる

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これはひとえにフェラーリというブランドが持つ価値のなせる技であるとも捉えているものの、そのブランドバリューに見合ったフェラーリオーナーにならなければならない、というのがある意味でフェラーリオーナーの「苦労」でもあり、フェラーリという看板の重さがプレッシャーでもあるとも置き換えることができそうですね。

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