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フェラーリ、全米にてプロサングエ541台をリコール。「ヒューズボックスの設計不備にて」ブレーキ性能低下の恐れ

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| フェラーリ、プロサングエを大規模リコール。原因はヒューズボックスの設計不備 |

現時点ではこの問題に起因する「事故や怪我」は発生しておらず

フェラーリが「アメリカの国家道路交通安全局(NHTSA)に対し、2023〜2025年モデルのプロサングエを対象に541台のリコールを届け出た」と発表。

対象車両は2025年2月18日以前に生産された個体すべてとなり、ヒューズボックスの電源供給ラインが助手席側のフットレストに接触し、ショートを引き起こす可能性があると説明されています。

この不具合によってブレーキ性能の低下が発生する恐れがあるそうですが、700馬力を誇るV12エンジン搭載車にとっては極めて重大なリスクだと捉えられており、プロサングエはブレーキ・バイ・ワイヤを採用しているだけに「どうフェイルセーフシステムが機能するのか」も気になるところです(そのあたりは届け出の際に説明がなされていない)。

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問題は中国市場向け車両から発覚

この問題が最初に確認されたのは今月初旬。

中国市場向けのプロサングエにて、ブレーキシステムの警告灯が点灯し、ドライバーが制動力の低下を体感したことが発端だとされ、しかし現在のところ、事故や怪我、死亡事例は報告されておらず、保証請求も発生していないとのこと。

そこからの調査、そして原因究明、そして今回のリコール届け出と対策実施という「スピード感のある行動」となったわけですが、これはやはり「ブレーキ」ということの重大さを意識してのことなのかもしれません。

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対策内容は「スペーサーの追加」で解決

なお、フェラーリの対策は極めてシンプル。

ヒューズボックスとフットレストの間にプラスチック製スペーサーを追加することで物理的な接触を防止するというもので、すでにこの対策は2025年2月以降の生産車から製造ラインに取り入れられており、右ハンドル車と左ハンドル車の生産工程を統一する一環として実施されことについても言及済み。※すでに問題が発生し対処済みのオーナーには、補償金が支払われる予定なのだそう

アメリカ市場での反応とフェラーリのSUV戦略

プロサングエは2023年に発表されたフェラーリ初のSUV。

かつてのセルジオ・マルキオンネCEOが「SUVを作ると言い出したら、私を撃ち殺してくれていい」と語ったことで知られるほど「当時のフェラーリはSUVを作ろうとしなかった」ものの、実際に登場した際には「V12エンジンを搭載する」など”どこからどう見てもフェラーリそのもの”。

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さらには競合他社のようにSUVを「打ち出の小槌」として捉えるのではなく、厳しく生産台数を制限することでフェラーリブランドの排他性や希少性、そのイメージを守ることに成功しています。

今回のリコールはアメリカ市場向け全車が対象で、フェラーリにとっては比較的大規模なものであり、さらに前回のリコールがわずか13台だったことを考えると、今回の541台は(フェラーリとしては)異例の規模と言えそうです。

オーナーには9月21日から通知

リコール対象車のオーナーおよび正規ディーラーには、2025年9月21日より順次通知が送付される予定だといい、日本でも同じくらいの時期にリコールの対応が開始されるのかもしれませんね。

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参照:NHTSA

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