
Image:Xiaomi
| 便利機能が拡張され操作が複雑になればなるほど「リスク」も増大 |
無人で「勝手に動く」?中国でXiaomi SU7の安全性が物議を醸す
中国・山東省で、Xiaomi(シャオミ)のEVセダン「SU7」が無人の状態で突然走行を開始するという衝撃的な事件が発生し、現地メディアやSNSで大きな話題となっています。
この出来事が起きたのは2025年9月30日。オーナーによると、自宅前に駐車していたSU7が、誰も乗っていないにもかかわらず突然動き出したとのこと。
防犯カメラがとらえた「突然の発進」
オーナーが公開した監視カメラの映像には、車が静止状態から自動的に前進を始め、近くにいた女性が驚いて叫ぶ様子が記録されており、オーナーはすぐさま外へ飛び出し、無事にクルマを停止させることができたそうですが、「一歩間違えば」大惨事となっていた可能性もあり、そのため現地でも多くの注目を集めているわけですね。
事件後、このオーナーがシャオミのカスタマーサポートに連絡したところ、「スマートフォンからの誤作動によるリモートスタートが原因の可能性がある」と説明されたとのこと。
しかしオーナーは「当時スマホは使用していなかった」と主張し、防犯カメラの全映像を公開して反論している、という事態へと至っています。
Apple端末からの「RPA命令」が記録
その後、業界関係者を通じて入手された情報によれば、オーナーのアカウントに紐づいたApple端末から「Remote Parking Assist(RPA)」コマンドが送信されていたことが判明し、このRPA機能は、スマートフォンアプリを使って車両を自動的に駐車スペースへ出し入れすることが可能となるものですが、これによって車両が勝手に動き出した可能性が指摘され、この送信事態が誤ってなされたものである可能性が高く(まだ詳細はわからない)、いずれにせよ「車内に乗員がいない場合の安全対策が不十分ではないか」と批判の声が上がっているのが直近の状況です。
リモート機能の便利さと「安全性確保」のジレンマ
今回の事件は、スマートカーに搭載されるリモート制御機能の利便性と安全性のバランスについて改めて議論を呼び起こすこととなっていますが、専門家は今回の事件を受けて「遠隔操作機能は便利だが、誤作動防止のフェイルセーフ機構や、操作ログの透明性が欠かせない」と指摘。
オーナーは現在、シャオミに対し「部分的なログではなく、すべての操作記録の開示」を要求していますが、10月3日時点で同社から正式な調査報告は出されておらず、RPAコマンドが「シャオミのアプリのご動作で送信されたものか」「オーナー側が操作を誤って送信したものか」はナゾのまま。
幸い、この事件によるけが人や物的損害は発生しませんでしたが、スマートEVの安全基準が十分であるかという根本的な問題が改めて浮き彫りとなった一件でもありますね。
Image:Xiaomi
まとめ:便利さの裏にある「新たなリスク」
スマートEVが進化し、スマホアプリで車両を操作できる時代になった今、利便性と同時に新たなリスクが生まれています。
今回のシャオミSU7の事例は、メーカーによる安全機構の再設計と、ユーザーへの情報公開の透明性が求められていることを示す象徴的な出来事といえるでしょう。
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参照:CarNewsChina