
Image:GAC(Weibo)
| GAC「Hytec SSR」が時速213.5km/hでEVドリフト世界最速記録を達成 |
ここから中国自動車メーカーの「記録更新ラッシュ」がはじまるのかも
中国の自動車メーカー、GAC(広汽集団)が「自社開発による電動スーパーカー、Hytec SSR(旧Hyper SSR)」により、ギネス世界記録における“電気自動車による最速ドリフト”を更新した」と発表。
その最高速度は213.523km/hに到達し、これまでの記録を上回る驚異的な結果となっています。
ギネス認定「最速電気ドリフト」の条件とは?
今回の記録は、ギネス世界記録の「Fastest Electric Vehicle Drift(電動車による最速ドリフト)」カテゴリーに基づいて認定されたもの。
この部門では、最低30度のドリフト角を維持した状態で、時速207km/h以上を50メートル以上走行する必要がありますが(この計測と立証も大変だろうな・・・)、Hytec SSRはこの条件を満たしつつも、213.523km/hでのドリフトを成功させたわけですね。
Image:GAC(Weibo)
プロドライバー葉志成(Ye Zhicheng)が操る“制御の極み”
この挑戦を行ったのは、プロレーシングドライバーの葉志成(Ye Zhicheng)氏。
彼は、「車両制御システムとドライバー操作の精密な協調が不可欠だった」とコメントし、このチャレンジはGAC Aionの特設テストセッションで実施され、映像は中国第15回国民体育大会(National Games)のプロモーション映像としても公開予定なのだそう(すでにWeiboでは公開済み)。
Image:GAC(Weibo)
GAC会長「中国のハイパフォーマンス技術の象徴」
GACグループの馮興亜(Feng Xingya)会長はこの成果について次のように述べ、もちろん今回の記録はギネスの厳格な認定基準に従って正式に登録されています。
「今回の記録は、中国自動車産業のハイパフォーマンス技術を世界に示すマイルストーンだ。」
Hytec SSRのスペック:900kW超の3モーター構成
Hytec SSRは、2022年末に登場したGAC初の量産電動スーパーカーで、2024年にブランド名を「Hyper」から「Hytec」へとリブランドし、ラインアップは以下の3グレードにて構成されています。
| グレード | 価格(中国元) | 価格(日本円換算・目安) |
|---|---|---|
| Standard | 1,286,000元 | 約2600万円 |
| Ultimate | 1,386,000元 | 約2800万円 |
| Track | 1,686,000元 | 約3400万円 |
搭載されるパワートレインは3モーター構成で、総合出力は900kW(約1,224馬力)超。
0-100km/h加速は1.9秒、最高速度は250km/hにも達しますが、加速時のGフォースは最大1.7Gを記録し、世界最速クラスの市販EVとして位置づけられています。
- フロント:永久磁石同期モーター(定格70kW/ピーク320kW)
- リア左:定格60kW(ピーク260kW)
- リア右:定格70kW(ピーク320kW)
-
-
これが1,225馬力、0−100km/h加速1.9秒の中華ハイパーカー「AION ハイパーSSR」。北京で実車を見てきた
| アイオン ハイパーSSRのデザインは自社の持つミラノのデザインオフィスにて | そのスタイリングに「華」があるのは間違いない さて、北京にて中国の新興ブランド、AIONが販売するハイパーカー「SS ...
続きを見る
GACが狙うのは「世界最速EVブランド」の座
GACはこの記録を皮切りに、Hytecブランドを「世界最高峰のEVパフォーマンスブランド」として確立する戦略を打ち出していますが、近年、中国メーカーはハイパーカー領域での存在感を急速に高めており、BYD「Yangwang U9」やNIO「EP9」と並び、GACもその一角に名を連ねたということになりますね。
まとめ:EV時代の“ドリフトキング”は中国から誕生
Hytec SSRのドリフト記録は、単なる派手なパフォーマンスにとどまらず、中国メーカーがEV技術で世界をリードする象徴的な出来事だと考えることができ、伝統的に“ドリフト文化”の強い日本勢や米国勢に対し、中国が新たなステージを切り開いた事例であるとも言えそうです。
-
-
世界最速EV、BYD「仰望(Yangwang)」U9 エクストリームがグランツーリスモ7に収録。ゲーム上でも中国車が存在感を強める
Image:BYD | もはやどこを見ても「中国車は無視できない」存在に | ニュル6分台、最高速497km/h──U9 XtremeがGT7に参戦 BYDの高性能ブランド「仰望(Yangwang)」 ...
続きを見る
合わせて読みたい、GAC関連投稿
-
-
ホンダ、トヨタとも提携する中国GACが「コストパフォーマンス激高」EV、”RT”を発表。ちなみにボクはGACを「こういった自動車メーカー」だと捉えている
| GACはほかメーカーの人気があるクルマのデザインを取り入れ、より安価に、より機能を充実させて販売する自動車メーカーだという印象 | それもひとつの”賢い”やり方かもしれないが さて、中国にてトヨタ ...
続きを見る
-
-
中国GACが1,225馬力のハイパーカー「SSR」にてフェラーリやランボルギーニの本拠地へと殴り込み。満を持してイタリア国内の自社デザインセンターにて発表される
| こういった中国製エレクトリックハイパーカーの存在する領域が存在するのかどうかは本当に判断が難しい | 「見た目の数字と見た目の派手さ」だけで新興メーカーのハイパーカーを選ぶ人も少なくはないはずであ ...
続きを見る
-
-
中国の新たなる流行は「空飛ぶクルマ」。シャオペン、チェリーに続きGACもフライトを成功させる。走行・飛行モジュールを統合可能なデカップリング分割構造を採用
Image:Dianwo98 | 実用化には技術や法規、インフラなど「壁が厚く」、しかし可能性があるとなれば参入しないわけにはゆかないのであろう | 新しい市場はリスクがある反面、先行者利益を得やすい ...
続きを見る
















