
Image:Bentley
| なおパープルはロールス・ロイスのシグネチャーカラーでもある |
顧客の個性を映す特注の「ベントレー コンチネンタルGTC スピード」
ベントレーが「英国の顧客から特別に発注された」というコンチネンタル GTC スピードのワンオフモデルを公開。
最大の特徴は「ベントレーの歴史に埋もれていた」というボディカラー、その名もズバリ「Violette(バイオレット)が鮮やかに蘇ったこと。
もちろん製作を担当したのは同社のパーソナリゼーション部門「マリナー」ですが、このボディカラーを引き立てるために最大限の配慮がなされ、たとえはグロスブラックのバッジを含むブライトウェア(外装の光沢パーツ)、ダークグレーのメタリック織り仕上げが施される7層構造のキャンバスルーフもその一環だとアナウンスされています。
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究極のパーソナライゼーション:復刻色とマリナーのクラフツマンシップ
ベントレーのペイントショップ(塗装ブース)では、アーカイブに保管されているマスターサンプル、あるいは現存する車両から色を採取・再現することにより、ベントレーの歴史上のあらゆる色を蘇らせることができるそうですが、今回顧客が選んだ「バイオレット」もやはり「過去に採用されていた、しかし現代では失われてしまった」ヘリテージカラー。
なお、こういった「ボディカラーの復刻」を行った例としては、このほか1950年代の「Sage Green(セージグリーン)」、1960年代の「Shell Grey(シェルグレー)」、2000年代の「Rubino Red(ルビーのレッド)」などがあるようですね。
そしてこの特注モデルは、ベントレーの顧客の間で高まるパーソナライゼーションとディテールへの要望という広範なトレンドを反映した一台でもあり、実際のところ今では70%以上の顧客が新車発注時において最低でも1つの「マリナーによる仕上げ」を選択しているとされ、これはマリナーが実現する「個性」への需要の高まりを明確に示しています。
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大胆な個性を表現する「熱狂的な顧客」
今回の特注車をオーダーしたのは、生粋のベントレー愛好家である英国の顧客。
彼は以前から数多くのベントレーモデルを所有しており、その中には、鮮烈なマゼンタのベンテイガ6台、そして最近ではスカラベグリーンのコンチネンタルGTが含まれます。
この顧客とって、ベントレーは伝統的で「安全な」色にとどまるべきではなく、自身の個性とパーソナライゼーションを反映するものであるべきだという強い信念があるそうで、彼のベントレーへの情熱は現行モデルに留まらず、今年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでは、ベントレー史上最も成功したレーシングカーとして名高い「スピードシックス・コンティニュエーション・シリーズ」の乗車体験にも参加したほど。
つまるところ、ベントレーにとって「かなり上位の顧客であり」「ベントレーの歴史を深く愛する」人物だと言えそうですね。
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エクステリアと呼応するトライトーンの特注インテリア
顧客の鮮やかな色への好みを反映し、マリナーはエクステリアの独特なトーンを映し出す特注のタンザナイトパープルハイド(レザー)をインテリアに取り入れることとなりますが、このタンザナイトパープルはセンターコンソール、ドアパネル、ステアリングホイール、シートバックへと適用されています。
一方、シートやステアリングホイールの一部、センターコンソールにはリネンハイドが使用され、パープルのリッチさを際立たせることに。
さらにキャビン全体にはライラックのハイドと糸が織り込まれ、シフトレバーやステアリングのセンターマークなどに使用されることで、特注インテリアに深みと洗練を加えているようですね。
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石材ベニヤと究極のクラフツマンシップ
さらにライラックの細やかなステッチとシートパイピングはストーンベニヤ(つまり石を用いた合板)や3Dテクスチャーハイドの触感豊かな表面と対比され、マリナーとの共同制作によって可能になる表現の自由を際立たせています。
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このストーンベニヤは、ベントレーが開発した最先端の仕上げ技術だそうで、2億年前の天然石材をわずか0.1mmの厚さに加工することによって色やパターンに個体差のある、模倣がほぼ不可能な高度なテクスチャーを持つベニヤに仕上がっていますが、オータム、カッパー、ギャラクシー、テラレッドの4色で提供され、自然な触感もひとつの魅力である、と説明されています。
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キャビンはさらに、ベントレーの象徴的なローテイティング・ディスプレイ、フラッグシップオーディオシステム「Naim for Bentley」、そして第4世代コンチネンタルGTで初採用されたダーククローム・インテリア・スペシフィケーションによってアップグレードがなされており、あらゆる方面から「抜かりのない仕上げ」が施されているのも特筆すべき点。
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なお、この「パープル」は現在ぼくがもっとも注目するカラーでもありますが、同時にロールス・ロイスが掲げるシグネチャーカラーでもあり、ベントレーとこのコンチネンタルGTCを発注したオーナーは、真っ向から「ロールス・ロイスへと挑戦状を叩きつけた」ということになるのかもしれません。
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