
| もう中国車を「バカにする」時代は完全に終わってしまった |
実際に「中国の自動車メーカーに力を借りた」日産車やマツダ車が現地でヒットするという現実も
さて、北京にて「ロールスロイスのライバル」と言われるマエストロ(MAEXTRO=尊界)S800を見てきたのでその様子を簡単に紹介したいと思います。
このマエストロ S800は現在の中国では最高級の部類に属し(ただし紅旗よりは下)、そのサイズも全長5,480ミリ、全幅2,000ミリ、全高1,536ミリ、ホイールベース3,370ミリという「ロールスロイス並み」の堂々たる体躯を誇ります。
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なお、現地での価格は現在の為替レートだとおよそ3500万円に設定されている「超高額車」でもありますね。
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マエストロ(MAEXTRO) S800はこんなクルマ
そこでこのマエストロ S800を見てみると、「ファントムとレイス」を足して2で割ったようなルックスを持っており、「クーペスタイル風セダン」に分類されるスタイリングが外観上の特徴です(中国ではこのスタイルが非常に好まれる)。
フロントはアイアンマン風のマスクを持ち、ツルっとしたグリルに「スプリットヘッドライト」。
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そしてヘッドライト内は「ギャラクシー」。
そしてこの「ギャラクシー」はドアハンドル内部や・・・。
テールランプ内にも用いられます。
ちなみにこの「青いランプ」は自動運転時に点灯するもの。
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なお、インテリアは贅の限りを尽くしたもので・・・。
マエストロ販売スペース内に設置してあるサンプル内から自由に選択肢組み合わせることでカスタマイズを行います。
ショールーム内にはファーウェイの手がける他のクルマも
なお、このマエストロが展示されるのはファーウェイのショールーム内ですが・・・。
ショールーム内にはほかのファーウェイによる車両も展示中。
ちなみにファーウェイは上海だと南京東路、北京だと王府井という「その地域で一番の商業エリア」に大きなショールームを抱えており、これはファーウェイの一つの方針ということになりそうです。※ちなみにセールスパーソンはイケメン揃いである
なお、ファーウェイはBAIC(北京汽車)との協業にて「ステラート」、チェリー(奇瑞汽車)との間で「ラクシード」、Seresとは「AITO」名義にてEVを展開していて、上述の「マエストロ」はJACとのコラボレーションによる「EVプロジェクト第四弾」という位置づけです。
そしてファーウェイのショールームでは「携帯電話やタブレットと一緒に」クルマが販売されるという奇妙な光景が展開されているのですが、つまるところ中国の自動車業界にとって、クルマとは「スマホと同じ」ということなのでしょうね。
なお、それを示すかのようにヘッドライトやテールランプには漢字を含むグラフィック表示が可能であり・・・。
車内にはAIアシスタントが装備され・・・。
まさに「走るスマートフォン」。
ただしクルマとしてもけっこうよくできているという印象で、内装の質感は非常に良好。
ドアミラーが「ほぼベゼルレス」など、高いデザイン性を誇ります。
こちらはスポーティグレードのようですが、ウイングレット付きのフロントスポイラーを備えるなどけっこう「本気」。
ブラックのホイールにレッドキャリパー、比較的クリアランスの小さなホイールハウスに「ツライチ」なタイヤを持っています。
「漢字の」ブラックエンブレムはなかなかユニーク。
一方、SUVだと、その大きなボディを生かした多彩な表現がなされ・・・。
ドアカメラ装備モデルも。
ちなみにこの「枕」は中国の高級車には必須です(そのせいか、近年のBMWやメルセデス・ベンツ製の高級グレードには枕が装備される例が出てきた)。
モニターは大きく・・・。
こちらはダッシュボード「全面」ディスプレイ。
リアカメラがスマホっぽいところはファーウェイ流。
ちなみにドアガラスはベントレーなどのプレミアムカーによく見られる「二重ガラス」で、さらにはドアが閉じる音も非常に上品。
こういった内外装に加えて先進的な機能や特徴的なデザインを持つ中国車を目の当たりにすると、「もう日米欧のクルマを購入する理由は中国の消費者にとって存在しないだろう」という気も。
さらには「セダン、SUV、スポーティモデル」など幅広く展開するにいたり、世界中の自動車メーカーがそのシェアを奪われるのも「やむを得ない」事実なのかもしれません。
実際のところ、路上で目を引くのはやはりこういった中国車であり、最新の中国車と並ぶとBMWやメルセデス・ベンツ、トヨタ、ホンダ、日産といったクルマが「前時代的」に見えてしまうように思われ、こういった現状が続く限り、中国社のシェアは「伸び続ける」のかもしれません。
しかし海外の自動車メーカーもこの状況に手をこまねいているだけではなく、トヨタ、日産、ホンダ、マツダは中国のパートナーと協力して「中国にて高い競争力を発揮する」EVの開発を行っており、一部ではその輝きを取り戻しつつある、とも報じられていますね。
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