
Image:MAZDA
| マツダの社名の由来はゾロアスター教の最高神「アフラ・マズダー」から |
1991年にはゾロアスター教由来のエンブレムを採用したことも
さて、マツダは次世代モデルを示唆する「MAZDA VISION X-COUPE(マツダ ビジョン クロスクーペ)」と「MAZDA VISION X-COMPACT(マツダ ビジョン クロスコンパクト)」を発表したところではありますが、ジャパンモビリティショー2025への出展にあわせてブランドシンボル(ロゴ / エンブレム)をリニューアルする、と発表。
マツダはこの新しいブランドシンボルについて「どのような時代においても、変わらぬ信念を持って未来を切り拓く決意の象徴である」と説明しています。
新しいマツダのブランドシンボルにはこんな意図がある
今回正式に発表された新しいブランドシンボルは1997年6月に採用された通称かもめマーク、「M(=羽ばたく翼)」をベースとしており、しかし多くの自動車メーカーがそうするように「シンプルな2次元バージョン」へ。※このほうが画面上でコントラストを表現でき、視認性と識別性が高くなる
そしてこのブランドシンボルに込められた想いは「自らをたゆまず改革し続けることによって、力強く、留まることなく発展を遂げていく」。
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これによって新しい時代へと向けてマツダは「羽ばたいてゆく」こととなりそうですが、同時に発表されたコンセプトカー2台も新しいデザインを持っており、「本日をもってマツダは変わります」ということになるのかも。
すでにマツダの公式サイトではブランドシンボルが新しいものへと入れ替わっていますが、マツダは「これまでのエンブレムも併用する」としており、しかし「どの場面にどちらが使われる」のかという具体的な例は示されておらず、しかしBMWの同様、「デジタルや紙媒体」などの二次元では今回発表された新しいロゴ、車両などの「3次元」では旧来のロゴが用いられるのかもしれません。
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マツダのロゴ(エンブレム)はこういった歴史を持っている
そこでマツダのエンブレムについてこれまでの変遷を振り返ってみると、1920年頃、つまり創業初期だと「コルククラッシャー」の形状を模したものに「東洋コルク」のT、「コルク」のCが組み合わされています。※マツダは東洋コルク工業として会社をスタートさせている
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1928年位は「東洋工業」へと社名をあらため、それによって「工」の文字をモチーフにしたものへ(通称、”マル工”マーク)。
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1931年には「初の」自動車、「マツダ号DA型」の発売にあわせて新しいエンブレムが採用。
なお、「MAZDA」文字と三菱マークが共存しているのは「販売委託先が三菱商事だったから」。
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1936年には自社直販に切り替えたので三菱マークが外れ、「Mazda Motor Manufacture」の3つの「M」、そして川の流れをイメージした広島市の紋章とを組み合わせたものへ。
なお、マツダ(MAZDA)の社名はゾロアスター教の神である「アフラ・マズダー(Ahura Mazda)」が由来ですが、なぜかエンブレムにはゾロアスター教を示すグラフィック(というものがあるのかどうかはわからないけれど)が取り込まれていないもよう。※ただ、事実上の創業者は松田重次郎である
なお、このエンブレムは「翼」を意識しており(実際、当時は”翼マーク”と呼ばれたようだ)、その意味では現代の「カモメマーク」は先祖返りといった意味合いを持つのかもしれません。
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1959年にはその1年後に発売される「マツダ初の乗用車」に採用される「m」マークへ。
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1975年にはそろそろ見覚えのある「MAZDA」文字に。
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1991年には「ついに」ゾロアスター教の「翼」「太陽」「光輪」を取り入れたエンブレムを採用しますが、これは「人に優しい」というマツダの願いを込めたもの。
参考までに、ゾロアスター教とは古代ペルシアで誕生した世界最古の啓示宗教の一つだとされますが、これがなぜマツダと結びついたのかは不明です。
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1997年になると現代の「カモメ」マークが登場。
翼をモチーフとしたのは「未来へ向けて羽ばたく」という意味を込めたからで、そしてもちろん羽ばたくのは「M(Mazda)」というわけですね。
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2018年にはエンブレムに変化はないものの、「MAZDA」文字(ブランドワード)をこのエンブレム(ブランドマーク)のメタル調の質感と合わせることに。
これ以降、ブランドワードとブランドマークは「セット」で用いることが「基本」として定められます。
そして2025年にはブランドマークがシンプルになり・・・
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ブランドワードもシンプルでクリーン、かつモダンなフォントに。
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