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【神対応】ブガッティCEOが「パーツを売ってくれないなら3Dプリントで直す」と脅迫したブラックリスト入りオーナーにDM送信→直接交渉した衝撃の顛末

【神対応】ブガッティCEOが「パーツを売ってくれないなら3Dプリントで直す」と脅迫したブラックリスト入りオーナーにDM送信→直接交渉した衝撃の顛末

| すでにインスタグラム上の投稿は削除済み |

ケーニグセグ然り、今後同様の例が増えてゆくのかもしれない

超高級車の世界では、「顧客サービスは密室で行われる」のが常識ですが、今日その常識が覆されたともいうべき事件が発生。

事故で大破した自身のブガッティ シロン ピュールスポールをめぐり、ブガッティ本社に対して「部品を売らなければ3Dプリントで自作する」とSNS上で挑戦状を叩きつけたインフルエンサーへ、ブガッティ・リマックCEO、メイト・リマック氏がインスタグラムのDM(ダイレクトメッセージ)で直接返答したという”異例の事態”が話題となっています。

ケーニグセグのオーナーが「信頼性不足」をSNSにて告発、ケーニグセグCEOが真っ向から反論する異例の事態に。少量生産メーカーならではの問題か
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なぜCEOは直接対応したのか?そして、このデジタル時代のドラマが、ハイパーカーブランドとオーナーとの関係をどう変えるのか?

ここでは、この衝撃的な経緯と、ブガッティが事故車を「ブラックリスト」に入れる理由、そしてリマックCEOの「コスト効率の良い修理提案」の真意を解説します。

史上最もデジタルな交渉:「ブラックリスト解除」への道

今回話題の中心となったのは、フロリダを拠点とする金融・FXトレーダーのインフルエンサー、アレックス・ゴンザレス氏(@fxalexg)。

彼は、大破した限定モデル「シロン ピュールスポール」をサルベージオークション(Copart)で落札し、自力でレストアすることを目指していた、というところから物語がはじまります。

1. 「3Dプリント」という挑戦状

しかし、この大破したシロンはブガッティによって「ブラックリスト」に入れられていたことが発覚し、ここでいうブラックリストとは「安全性が損なわれた事故車に対し、メーカーが正規部品の販売を拒否し、危険なリビルド(修復)を防ぐために行う措置」。※一部のプレミアムカーメーカーでは、パーツ購入時に車両情報を開示しなければパーツを売ってもらえない

よってアレックス・ゴンザレス氏は部品が入手できないという状況に陥ってしまい、ゴンザレス氏はSNSで次のような「脅迫」を行うことに。

「ブガッティよ、このクルマをブラックリストから外すのに24時間を与える。さもなければ、すべての部品を3Dプリントする。」

2. CEOからの予想外のDM

通常であれば無視されるはずのこの投稿に対し、ブガッティCEOのメイト・リマック氏が自らDMを送信。

そのメッセージは「Hey man. Bugatti CEO here.(やあ、ブガッティCEOだ)」という予想外の切り出しで始まっています。

さらにメイト・リマックCEOは、3Dプリントではハイパーカーの部品は作れないと指摘しつつ、安全性を最優先するブガッティの立場を明確に述べることに。

「ギアボックスやカーボンファイバー製モノコックが損傷している可能性がある。これらは3Dプリントできない。我々は、最もコスト効率の良い方法で修理を支援したい。」

3. オーナー視点:なぜブガッティはブラックリストに入れるのか

多くのハイパーカーメーカーが事故車をブラックリストに入れるのは、「ブランドの評判」と「オーナーの安全」を守るため。

  • 安全性の担保: シロンのような1,000馬力以上を発生させるハイパーカーは、シャシーが少しでも歪むと非常に危険な乗り物となり、ブガッティは、事故車が不適切な修理をされ、公道で事故を起こすことで、ブランドの信頼とオーナーの命が失われるのを防ぎたいと考えている
  • 技術的な難易度: シロンの核となるカーボンモノコックや複雑な駆動系部品は、メーカー以外では(現実的な技術レベルに起因して)正確に修理・交換ができない

しかしメイト・リマックCEOは、挑戦的なインフルエンサーに対して高圧的な態度を取る代わり、「協力的な姿勢」を示していて、結果としてブガッティはこのシロンをブラックリストから正式に解除し、ゴンザレス氏と適切な修理計画について話し合う予定だと報じられています。

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新CEOが変える顧客対応:開かれたブランドイメージ

今回の出来事は、ブガッティがメイト・リマック氏をCEOに迎えて以降、ブランドイメージが変化していることを象徴する出来事なのかもしれません。

1. リマックCEOの「親しみやすさ」

リマック氏は、自身の会社であるリマック・アウトモビリ時代から、ファンやオーナーに対して非常にオープンで親しみやすい姿勢で知られており、自身もシロンを日常的に運転するなど、ハイパーカーメーカーのCEOとしては異例の存在。

今回のDMによる直接交渉は、「孤高のハイパーカーブランド」であったブガッティが、SNS時代に対応した「開かれた顧客対応」へと変化していることを示しています。

高額な修理費用という課題は残るものの、メーカーの正式なサポートを得られることで、このシロンは安全性を担保した状態で公道復帰への道が開けることとなり、「失われるはずだった」個体が1台減ったことをも意味します。

2. ハイパーカー市場への影響

この事例は、他のハイパーカーメーカーにとっても大きな教訓となることは間違いなく、というのもSNSにいけるインフルエンサーが持つ影響力は無視できず、「内輪の秘密」であった高級車のカスタマーサービスが、今や「公のドラマ」として展開される時代になったということに。

ブガッティが安全性を守りつつも、オーナーとの関係修復と協力という形で解決を選んだことは、高性能車を扱うメーカーの新しい顧客エンゲージメントの形を示すものと言えそうですね。

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参照:CARSCOOPS, fxalexg

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