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| その理由は「さらに先に進むため、眼前の目標を撤回した |
この記事のポイント
- 幻の最終進化系: ヴェイロンの生産終了直前、最高出力1,341hp(1メガワット)のフェイスリフト版が計画されていた
- ケーニグセグへの対抗: 「世界初のメガワット車」の称号を、ケーニグセグ One:1から奪う可能性があった
- キャンセルの理由: 総帥ピエヒ氏が「450km/h、1,500馬力」というさらに過酷な目標を掲げたため、シロン開発へシフトした
2005年の登場から10年にわたりハイパーカーの頂点に君臨したヴェイロン。
その歴史の幕引きとして、Molsheim(モルスハイム=ブガッティ本社所在地)のエンジニアたちは「究極のヴェイロン」を準備していたことが明らかになっており、ブガッティの現デザインディレクター、フランク・ハイル氏が驚愕の事実について触れています。
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ヴェイロン「メガワット」——1,341馬力の衝撃
ヴェイロンのベースモデルは1,001馬力(PS)、最強の「スーパースポーツ」でさえ1,200馬力。
しかし今回その存在が明かされたヴェイロン「メガワット」はそれを大幅に上回るスペックを想定しており・・・。
幻のスペックとライバル比較
| 項目 | ヴェイロン・スーパースポーツ | ヴェイロン・メガワット (幻) | ケーニグセグ One:1 |
| 最高出力 | 1,200 hp | 1,341 hp (1,360 PS) | 1,341 hp |
| 最高出力(kW) | 約882 kW | 1,000 kW (1 MW) | 1,000 kW |
| 計画の背景 | ヴェイロンの集大成 | 次世代への架け橋 | メガワット車の先駆者 |
もし実現していれば、ブガッティはケーニグセグよりも先に「量産車初の1メガワット(1,341馬力)達成」という歴史を刻んでいたわけですね。
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なぜ計画は「白紙撤回」されたのか?
このプロジェクトを中止に追い込んだのは、驚くべきことに他ならぬヴェイロンの生みの親、フォルクスワーゲン・グループの当時の会長フェルディナント・ピエヒ氏。
ハイル氏によれば、ある日ピエヒ氏が自ら計算したグラフを持って会議に現れ、こう告げたといいます。
「450km/hを目指すなら、1,500馬力と全く新しい空力プロファイルが必要だ」
ヴェイロンのプラットフォームでは、1,500馬力の冷却や450km/hでの安定性を確保することが技術的に限界に達していたとされ、そのためブガッティはヴェイロンのフェイスリフトを諦めて白紙の状態から「シロン(Chiron)」の開発にリソースを集中させる決断を下したとされ、これはいかにも「生粋のエンジニア」であったフェルディナント・ピエヒ氏らしい逸話です。
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20年越しのリベンジ?「FKP Hommage」の登場
そして2026年1月、ブガッティはこの「幻のヴェイロン・フェイスリフト」のデザイン要素を取り入れた究極のワンオフモデル、「Bugatti FKP Hommage(ブガッティ FKP オマージュ)」を発表。
- 名前の由来: フェルディナント・カール・ピエヒ(Ferdinand Karl Piëch)のイニシャルを冠した、彼へのオマージュ
- デザインの継承: ハイル氏が当時描いていた「メガワット」用のシャープなL字型ヘッドライトやフロントマスクを現代の技術で再現
- 中身はシロン: ヴェイロンの姿を借りつつ、心臓部にはシロン・スーパースポーツの1,600馬力W16エンジンを搭載
このFKPオマージュはヴェイロンの初期スケッチを参考にしたスタイリングを持つというので、20年という歳月を経て「ピエヒ氏が夢見た最強のヴェイロンの姿をした怪物」がついに形になったと考えていいのかもしれません。
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ポルシェ創業者一族、フェルディナント・ピエヒ氏が亡くなる。アウディ・クワトロ、ブガッティ・シロンなどVWグループの「顔」をつくり続けた豪傑
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ブガッティ・ヴェイロン誕生秘話:「シャシー5.0」が描いた“夢を現実に変えた”瞬間とは
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結論:妥協を許さぬ追求が「シロン」という伝説を生んだ
もしブガッティが「メガワット・ヴェイロン」で満足していれば、時速490kmを突破したシロン・スーパースポーツ300+は誕生していなかった可能性も。
ヴェイロン・メガワットは日の目こそ見ることっかできなかったものの、その野心は今の「トゥールビヨン(Tourbillon)」へと続く、ブガッティの絶え間ないスピードへの執念として生き続けています。
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