
| 中国に対するイメージはここ日本とアメリカとではまた異なるのかもしれない |
この記事の要約
- 驚きの調査結果: 米国のZ世代の69%が中国ブランドのクルマを購入候補に挙げている
- 認知度の現状: 「BYD」の認知度が35%でトップ。ただし、具体的な内容までは浸透していない
- パートナーシップ: 米国ブランドと提携すれば、76%が「購入を検討する」と回答
- 市場の転換点: 車の価格高騰が続く中、若年層は「ブランド力」より「合理性」を重視
既存ブランドの「聖域」が崩れる?
「中国車なんて誰も買わない」――そんな常識が、今まさに塗り替えられようとしていることが最新の調査結果によって明らかに。
米国市場では現在、中国製車両に対して高い関税が課されていますが、消費者の意識、特に「Z世代(1990年代中盤から2010年代序盤生まれ)」の感覚は、上の世代とは全く異なるようで、Cox Automotiveが実施した最新の調査では、若年層の圧倒的な「中国車への許容度」が浮き彫りになっています。
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【詳細】データが示す「Z世代」のリアルな声
調査結果によると、中国車に対する意識は世代間で鮮明なコントラストを描いていて・・・。
中国製車両の購入検討意欲(米国消費者)
| 属性 | 購入を検討する割合 |
| Z世代 | 69% |
| 全世代平均(非常に前向き) | 38% |
| 全世代平均(否定的) | 39% |
注目される中国ブランドの認知度
| ブランド名 | 認知度 | 内容への詳しさ |
| BYD(比亜迪) | 35% | 17% |
| Chery(奇瑞) | 30% | - |
| Geely(吉利) | 27% | - |
| Changan(長安) | 26% | - |
注目すべきは、BYDのような世界的メーカーであっても、まだ「名前は聞いたことがあるが、中身はよく知らない」という段階だということ。
それにもかかわらず、「検討候補に入れる」というZ世代が7割に達している点は、将来的な市場シェア激変の予兆だと捉えていいのかもしれません。
そしてアメリカでもこの状況であれば、「中国」本土で中国車の支持率が加速度的に向上していることにも納得ができ、この流れは避けようがないトレンドであることもわかります。
なぜ若者は中国車に惹かれるのか?
Z世代が中国車に対してオープンな姿勢を見せるのには、いくつかの合理的な理由があり・・・。
- 圧倒的なコストパフォーマンス: 新車価格が高騰し続ける中、Z世代にとって「手が届く価格」であることは何よりも重要
- ガジェットとしての魅力: スマホ世代である彼らは、伝統的なエンジン性能よりも、車内のディスプレイ、UI、ソフトウェアのアップデート頻度を重視する
- ブランドへのこだわり低下: 「伝統のドイツ車」「信頼の日本車」といった既存のブランドイメージに縛られず、自分のニーズに合う「道具」としてクルマを選定する傾向がある
結論:米国ブランドとの「共生」がカギ
調査ではもう一つ興味深いデータが出ていて、単独の中国ブランドに対しては抵抗があったとしても、「米国ブランドと提携している場合」は、76%が購入を検討すると回答済み。
すでにボルボ(Geely傘下、現在は完全な中国資本)が米国で成功しているように、今後は「中身は中国製、ブランドは馴染みのある米国名」という形での浸透が加速するのかもしれませんね。
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なお、これは欧州にて「MG(これも現在では完全なる中国の会社)の販売が好調」であることからも傾向として理解でき、中国の自動車メーカーがアメリカ市場を攻略する際のひとつのヒントになるのかもしれません。
今回の調査結果を見ると、若者の支持を背景とし、中国車が米国の道路を埋め尽くす日はぼくらが考えているよりもずっと近いんじゃないか、という気もしてきます。
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参考:中国車の「安全性」への評価
かつては「安かろう悪かろう」と言われた中国車ですが、最近では欧州の衝突安全テスト(Euro NCAP)で最高評価の5つ星を獲得するモデルが続出中。
Z世代の「検討する」という回答の裏には、こうした客観的な評価向上も寄与しているのだと考えられます。
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参照:Cox Automotive

















