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いったいどこへ行く中国車・・・。「車載トイレ」の特許が取得され、現地では「大渋滞時には車内で用を足す」がトレンドになりそう

中国車(ファーウェイのショールームにて)

| たしかに中国では「想像を絶する渋滞」が報じられるが |

長距離移動の悩みを一掃する「シート下トイレ」という新発想

渋滞中やキャンプ中、どうしてもトイレが見つからず困った経験は誰にしもあるかとは思いますが、今回中国のEVメーカー「セレス(Seres)」が、そんな悩みを根本から解決するかもしれない驚きの特許を出関して大きな話題に。

なお、このセレスはファーウェイとの提携にて「Aito」を展開するメーカーでもあり、もしかするとAitoにもこのトイレが搭載されることになるのかもしれません。

この記事の要約

  • 革新的なデザイン: 座席下に完全に隠れる「引き出し式」トイレの特許を取得
  • 高度な省スペース: バッテリーで余裕のない車内空間を有効活用する独自設計
  • 競合との違い: 簡易型とは一線を画す、車両一体型の「完全隠蔽式」を実現
  • 実用化の壁: 排水・防臭などの技術課題と、ユーザーの心理的障壁が焦点
  • 背景: AITO M9の販売テコ入れや多様化するユーザーニーズへの対応

セレス(Seres)が取得した「車載トイレ」特許の正体

上述の通り、中国でファーウェイと共同ブランド「AITO」を展開するセレス(Seres)。

2026年4月10日に「車内トイレおよび車両」の実用新案特許(公告番号:CN224104011U)がを正式に認められて登録となり、そしてこの特許の最大の特徴は「座席下のデッドスペース」を極限まで活用している点に見られます。※下の画像は特許画像を元にAIで生成したイメージ図

「車内トイレ」のイメージ画像

車載トイレのスペック・構造

項目内容
特許名称車載トイレおよび車両 (In-vehicle toilet and vehicle)
主要構造トイレ本体、固定レール、スライドレール
収納方式座席下への完全格納式(ドロワータイプ)
展開方法必要時に座席下から引き出し、使用後は押し込んで隠蔽
IPC分類B60R15/04(車両衛生設備配置)

技術的イノベーション:なぜ「座席下」なのか?

これまでの車載トイレといえば、ポータブル型や簡易的な便座を収納ボックスに入れておくスタイルが主流であり、しかしセレスのデザインは以下の点で画期的です。

  1. 「見えない」デザイン: 未使用時は完全に座席の下に隠れるため、車内インテリアの美観を損なわない
  2. 空間の有効活用: 床下にバッテリーパックが敷き詰められているEVにおいて、座席下のわずかな隙間に機能を凝縮するのは極めて高いエンジニアリング能力が求められる(しかしセレスはそれを解決)
中国車(ファーウェイ)のインテリア

「車内トイレ」は競合に対する優位性になる?

中国のEV市場は機能の「飽和状態」にあることがたびたび報じられていますが、自動運転や豪華なエンタメ機能は当たり前となり、各自動車メーカーはその次として「生活の質(QOL)」を追求し始めています。

さらに中国では行楽シーズンになると「数百キロ」の渋滞が続き、ときには全く進まなくなり、路上で麻雀をはじめたりキャンプする様子すら報じられているため、意外とこういった「車内トイレ」の需要は高いのかもしれません(中国のSNSにおいても、車内で用を足すライフハックが話題となることもあるようだ)。

よって今回の特許は「奇妙奇天烈なアイデア」ではなく、中国の日常に密接に結びついたものであるとともに、アウトドア需要や災害時の避難場所としてのクルマ活用、さらには高齢化社会における移動の自由を確保するための戦略的な一歩と言えるものであるとも考えられます(つまり、バカなアイデアだと一蹴することはできない)。

実用化への高い壁:技術と心理のハードル

画期的な特許ですが、市販車への搭載には大きな課題が残っていて・・・。

  • 技術的課題: EV特有の密集したシャシー内での排水パイプの取り回し、汚水タンクの配置、そして何より車内への「臭い漏れ」を完全に遮断する密閉技術
  • 心理的障壁: 「クルマの中で用を足す」ということに対するユーザーの抵抗感。いくら清潔で防臭対策が万全でも、同じ空間で食事や睡眠をとることへの心理的ハードル、他人に見られることに対する抵抗感は無視できない。しかし中国では古来より「中華トイレ(扉がなく溝があるだけ)」という風習があり、他人に「用を足しているところ見られる」ことに対する抵抗感は他の国の人々に比較して薄いのかも※中国では女性の「生理」に対してもオープンであることが知られている
  • 清掃問題:用を足した後のトイレおよび車内の掃除。ただしこれはキャンピングカーでも同様か

なお、現状では、すべての車両に標準装備されるのではなく、高級SUV「AITO M7/M9」などに対し、パーソナライズされたオプション設定として提供される可能性が高いと見られています。

上海のファーウェイのショールームにて、HIMAによる中国車(フロント)

関連情報:AITO M9の現状と今後の展望

参考までに、セレスとファーウェイが手掛けるフラッグシップSUV「AITO M9」は現在中国市場で苦戦を強いられており、最新のデータによると、販売台数は前年同期比で44.2%減。

この状況を打破するため両社はM9のアップデート版を投入予定だとされ、今回の「トイレ特許」のような尖った技術がブランドの独自性を打ち出す鍵になるのかもしれません。

結論

今回登録されたセレスの「車載トイレ」特許は、クルマ移動手段から「動く居住空間」へと進化させる象徴的な出来事です。

技術的な課題や心理的な抵抗感は確かにあるものの、かつては考えられなかった「車内での調理」や「フルフラットベッド」が普及したように、数年後には「車載トイレ」が高級SUVのステータスシンボルになっている可能性も否定できず、ぼくらは今、自動車の定義が(中国の自動車メーカーによって)再び書き換えられる瞬間に立ち会っているというわけですね。

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参照:CarNewsChina

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