| なめらかなラインの中にもシャープさが存在し、いうなれば「細マッチョ」なマッスルカー |
いくぶん「未来のアウディ」が持つ要素も含まれているようだ
さて、特定の自動車メーカーに在籍するデザイナーが「他メーカーの」クルマのデザインを個人的に(単なる習作として)行うことは珍しくなく、今回はアウディのデザイナー、ジェイソン・バタースビーが”シボレー・コルベット”のデザインを公開(以前はランボルギーニやドゥカティのデザインスタジオにも在籍していたそうだ)。
現在アウディとGMはほとんど競合関係にないためこのレンダリングは問題視されないのかもしれませんが、これがもし「BMWやメルセデス・ベンツを題材にしたもの」であればちょっと物議を醸していた可能性もありそうですね。
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やはり「ロングノーズ」はある種の人々にとっての憧れである
今回ジェイソン・バタースビーによって作成され、自身のインスタグラムアカウントへと公開されたレンダリングは「ロングノーズ」が強調された作品となっていて、これは(ミドシップ化されキャブフォワードスタイルになった)現行C8世代のコルベットとは全く異なるもの。
見ての通りそのインスパイア元はC2もしくはC3世代となっていますが、随所に(スプリットウィンドウなど)それぞれの世代のコルベットが持っていた特徴が再現されることに。
ボディ表面は「張り」があり、しかし一方では彫刻でもあるように感じられ、まさに「筋肉質」という表現がマッチしているという印象です。
エンブレムにはブラック仕上げが採用され、グロスフィニッシュの中に「マット」を用いることでチェッカーやユリの紋章が浮かび上がるように配慮されているもよう。
随所には新しく解釈された「コルベットらしさ」が盛り込まれており、ジェイソン・バタースビーはよほどコルベットに思い入れがあるのかもしれませんね。
滑らかなラインの中にもシャープなエッジが見られ、うまくメリハリがつけられているように思います。
ホイールは彫りの深い「5本スポーク」、そしてフェンダーにはカーボン製のエアロブレードも(”STINGRAY”の文字が入る)。
ヘッドライトは隠されており、しかし「回転して」現れるのかも。
ウインドウにはラップアラウンドを採用し、ルーフは「ヘルメット」形状です。
リアを見ると大きなディフューザーを確認でき、しかし注目に値するのは楕円形のテールパイプを備えることで、つまりこの作品は「ガソリンエンジンを搭載したコルベット」を描いているということになりそうです。
アウディのデザインも今後「滑らか」に
参考までに、このジェイソン・バタースビーはアウディにて「(次期A8を示唆する)グランドスフィア・コンセプト」をデザインした人物であり、たしかに今回の「自分が考えたコルベット・スティングレイ」とグランドスフィア・コンセプトは(そのデザイン手法が)よく似ていると言っていいのかもしれません。
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そしてもう一つ参考までに、現在アウディの各モデルは「シャープで彫りが深い」デザインを持ち、鋭角なプレスラインやアグレッシブなディティールを採用するといった特徴があるものの、今後そういった一面は身を潜めてゆくことになると説明されており、それは「攻撃的なデザインが、コロナウイルスのパンデミックや、ロシアのウクライナ侵攻などの悲しい出来事によって傷ついた人々の心を刺激するから」なのだそう。
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参照:jbdesign_ca(Instagram)