| 急激に販売が落ちた理由、そしてダッジ・チャレンジャーの販売が伸び続ける理由はわからない |
ただ、すぐさまフォードがマスタングを販売終了とすることはないだろう
さて、現在飛ぶ鳥を落とすほどの勢いを持つフォードですが、その株価が「2021年、テスラを含むどの自動車メーカーよりも」(パーセンテージ的に)上昇したのは記憶に新しいところ。
そして2022年もその勢いは留まるところを知らず、ブロンコの好調に加え「予約を打ち切らなければならないほど」受注が殺到した(ピュアエレクトリックピックアップトラックの)F-150ライトニングなど明るい話題が揃っているもよう。
ただ、すべてにおいて前途洋々なわけではなく、これまでフォードのイメージを牽引してきたマスタングの販売がなんと「史上最悪」になった、と報じられています。
2021年、フォードは52,414台のマスタングを販売
報道によると、フォードは(4気筒EcoBoostエンジンを搭載したエントリーレベルの車から、スーパーチャージャー付きプレデターV8エンジン搭載のシェルビーGT500に至るまで、すべてのラインナップにおいて)52,414台のマスタングを販売したそうですが、この数値は「マスタング史上最悪」。
なお、マスタングは常にフォードの人気モデルであり、フォードが「乗用車から撤退してSUVとトラックに集中する」と発表された後、同社にて唯一残されたスポーツカーです。
ただしここ最近は販売が(他のスポーツカーと同様に)徐々に落ちてきていて、1991年にははじめて年間10万台を割り、2020年には「史上二度目の」7万台割れを記録していて、2021年にはなんと「6万台割れ」。
マスタングはこれまでも「もっとも売れたスポーツカー」の座をほしいままにしてきたが
そしてマスタングというとすぐに思い浮かぶのが毎年発表される「マスタングが世界で最も売れたスポーツカーになった」というニュース。
ただし2021年はそうはならず、ダッジ・チャレンジャーの54,314台に1900台ほどの差をつけられてトップの座を明け渡すこととなっています。
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そして注目に値するのは、ダッジ・チャレンジャーは2008年に登場して以来、一度もフルモデルチェンジを経験していない「(日産R35 GT-R同様に)高齢モデル」であること。
それに対して現行マスタングは2015年にフルモデルチェンジを迎えており、ここで高齢の(そして前年比で販売を3%といえど伸ばしてきた)ダッジ・チャレンジャーに抜かれてしまったということは、もうその地位を取り戻せないということを意味しているのかもしれません。
チャレンジャーがそこまで長きに渡って売れ続け、今なお販売を伸ばす理由は不明ではありますが、ぼく的には「そのタイムレスなデザインに理由があり、飽きが来ないのだろう」とも推測しています。
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フォードは上述の通り「SUVとトラックに集中」してはいるものの、初のEVに「マスタング」の名を与えるなどマスタングを重要視していることも間違いなく、長年同社のイメージを牽引してきたアイコンをここで「販売終了にする」ことは(今のところ)ないと考えていて、もうしばらくは延命されるだろうとも考えています(ただし現在のところ次世代マスタング開発の報は聞かれていないので、モデルチェンジがなされるかどうかはわからない)。
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