| その上、クレジット依存体質からも抜け出すことができそうだ |
このままサイバートラックの納車を成功させてほしいところだが
さて、テスラが2021年第二四半期(4~6月)の決算報告を行い、8四半期連続で利益を出し、純利益が前年同期比の11倍となる11億4200万ドルに達した、と発表。
これは予想を超える数字であり、さらに四半期ベースで10億ドルを超えるのは今回が「初」で、しかも売上高も過去最高というこれまでにない数字です(その割に株価はあまり上がっていない)。
なお、販売台数は2021年第1四半期の184,000台を超えて20万台を突破したとコメントしており、今後の生産/デリバリー状況次第では「年間100万台」も見えてくるかもしれませんね。
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テスラが「2021年第1四半期は過去最高だった」と発表。なおモデルSとモデルXは新型へ切り替えのため生産ゼロ、にもかかわらず全世界で18万4000台をデリバリー
さて、国内外の自動車メーカーが続々直近の生産や販売台数を公表していますが、今回テスラが「デリバリーが過去最高になった」と発表。モデルY、モデル3、モデルS、モデルXすべてを合計した全世界での販売台数は ...
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営業利益は驚異の11%へ
今回の決算においては注目すべき数字が多く、やはり大きなものとしては営業利益が11%を超えたこと。
以前にテスラは営業利益率5.4%を記録し、北米で最も利益率の高い自動車メーカーになったと報じられたことがありますが、これは高利益率で有名なフェラーリの4%を軽く超えた数字です。
そして今回、これが11%に上昇したということになり、直近で利益が改善されるようなニューモデルが登場したわけではないことを鑑みるに、「これまでの投資をペイできはじめた」「(コストの安い)中国生産のモデル3が大きく寄与した」ということになるのかも。
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欧米で最も利益率が高いのはテスラの5.4%、二位はフェラーリの4%!ただし中国の一位はBYDの13.6%、日本のトップはトヨタ/スズキの0.3%
| どうりで中国には富豪が多いわけだ | さて、中国というと「異常なレベルのお金持ち」が多数いることで知られますが、あまり知られていないのが「なぜお金持ちが多いのか」。その理由は簡単で、中国では「安い ...
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「自動車販売」によって利益が出る体質へと改善
詳細については後に発表されるそうですが、速報値を見る範囲では、これまでの「クレジットを他社に販売して利益を得る」スタイルから「自動車販売のみでも利益を出せる」体質へと転換しつつあるように見え、これは大きな進展、そして未来に向けた明るい材料だと言えるかもしれません。
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2020年、通年ではじめて黒字化したテスラ。その利益構成は「自動車販売だけ」ではなく、他の自動車メーカーに販売する「クレジット」もかなりの割合を占めていた!
| テスラは将来的に、「バッテリー」「ソフトウェア」の販売も計画しているというが | さて、2020年にはじめて「通期で黒字を達成した」テスラですが、その利益構成は「車両の販売のみによるものではない」 ...
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というのも、環境規制を満たせないための罰金を回避する「クレジット」については現在需要がどんどん減っており(それだけ各自動車メーカーとも、環境性能の高いクルマを作るようになっている)、これに頼っていると年々利益が減少することは火を見るよりも明らかで、テスラとしてはこれに依存しない体制への転換が迫られていたわけですね。
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テスラが新たな収入源「再生可能クレジット」市場への参入を申請。一方でビットコインの売買については「マイニングに関わる環境負荷を考慮し」一時停止すると発表
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よって、今回「クレジット依存からの脱却」が見られたのは大きな進展だと考えてよく、これから納車がはじまる「サイバートラック」、そして1台270万円程度と言われるコンパクトEVの利益によって、さらなる健全体質へと変化してゆくことを期待しています。
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| もう少しすればサイバートラックの販売が大きく利益に貢献することになりそうだ | さて、テスラが2021年第1四半期の業績を公開し、改めて納車台数が過去最高(184,000台)になったこと、売上高と ...
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テスラ・サイバートラックの製造コストはフォードの1/7だと指摘した一般人が登場。イーロン・マスク「その見積もりは正確だ」
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参照:TESLA