| これまでは「追われる」ことが多かったテスラだが、欧州市場で人気のコンパクトEV市場へ |
フォルクスワーゲンやホンダ、プジョー、日産といったメーカーのコンパクトEVを一気に駆逐?
さて、多くのメーカーが追随する中、それでも好調を維持し続けるテスラ。
先日は「モデルYにつき、第3四半期生産分までもが完売」と伝えられるほか、値上げを行ったモデルSの販売も好調だといい、さらには早ければ今年から「サイバートラック」の納車がはじまり、来年には「新型ロードスター」のデリバリーも控えています。
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やはり注目は「ベビー・テスラ」
加えてテスラは普及価格帯のEVについても開発を進めており、これは2020年にイーロン・マスクCEOが言及した、通称「ベビー・テスラ」。
約25,000ドル(270万円くらい)で販売されるという魅力的な価格設定を持つコンパクトカーで、フォルクスワーゲンID.3、日産リーフあたりのポジショニングとなる模様。
ただし、このベビーテスラはVW ID.3やリーフはもちろん、プジョー e-208やホンダe、マツダMX-30よりも安価な価格設定を持つことになり、さらにはそれらよりも長い航続距離を持つため、相当に競争力のあるクルマ。
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現在テスラのメイン市場は「大きな車が好まれる」北米ですが、このベビー・テスラは「小さな車が好まれる」欧州市場で販売を伸ばす可能性があり、自社の「モデル3やモデルY」といったラインアップを侵食するより、他社のシェアを獲得する可能性のほうが大きいのかもしれません。
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やはりそのキモは「4680バッテリー」
そしてこの驚異的な価格と満充電あたりの航続可能距離を実現する要因となったのは「4680バッテリー」。
これはテスラの開催した「バッテリー・デイ」にて公表されたもので、生産コストが50%安価で、かつエネルギー密度は5倍という高性能バッテリーです(航続距離が約16%改善する)。
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ベイビー・テスラはこの新型バッテリーを積むということになりますが、これによってWLTPサイクルでの航続可能距離は400キロを超えることになり、フォルクスワーゲンID.3(ベースモデル)の350kmを大きく凌駕することに。
ちょっと前まで、自動車業界は「EVを発売する」ことが目標となっていたものの、現在では「バッテリー」の調達そして開発が最大の課題となっており、フォルクスワーゲンやメルセデス・ベンツ、そしてポルシェも合弁企業経由でバッテリーの開発や生産へと乗り出しています。
そして一時は「未来」と目されていたソリッドステートバッテリーは現在のところナリを潜めており、実用化を諦め撤退するメーカーも。
つまりはそれだけ開発が難しく、よって多くのバッテリーメーカーが「既存技術の改良」へと回帰していますが、トヨタ自動車など一部はまだまだソリッドステートバッテリーの開発を続けており、ポルシェはシリコンを使用した新型バッテリーを使用するなか、テスラはリチウムイオンバッテリーの発展形である「4680」を当面の中心に据えるようですね(高性能な新型バッテリーを開発しても、高価すぎるのであれば意味はない)。
テスラは取捨選択がキッパリしている会社で、車種構成が少ないことからもそれがわかりますが、「空飛ぶ車」や「ソリッドステートバッテリー」については潔く切り捨て、現実的な技術に特化することでコストを抑えているのかもしれません。
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