| ただし増産が行われるのは2024年以降、2023年の生産は限定的 |
サイバートラックは様々な状況をひっくり返す「ゲームチェンジャー」となりうる
さて、先日はテスラの2022年第4四半期および通年の決算説明会が行われましたが、その場でイーロン・マスクCEOはいくつかの(とても重要な)展開について言及しており、そのうちのひとつが2023年半ばにサイバートラックが生産開始されるということ。
サイバートラックは2019年11月に発表され、わずか数日で数十万台にまで予約が膨らみ、現在でも(推定で)150万台規模の予約があると言われますが、紆余曲折あって生産が遅れており、しかしついにそのサイバートラックが生産され、そして出荷される日が近づいていることがテスラCEOによって確認されたわけですね。※しばらく前に予約も停止されており、実際の需要はこれよりもずっと多いと思われる
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ただし本格的な増産は2024年から
なお、このコメントは決算報告会において、株主から「サイバートラックの生産は2023年開始で間違いないのか」と質問された際にイーロン・マスクCEOが回答したもので、この質問に対し「我々は今年の夏頃に生産を開始することを期待していますが、この生産は限定的です。私が重要視するのは生産開始ではなく、量産こそが重要であり、予定されている増産は2024年に設定されています」。
最近ではサイバートラック生産に向けたと思われる生産設備「ギガプレス」がテキサス工場へと運び込まれ設置中であることが明らかになっており、そういった生産に向けた具体的な準備を見るとイーロン・マスクCEOの発言も現実味を帯びてきますが、テスラは昨年末にはセミ(トラック)の納車を開始していて、そしてつい先ごろもセミの生産施設を新しく設置すること、バッテリーパック生産拠点を建設することが報じられたばかり。
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加えて、モデル3のフェイスリフト、そして廉価版の新型EVの開発、さらには新型ロードスターの発売も控えるなどここ1-2年のテスラは非常に忙しい時を過ごすことになるのは間違いなく、これまでにないほど多くの製品展開が行われるのかもしれません。
気になるのはテスラ・サイバートラックの「価格」
なお、生産が開始されるとなる気になるのがサイバートラックの「価格」。
2019年にサイバートラックが発表された際、その開始価格は39,900ドルからだとされ、満充電あたりの航続距離500マイルを誇るトライモーター(3モーター)仕様で69,900ドルという価格が提示されていますが、そこから資材や物流など様々な価格が上昇しており、当然ながら2019年に掲げた価格で納車することが”かなり”難しいのは間違いなさそう。
ちなみに現在はサイバートラックに関するグレード、そして価格の情報は非表示となっており、当初のスペックと価格とは全く異なるレベルにて「発売」されることになると考えら、しかしそれがどれくらい乖離するのかについては全く不明です。
スペックについてだと、その間の技術の進歩によって向上しているのは間違いなく、しかし価格については「大きく上がるのか」それとも「なんとか価格上昇を最小限に抑えるのか」理解が及ばず、150万台という予約台数を考慮すれば(この解消には数年はかかると思われるので)いくら価格を高くしたとしても問題なく売れてゆくはずで、テスラとしては「この儲け時に」稼げるだけ利益を稼ぐのかもしれません。
一方でGMCハマーEV、フォードF-150ライトニング、ラム1500レボリューションなどのライバルが登場していることを鑑みると「それらに受注が流れないよう」競争力のある価格設定とするケースも排除できません。
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参考までに、サイバートラックはギガプレスを採用することで「恐ろしく」コストを下げることができるといい、となるとライバルよりもずっと低い価格でサイバートラックを販売できるのは間違いなく、ライバルを駆逐するという「武器」として安価な設定を行うのではないか、と考えることも。
そのほうが(今年はじめの全モデル大幅値下げのように)株価にとってプラスとなるのは間違いなく、株主対策としてもサイバートラックを「予想外に求めやすい」価格とする可能性もありそうですね。
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参照:InsideEVs