| テスラはまだまだ競争力を失っていないと考えることも可能だが、この成長は「モデルYの値下げ」によるところが大きい |
今後、どれだけ「コストを下げることができるか」がテスラ成長の鍵である
さて、テスラの全世界における販売はわずかに昨年実績を割ってしまい、テスラの成長がついに「止まってしまった」言われていますが(12年ぶりの販売減少である)、中国市場においては2024年12月に約83,000台のEVを販売し、11月から18.9%増加し過去最高の月間販売を記録したこと、これにより2024年の中国における累計販売台数は657,000台となって2023年の約604,000台から8.8%増加したことが明らかに。
つまり、テスラの世界販売が減少したといえど、トヨタやホンダ、フォルクスワーゲン、そしてアウディやポルシェのように「中国市場での販売減少に引っ張られる形で」販売を落としているわけではなく、むしろ「競争が最も厳しく、ほとんどの自動車メーカーがシェアを失っている」中国市場にて販売を伸ばし、そして競合他社がどんどん新型車を発売する中、「モデルS、モデルY、モデル3、モデルY」という4車種のみ、そしてほとんど大幅改良がなされていないラインアップにてこれを達成したのはまさしく「偉業」だと言って良いかと思います。
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テスラにとっての中国市場は全世界の37%を占める
テスラは12月に10,766台のEVを中国から輸出したため、上海工場の卸売台数は93,766台を数え、テスラの中国における卸売台数(輸出を含む)は916,660台となり、2023年の947,742台から3.3%減少していますが、これは中国市場における「登録」ではなく「卸売」であるのには注意を要するところ(つまり中国市場で登録する車両以外の販売も含まれる)。
2024年通年だとテスラは中国から259,485台のEVを輸出し、2023年の344,078台から24.6%減少となっていますが、これは中国以外の市場にて需要が減ったことを示しているのだと思われます(テスラは上海工場でモデル3とモデルYのみを生産している)。
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なおテスラは中国においては非常に活発に動いていて、つい先週には上海の第2工場(メガファクトリー)での試験生産を開始し、近日中に500 kWの充電能力を提供するV4スーパーチャージャーキャビネットの全国展開も始める予定だと報じられ、さらに月末までには、フェイスリフト版のテスラ・モデルY(コードネーム: ジュニパー)の量産が始まる予定であり、この5人乗りモデルに加え、2025年第4四半期には3列6人乗りモデルYも登場する予定です。
そのほか中国でのサイバートラックの販売開始の可能性、加えて自動運転の認可などプラス材料が待機しているのが今年のテスラではありますが、それでも中国勢の追い上げは無視できず、そして競争に耐えきれなくなったいくつかの自動車メーカーが「赤字覚悟での在庫処分」に踏み切るものと見られ、潜在的なマイナス材料も存在するというのがいまの状況なのかもしれません。
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