2024年6月の国内輸入車登録台数は10％ダウン。円安やモデルチェンジによる値上げにより、とくに欧州コンパクトカーは今後「売りづらく」なるだろう

｜　日本車のデザインや性能が向上している今、国産ミドルクラス並みの価格となった欧州コンパクトカーにはあまり魅力が感じられない　｜

基本的には現在の「為替」が主な原因だと考えていいだろう

さて、2024年6月の輸入車登録状況が公開に。

全体としては22,405台が登録され、これは前年比で91.8％という数値となっていますが、現在未曾有の円安といった状況でもあり、とくに日本車と競合するセグメントにあるクルマの割高感が強くなることで、この数字は暫くの間「下落傾向」となってしまうのかもしれません（一部の輸入車においては競争力を失ってしまい国産車に顧客が流れるかもしれない。一方、国産と競合しない超高級車やスーパースポーツは円安の影響を受けないものと思われる）。

こういった為替要因に加えて”もうひとつ”輸入車の販売が下がるだろうと考えられる要素があり、それは「どんどんガソリン車の選択肢が減ってくるであろうこと」と「モデルチェンジにあわせて大幅に値上げがなされるであろうこと」。

おそらく欧州のコンパクトカーは日本だと「売れにくい」存在に

たとえば欧州の小型車（フィアット、プジョー、シトロエン、ルノーなど）は本社の意向もあってガソリン車のラインアップが減りEVへと置き換えられていますが、たとえばフィアットだと500の電動版「500e」の価格はなんと553万円で、正直これはなかなか手が出ない価格です。

さらにミニもモデルチェンジによって大幅に価格が上がってしまい、新型ミニ（ガソリン）は396万円からという価格設定となっていて、これはもうトヨタ・ハリアーのベースモデル（S）の312万円を大幅に超えており、ノア/ヴォクシーのトップグレードとほぼ同じ価格です。

おまけに3ドアハッチバックのピュアエレクトリックバージョンだと463万円というプライスタグを提げていますが、これはクラウン・クロスオーバーの440万円よりも高価であり（パワートレインの違いはあるものの）、コンパクトカーでこの値段になってしまったとなると、いざ購入の際に「ちょっと待てよ・・・」となるのかもしれません（少なくともぼくはちょっと迷う）。

そうなると、今後欧州のコンパクトカーは日本にて「売りづらい」存在になる可能性が高く（よほど日本車にないものを持っていないと選ばれない）、ラインナップの変化と値上げによって徐々にその販売を落としてゆくことも考えられ、現在の輸入車の販売台数に大きな変化が生じることも推測できそうです。

2024年6月の輸入車販売台数はこちら

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参照:日本自動車輸入組合