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2024年7月の米国新車市場ではEV販売が18%も伸び、それでも圧倒的王者は「テスラ」。今後他社がEV投入ペースを緩めたならばさらにテスラの優位性が増すのかも

テスラ・モデルY

| テスラに関してはiPhone同様、先行者利益がいまだに影響しているのだとも考えられる |

もしかするとこのままテスラが一気に巻き返す可能性も

さて、現在多くの自動車メーカーが「EVが売れず」EVに関する計画の見直しを発表しているというのが現状ではありますが、アメリカにおける2024年7月の販売状況を見てみると、EVの販売台数が(前年比で)18%という驚異的な増加を見せていることがわかります。

そしてその中でのトップは相変わらずのテスラであり、他自動車メーカーがどんどん新型EVを投入してくる中において「圧倒的」首位を保持しているのは”見事”と言えるかもしれません(サイバートラックのデリバリーが増加したことが影響している、と報じられている)。

2024年7月のEV販売状況はこうなっている

そこで2024年のEV販売状況を見てみると以下のとおりですが、テスラの57,134台の販売のうち5,175台がサイバートラックによって占められていると報じられ、この台数はヒョンデ全体のEV販売台数にも相当し、かつフォード、シボレー、リビアンなど他の自動車メーカーのエレクトリックトラックが「合わせて5,546台しか売れていない」ことを鑑みるに、「なんだかんだ言ってテスラは強い」と考えていいのかもしれません(テスラ株を売ったのは過ちだったかもしれない)。

さらにフォードやBMW、日産、キア、リビアンなど新旧自動車メーカーが大きくEV販売を伸ばす中でもテスラの販売台数は(前年比で)マイナスに転じておらず、これは高く評価してもいい部分であると思います。

さらに中国でのEV販売についても、一瞬だけ「3位」に甘んじたものの、現在ではまた(BYDに次ぐ)2位に返り咲いていて、テスラは拡大する(大衆化する)EV市場においても「購入者が単なるテスラファンだけではない」ということを示しており、今後多くの自動車メーカーがEVの新規投入を抑えてくるであろう中、ふたたび大きくシェアを拡大することとなる可能性もありそうですね。

メーカー販売台数増減率
テスラ57,1341.2%
フォード9,50467%
シボレー5,90125%
BMW5,48327%
ヒョンデ5,385-14%
キア4,81062%
リビアン4,54535%
日産3,496108%
ホンダ3,012-
メルセデス・ベンツ2,775-3.2%
L10075509

やはり「価格の重要性」は見逃せない

なお、7月の販売でもっとも伸びたのは日産ですが、現在販売しているリーフそしてアリアは「米国市場ではもっとも安価な部類のEV」だといい、しかもモデル別販売ランキングにおいても「1位から10位まで」を安価なEVが独占しているというので、やはり「価格がモノをいう」のは間違いなく、米国の消費者にとって(そしておそらく世界中の消費者にとっても)価格が購入に関する決定的要因であると考えていいのかも(とくにEVの場合、嗜好品というよりも移動手段として選ばれることが多いと思われ、なおさらなのかもしれない)。

参考までに、販売を大きく伸ばしたモデルは米国にて税制控除を受けることができるモデルばかりだそうで、キアEV9、フォルクスワーゲンID.4、ホンダ・プロローグ(控除を受けるとシビックよりも安くなる)らがその筆頭ですが、これは逆に「(このほかのモデルであっても、優遇対象であれば)控除がなくなれば即座に売れなくなるであろう」ということを意味しており、もしドナルド・トランプ氏が大統領に当選したならば、この優遇措置は「即日」撤廃される可能性が高く、EVマーケットは大きな落ち込みを見せる可能性も考えられます。

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参考: S&P Global Mobility

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