アストンマーティン・ヴァルキリーは細部に至るまで自由にカスタムできるらしい
アストンマーティン・ヴァルキリーについておさらい
アストンマーティン・ヴァルキリーはアストンマーティンとレッドブルとの共同開発によるハイパーカー。6.5リッターV12エンジンを搭載し、出力は1000馬力”以上”、重量は1150キロ程度(現在も開発が進められており、さらに高スペックになると思われる)。
予定される販売台数は175台で、うち25台はサーキット専用、価格はなんと2億9000万円程度にもかかわらず、すべての生産台数は「完売」だと伝えられます。
設計はF1においてその才能を発揮してきたエイドリアン・ニューウェイ氏で、自身が考案してきたアクティブサスペンションなどの技術を使用し、「何の制限もなしに」思いっきりやりたいことをやってしまったのが「ヴァルキリー」。
ヴァルキリー(valkyrie)とは北欧神話に登場する半神の名とされ、戦場においてその勝敗を決すると言われますが、アストンマーティンは「V」で始まる名称を用いることが多く、その伝統を引き継いだものとも言われます(ヴァンキッシュ、ヴァルカンなど。意味に共通性はない)。
正式発表の際に「購入者はシートやダッシュボード、ステアリングホイールの素材、トリムの仕上げを自由に選べる」「シートは購入者一人ひとりにあわせて3Dスキャンされ、オーダーメイド」ということが述べられており、今回ブルームバーグの報じるところでは「ホイール含む外装までも自由にカスタムできる」とのこと。※カーボンファイバー製のシートに直接クッションが貼られ、シートも車体に直接固定されているので個々のドライビングポジションにあわせてクッションを成型する必要がある
そしてそのカスタムの内容が決まったら、アストンマーティンは1/18サイズのヴァリキリーの模型を製造し、オーナー一人ひとりに手渡され、あとは納車を待つばかり、となるようですね。
ちなみにヴァルキリーの室内は「かなり広い」と公表されており、じつに成人男性の98%の体型をカバーする、とも。俳優のドゥエイン・ジョンソン氏が「ラ・フェラーリに体が入らない」と言っていましたが、ヴァルキリーにおいてはその心配もなさそうです。
現代の限定スーパーカー/ハイパーカーはカスタムが当たり前?
一昔前の限定スーパーカー、たとえばフェラーリF40の場合だとボディカラーはすべて「レッド」。
つまりフェラーリが決めたカラーしか選択できなかったということになりますが、その後徐々にスーパーカーを購入する層や考え方も変わり、メーカーの思想をそのまま受け入れるよりは、自分の好きな仕様で乗りたい、と思う人が増えてきたようです。
そのためマクラーレンのハイパーカー「P1」では90%のオーナーがそのカスタムプラン「MSO」を利用して好きな仕様へとカスタムし、フェラーリの限定ハイパーカー「ラ・フェラーリ」においてもそれは同じ。
こういった「カスタムを受け付ける」のは多様化する顧客の要望を満たすということもありますが、同時にその車に対する思い入れ(帰属意識)を持たせることにもつながり、「すぐには売らない」ということにもなるのかもしれませんね。
あわせて読みたい
車というより宇宙船か何か。想像よりも遥かに上をゆくアストンマーティン・ヴァルキリーの画像公開
アストンマーティンが「ヴァルキリー」の市販モデルを公開。モックから幾つか変更に
アストンマーティン・ヴァルキリーのシートはオーダーメード。一人ひとり体型を3Dスキャンして成型
アストンマーティン・ヴァルキリーの出力と重量が判明。「フロントのエンブレムは数ミリグラムしか無い」
アストンマーティンCEO「ヴァルキリーを転売ようとしたら、それが誰かすぐ分かる。そして次は売らない」
フェラーリF40は今年で30歳。その歴史、仕様などを振り返ってみよう