| ヴァルハラのデザイン変更はありうると考えていたが、今回はかなり確度の高い報道が出てきた |
さて、アストンマーティンはハイパーカーとして「ヴァルハラ(旧AM-RB003)」をデビューさせる計画を持っていますが、そのデビューは2022年だと言われます。
なお、最初にこのプロジェクトが明らかになったのは2019年ですが、そこからアストンマーティンは「経営者が変わる」という大きな変化を迎えており、当然ながらこれに伴ういくつかの路線変更が生じたわけですね。
具体的にはラピードEの廃止やラゴンダ再生計画の凍結といったところで、そのほかは「自社製エンジン」製造計画もどうやら潰えてしまう模様。
現在アストンマーティンはメルセデスAMGと強いコネクションを持っており、新CEOもまたメルセデスAMGからやってきたトビアス・メアース氏が努めていますが、そういった経緯もあり、アストンマーティン・ヴァルハラに積まれるのは自社開発のV6ではなく、メルセデスAMG製のエンジン(形式は不明)となる可能性が大きい、と報じられています。
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参考までに、アストンマーティンがヴァルハラ、そしてこれから登場する他のクルマのために開発しようとしていたV6エンジンは「60年ぶり」の自社製エンジンとなる予定だったそうですが、あえなくこの計画がポシャってしまうということに(ヴァルキリーに積まれるV12エンジンは自社製ではなくコスワース製)。
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「コンセプトカーとは異なるドライブトレーンを搭載」
なお、このウワサのもととなったのは、現アストンマーティンCEO、トビアス・メアース氏が英Autocarに対し、「市販バージョンのヴァルハラに積まれるパワートレインは、2019年に発表されたコンセプトカーに積まれる(自社開発のV6)ものとは異なるものとなるだろう」というコメント。
これは様々な角度から考えても納得の行く話で、メルセデスAMGからするとアストンマーティンにエンジンを販売できるのでそのぶんの売上があがり、場合によっては(F1等を通じ、メルセデスAMG製エンジンの)宣伝も可能。
アストンマーティンからすると、今までかかった開発費は捨てることになりますが、高性能で信頼性の高いエンジンを安定的に得ることができ、パーツのストックもメルセデスAMGに依存することで、自社での保管分は最小で抑えることができるものと思われます。
加えて、「勝手知ったる」エンジンでもあるので、設計についてもややハードルが下がりそう。
アストンマーティン製の新型V6エンジンが陽の目を見ること無く幕を閉じるのは非常に悲しいことで、そして今「凍結」されるということは、全世界でのEV移行スピードの速さ、アストンマーティンのロードマップを見る限り、金輪際二度と「解凍」されることはないと考えるのが妥当かもしれません。
アストンマーティン・ヴァルハラは「ハイブリッド」に
そしてこのヴァルハラについて、エンジンの変更にもかかわらず、当初の計画通り「ハイブリッド」となる可能性が大。
ヴァルハラの「目標値」は1,000馬力だと伝えられるので、その出力を出すことができるとなると、おそらくは現行世代のAMGにも搭載されるV8ツインターボになるかと思われますが、メルセデスAMGが開発を進めている「AMG GT73e」と同じパフォーマンス志向のハイブリッドシステムを搭載することにより、この出力を成し遂げると考えられます。
まだまだ状況は不透明ではあるものの、これが実現できれば「フェラーリSF90ストラダーレ」「マクラーレン・スピードテール」と同等の出力を持つことになり、これらとともにハイパーカーのハードルを「最低1000馬力」に引き上げることになり、今後参入するほかメーカーに対してプレッシャーを与えることにもなりそうですね。
市販モデルのヴァルハラは「外観」も変更?
そしてもう一つ重要なことは、「そのデザインも変更される可能性がある」ということ。
もしV8エンジンが搭載されるのであれば、+2気筒を収めるためにリヤセクションの変更を行う必要があり、しかし気になるのは「他の部分はどうなのか」。
ヴァルハラにつき、「ヴァルキリー」とよく似た外観が与えられることによって、アストンマーティンの「ミドシップ軍団」としてのプレゼンスを高め、そこへ同様のデザインを持つ新型ヴァンキッシュ(ミドシップ)を投入することでさらにスーパースポーツ界でのポジションを確固たるものにしようという戦略を担うクルマ。
ただしそれは前経営者であるアンディ・パーマー氏の意向でもあり、経営者が変わった今、「変化」をあらわすためにその外観を一新する可能性がないでもない、と考えています。
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参照:Autocar