| さすがに今のアストンマーティンからV8エンジンを取り上げるとかなりキツい |
結局のところ、環境規制のためにメルセデス・ベンツはV8エンジンの使用を停止?
メルセデス・ベンツ/メルセデスAMGは「北米市場における2022年モデルイヤーの車両にはV8エンジンが(一部の例外を除いて)搭載されない」とコメントして世間を驚かせていますが、そうなると心配なのが、メルセデスAMGから供給されるV8エンジンを使用しているアストンマーティン。
同社はヴァンテージ、DB11、DBXにV8エンジンを搭載してており、もしメルセデスAMGからの供給がストップすれば大変なことになってしまうわけですが、今回正式に「メルセデスAMGからのV8エンジンの供給に問題はないことを確認している」と声明を出しています。
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V8問題には不透明なところが多い
なお、メルセデス・ベンツが「V8エンジンを搭載しない」と発表した理由は”供給の問題”だとされ、しかしアストンマーティンによると「供給に問題はない」とのことなので、ここには若干の食い違いも。
そうなると裏には「何らかの事情」があるのではとも勘ぐってしまい、そしてその「事情」とはやはり排ガス規制の問題なのかもしれません。※アストンマーティンの分(のV8エンジン)を優先し、自社の分を犠牲にするとは思えない
参考までに、メルセデス・ベンツは今回のV8問題について「 様々なグローバルな、外部の、そして内部の要求を満たすために優先的に取り組んでいること、また、サプライチェーンにおける課題を含むがこれに限定されないいくつかの他の要因が、様々な市場における製品ポートフォリオの提供に影響を与えている」と難しい言い回しにてコメント。
同社はかねてより環境に対してかなり真剣に取り組んできたメーカーであり、そのイメージを向上させることを考慮するならば「環境のためにV8をやめることにした」と宣言したほうがよほどいいような気がするものの、こういった表現になってしまうということは、メルセデス・ベンツならではの事情があるのかもしれません。
ちなみに、モデルイヤー2022といえど、すでに注文を入れている顧客に対してはV8エンジンを搭載したクルマをお届けしてくれるそうですが、このV8問題が「一時的なもの」なのか、それとも「恒久的なもの」なのかは不明です。
アストンマーティンはメルセデスAMG製のV8はあまり好きではなかったようだが
なお、アストンマーティンが現在の経営体制となる前、つまりメルセデスAMGからCEOを迎える前だと、「メルセデスAMG製のV8エンジンは、過渡期における解決策として導入しているだけであり、じきにこれを自社製のV6エンジンへ入れ替える」とも。
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さらにそのサウンドについては「イケてない」と語り、自社にてエンジンサウンドをチューニングしていることにも触れています。
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実際のところアストンマーティンは自社開発によるV6エンジン搭載計画を進めていたものの、メルセデスAMGと資本提携するにあたり「自社のV6エンジンを捨て、メルセデスAMG製のV8を搭載する」という道を選ぶことに。
かなりの段階まで開発が進んでいたV6エンジンを捨てるというのはかなり思い切った判断ではあるものの(それまでにかけてきたコストが全部無駄になる)、そこまでして生かしたV8エンジンを、今度はメルセデスAMGが(自社向けとして)あっさり捨ててしまうというのには驚きで、今後どうなるんだろうな、と「これからの方向性」が気になっています。
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アストンマーティンはメルセデスAMGとの資本提携によって、これまでの「ガソリン重視」戦略から「エレクトリック化」へと舵を切ることになりますが、V6エンジンを凍結した以上、現在のV8エンジンを核とした展開を行い以外に方法はなく(さすがに直6や4気筒は無いと思う)、よってこのV8エンジンとハイブリッドとを組みあせて電動化の波に乗り、来たるべきときに「フルエレクトリック」へとラインアップを入れ替えるつもりなのかもしれませんね。
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