| ベントレーはアウディの管理下にて、これまでと大きく方向を転換するのかもしれない |
さて、ベントレーがル・マン24時間レースへと復帰する可能性を示唆。
現在ベントレーは「超高級車ブランド」としての展開を行っているので、ベントレーとル・マン24時間レースとを結びつけることは難しいかもしれませんが、実のところベントレーは、これまでに通算6度の優勝経験を持つ「ル・マン24時間レースの強豪チーム」。
初参戦は1923年で初優勝は1924年、そこから1927/1928/1929/1930年と4連覇を成し遂げたものの、その後ロールスロイス傘下に入った際に「モータースポーツ活動を禁止」され、そこからはいったんル・マン含むモータースポーツから遠ざかっています。
そしてベントレーがル・マンに復帰するのは、フォルクスワーゲングループに吸収されたのちの2001年で、参戦から3年目の2003年に73年ぶりの優勝を記録しているわけですね。
ベントレーは再びル・マン参戦を目論む
そこで今回、ベントレーがル・マンへの復帰を考えているという報道ですが、これはベントレーCEO、エイドリアン・ホールマーク氏から出た話なのだそう。
ただ、エイドリアン・ホールマークCEOによると「条件がある」とのことで、その条件とはズバリ「F1マシンと同じ速度で24時走ることができる」という厳しい内容であり、当然ながら現代の技術では(水素含めて)達成不可能です。
よって直近でのル・マン復帰は無いということになりますが、条件を達成できる見込みがあれば、即座に復帰したいと考えているようですね。
ただ、この条件を達成できないとしても、2023年から導入されるLDMh規定に従いローコストでの参戦が可能となり、ポルシェもこの規定を利用してのル・マン復帰を発表しているだけに、ポルシェと同じくフォルクスワーゲングループに属するベントレーとしては「食指を動かす」ことになるのかもしれません。
なお、現在ベントレーはアウディによって管理されることが決まっていますが、2003年のル・マン24時間レースにおいては、「全盛期のアウディを打ち負かして」ベントレーが優勝しているので、奇妙な「縁」のようなものも感じてしまいます。
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ベントレーは合成燃料にも興味を示す
ベントレーはちょっと前にエレクトリック化を加速させ「2030年にはガソリンエンジン全廃」と発表しているものの、これに関してはもしかするとなんらかの変化がある可能性も。
というのも、今回ベントレーのエンジニアリング部門を管理するマティアス・レーブ氏が「合成燃料が実用化されれば、ガソリンエンジンを存続させることができる」と発言しているため。
この合成燃料は現在ポルシェが研究開発を進めているプロジェクトで、これを使用すれば「ガソリンエンジンであっても、EVと同じくらいクリーンな乗り物になる」という夢のような存在です。
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ベントレーはこれから少量生産のコレクター向けガソリン車を販売したい?
ポルシェはこれを「E-Fuel」と呼んでおり、しかし実用化されたとしても「現在のガソリンの倍」というコストの高い燃料になることは間違いなく、そこはベントレーも十分理解しており、よって「合成燃料がガソリンの代替となることはありえないが、ガソリエンジンをより長く存続させることを可能にする手段」だとも述べています。
その意味するところについては「いずれ詳しくお伝えする」という含みを持たせているものの、今後ベントレーは(アウディの管理下にて)少量生産による超高級ブランドへとシフトしてゆくとも伝えられており、その中には「コレクター向けのガソリン車」の存在が含まれているのかも。
そして、そういったクルマを販売してゆくためにも、Eフューエルの存在が不可欠と捉えているのでしょうね。
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参照:Autocar