| ベントレーは前デザイン責任者の辞任にあわせ、次世代モデルのデザイン言語をいったん白紙に戻す可能性もありそうだ |
それにしてもベントレーのデザイナーはよく交代が報じられる
さて、ベントレーが「ボルボのデザイナーを獲得した」と発表。
ちなみにベントレーの前デザイナーであったトビアス・スールマン氏はつい先日「マクラーレンに移った」ことが発表されていますが、このトビアス・スールマン氏は以前にもマクラーレンでの勤務経験を持つ「出戻り」組です。
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ベントレーの新デザイナーも「出戻り」組だった
そして今回ベントレーがチーフデザイナーとして迎えたのはロビン・ペイジ氏。
上述の通り同氏はボルボにてデザイナー(グローバルデザインの責任者)を務めており、「ボルボの電気自動車の未来のためのデザイン言語を創造することに貢献した」人物です。
デザイナーとしての経験は30年にも及ぶそうですが、特筆すべきは、このロビン・ペイジ氏が2001年から2013年までベントレーのインテリアデザイン部長を務めていたということで、(初代)コンチネンタルGTやミュルザンヌのインテリアは彼の手によるものだと紹介されています。
つまり、このロビン・ペイジ氏もまた「ベントレーへの出戻り」となりますが、いったん辞任したデザイナーが古巣に戻るという例はけっこう珍しく、しかも今回はベントレーCEO、エイドリアン・ホールマーク氏の「直属」となるのだそう(つまりはかなりの高待遇で復帰したということになる)。
そしてエイドリアン・ホールマークCEOは「ベントレーの歴史の中で、ごく初期の形成的時期のデザインに貢献し、その後のベントレーを定義することになったコンチネンタルGTを世に送り出した彼の功績は非常に大きい。そんなロビン・ペイジを迎えることができ、非常に光栄である」とコメント。
加えて「9月1日から我々ベントレーに加わるロビン・ペイジが、電気自動車時代におけるベントレーのデザイン言語を形成するであろう」ことについても言及し、「彼は、2030年までに完全な電気自動車化を目指すという私達の目標を加速させ、さらに大きな物語を形成する時期に入社することになります。彼のこれまでの革新的な自動車デザインの経験は、ベントレーブランドへの強い理解と相まって、持続可能なラグジュアリーモビリティのリーダーとしての私たちの将来の野望を達成するにあたり、完璧にマッチしていると言えるでしょう」とも。
一方のロビン・ペイジ氏は「過去と現在との連続性を保ちながらルールを再定義し、最初のベントレーのピュアエレクトリックカーのデザイン言語を構築するという機会に携わることができ、感謝しています。これは私にとって大きな挑戦でもあります」とコメントし、その意気込みを見せることに。
ベントレーのピュアエレクトリックカーは「バトゥール似」になると言われるが
なお、ベントレーのピュアエレクトリックカーは現在のベントレー各モデルが持つデザインから大きくシフトすると言われ、「バトゥールはそのプレビューである」とも。
よって今後登場することになる「新世代」ベントレーはバトゥールの要素を取り入れたデザインになると理解していましたが、今回のロビン・ペイジ氏のコメントを見るに、もしかするとこれまでのデザインを(前デザイン責任者の辞任とともに)破棄し、新しくデザイン言語を設定しなおす可能性もありそうですね。
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参照:Bentley