| 例によってフォルクスワーゲングループからの流出となり、同グループではよほど生き残りが難しいらしい |
マクラーレンはCEOの交代以降、急速にその変革を進めている
さて、マクラーレンはそのCEOを「入れ替えた」ところですが、今回はチーフデザイナーが「入れ替わった」との報道。
今回新しくマクラーレンのチーフ・デザイン・オフィサーに就任するのはトビアス・スールマン氏で、同氏は2020年10月から2021年9月にかけてマクラーレンに勤務したことがあり、その間に特別プロジェクトのチーフデザイナーとして、ソルス(Solus)GTの制作に参加したのだそう。
ただ、その後に同氏はマクラーレンを離れ、ベントレーのエクステリアデザイン責任者となり、2023年1月にはフォルクスワーゲングループ内の内部再編に伴い、デザインディレクターへと昇格しています。
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やはりフォルクスワーゲングループからは流出が多い
そしてトビアス・スールマン氏はベントレーのデザイン部門のトップとなった4ヶ月後にその職を辞してマクラーレンに移籍したということになりますが(実際の着任は9月から)、フォルクスワーゲングループからはとにかくデザイナーの流出が多く、フラビオ・マンツォーニ氏(現フェラーリのチーフデザイナー)、ワルター・デ・シルヴァ氏、フィリッポ・ペリーニ氏、サシャ・セリパノフ氏、ルク・ドンカーヴォルケ氏など、ブガッティやランボルギーニのデザイナーなどが多くの他自動車メーカーへと流れています。
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話をトビアス・スールマン氏に戻すと、同氏は着任以降、マクラーレンの美学に関するあらゆる側面に責任を持つことになり、たとえばエクステリアとインテリアのスタイリング、さらにはカラーや素材も管理し、顧客との連携によるオーダーメイド車両の製作までを手掛けることになるのだそう。
マクラーレンCEOであるマイケル・ライターズ氏は「トビアス・スールマンは、非常に経験豊富なカーデザイナーであり、これまで当社の画期的なソルスGTプロジェクトに携わり、マクラーレンを理解してくれています。さらにトビアス・スールマンは、当社のフューチャー・オブ・パフォーマンス事業戦略の一環として、発展途上の製品ポートフォリオにつき、マクラーレンの新しいデザイン言語を開発する上で主導的な役割を果たすことになるでしょう」とコメント。
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マクラーレンは急速にその事業方針を刷新しつつある
マクラーレンはCEOを交代させた後に重役を相次いで入れ替えていて、(エレクトロニクス業界から役員を連れてくるフェラーリとは異なり)自動車界からエグゼクティブを起用する機会が多くなっており、たとえばリヴィアンを経てチーフテクニカルオフィサーに就任したチャールズ・サンダーソン氏や、フェラーリから新車種ラインエグゼクティブディレクターに就任したエマヌエーレ・ラベグリア氏といった顔ぶれも。
マクラーレンは「SUVを作らない」ことですっかり流れに取り残されたという印象がありますが、株主としてはそれを許容できず、よって(SUVに明るい)マイケル・ライターズ氏をCEOに起用した後、今回はトビアス・スールマン氏を招き入れることでそのブランドイメージやデザイン言語を刷新することに注力しているということになりそうですね。
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