2100万円は「キットだけ」、車両本体は1億5000万円
サーキット走行オンリーの触れ込みで発売されたブラバムBT62ですが、顧客の要望に答え、公道走行を可能とするパッケージを発売する、と公開。
この「公道走行キット」の価格は約1100万円と高価ですが、もともとBT62の車両価格自体が1億5000万円くらいなので、このコンバージョンキットの価格は車両価格の「10%以下」。
ブラバム「我々は、常に顧客とともにある」
ブラバムは、このキットのリリースのほか、公道走行のための登録に必要な各種テストや申請についてもカスタマーをサポートするとしており、「日常的に乗れるように」前後サスペンションリフトも提供するなど、かなり「公道走行化」については積極的な姿勢を示しています。
公道走行コンバージョンキットには、ステアリングレシオの変更やエアコン、高品質な内装、ドアロック(サーキット用車両なので当然備わってない)、イモビライザーなどが含まれるそうで、内容を見るに「かなり前から(もしかするとBT62の発表前から)」これを計画していたのかもしれませんね。
なお、これらを装備すると重量は当然ながら増加するため、その軽量性(972キロ)が失われることになり、出力(710馬力)についてもパワーダウンを余儀なくされることになりますが、それでも”並のスーパーカー”よりは高い戦闘力を誇りそう。
ちなみにブラバムの代表、デビッド・ブラバム氏は「BT62はあらゆる環境でテストされており、そこに制約はない。公道走行ももちろん不可能ではなく、我々は、父(ブラバム創業者)がそうであったように、常に顧客の側にいる」と語っています。
なお、ブラバムBT62は、近年発売された新興スーパーカーの中では「最も優れている」とぼくが思うクルマ。
ブラバム自体が最も成功したF1コンストラクターだとされ、ブラバム設立者、サー・ジャック・ブラバムは「自身の設計したマシンでF1に参戦し、優勝した」唯一の人物。
現在のブラバムはその頃とはずいぶん違うとは思いますが、その血を引いた息子たちが経営する会社であり、そしてBT62は一見して高い運動性能、そして品質、耐久性を持っているであろうとわかるオーラを放っている、と思います。