
| 驚くことにGaragitiはV12エンジンを「新規開発」 |
電動化時代に逆行する“ピュア”ハイパーカー
電気自動車がどれだけ圧倒的な加速力を見せつける時代になったとしても、ハイパーカー / スーパーカー市場の顧客の中には依然として“大排気量V12”を求める声が根強く存在します。
週末のドライブには「息をつく間もない加速」よりも「クルマとの対話」が重要なのだと思われ、ここで”感情を揺さぶるエンジン音、ダイレクトな操作感、そしてマニュアルシフトの楽しみ”が求められているのかもしれません。
そしてそんなニーズに応えるべく誕生したのが英国の新興メーカーGaragisti & Co.(ガラジスティ・アンド・コー)が送り出す新型ハイパーカー「GP1」ですが、このアプローチはライバルのNiluや復活したデ・トマソP72同様、デジタル時代におけるアナログの逆襲とも言える手法です。
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元ブガッティのデザイナーが手掛けたデザイン
このガラジスティGP1のデザインを率いたのはブガッティやリマックで最新モデル「トゥールビヨン」を含むプロジェクトを担当したアンヘル・ゲラ氏。
フロントはピニンファリーナ・バッティスタを思わせ、リアセクションはランボルギーニ・カウンタック(初代、そしてLPI800-4)の影響を色濃く受けていますが、これは偶然ではなく、創業者マリオ・エスクデロ氏がカウンタック25thアニバーサリー(ミウラのオレンジと同色)を所有していることに由来するもよう。
なお、ルーフからリアにかけてはカウンタックLPI800-4を強く連想させますが、リアエンドは独創的なデザインを持っており」X」型テールランプ、そして4本出しエキゾーストパイプが印象的。
ホイールもやはりカウンタック(初代)を思い起こさせる「リボルバー」。
ガラジスティGP1はカーボンモノコック採用、車体重量1トン以下
ガラジスティによれば、GP1はカーボンファイバー製モノコックと軽量素材を多用し、その結果として乾燥重量はわずか1,000kg以下(にわかに信じられない)。
室内は完全にドライビングへとフォーカスし、インフォテインメント画面すら排除されています。
エンジンは6.6L NA V12+6速MT
搭載されるパワートレインはイタルテクニカが開発した6.6L自然吸気V12、そして最大出力800馬力を9,000rpmで発生するという高回転型。、
ターボや電動アシストは一切なく、駆動は後輪のみで、トランスミッションはXtrac製6速マニュアルを組み合わせ、シャシーはDEXETテクノロジーズ、ブレーキはブレンボ、サスペンションはオーリンズが供給すると発表されています(ここまで詳細を詰めているとなれば、よくある”机上の空論ハイパーカー”ではないのかもしれない)。
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生産台数はわずか25台、価格は約4.3億円から
メーカー名の「Garagisti(ガラジスティ)」は、F1黎明期に活躍した小規模独立チーム(イタリア語)に由来しているといい、P1の生産台数は25台のみに限定され、その価格は245万ポンド(約4億9000万円)から(ただしカスタマイズの内容によって最終価格は大きく変動する)。
現時点でその存在はデジタルレンダリングのみにとどまるものの、今後物理的なプロトタイプの発表に向けて開発が進行中であるとアナウンスされており、今後の追加情報に期待したいと思います。
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