| 相変わらずロールス・ロイスは「純正なのに」過激な仕様のクルマを登場させてくる |
外装はまさかのグラデーション、ガラスを混入させることで開発に18ヶ月を要する
さて、ロールス・ロイスが12台のみ限定となる「ロールス・ロイス・ブラックバッジ・レイス・ブラックアロー」を発表。
この「12台限定」という数字は「V12」から来ており、そしてこのモデルは「最後のV12エンジンを搭載する(クーペモデルの)限定シリーズ」だとアナウンスされています(つまり、これ以降はスペクターに取って代わられるということになる)。
ロールス・ロイスの一つの時代の終わりを示す記念碑的モデル
このロールス・ロイス・ブラックバッジ・レイス・ブラックアローは、発表された現段階にてすべて完売しているといい、おそらくはロールス・ロイスの重要顧客のみに声がかけられ受注がなされたものと考えられます。
そしてV12クーペ最後の世代だけあって非常に特別な仕様が与えられており、ボディカラーは見ての通り「グラデーション」。
フロントのカラーはセレブレーションシルバー、リアはブラックダイヤモンドだと紹介されていますが、このブラック部分にはガラスフレークを混ぜたトップコートがかけられているといい、それによって「きらめく」ようなまばゆい輝きを実現しているものと思われます。
そしてこの塗料はロールス・ロイスが18ヶ月もの期間をかけて開発したとアナウンスされ、「これまでに調合した塗料の中ではもっとも複雑な配合を持っている」とも。
さらにこのブラックバッジ・レイス・ブラックアローは、1930年代にボンネビルで357.497mph(575.335 km/h)という速度記録を打ち立てた、V12エンジンを2基搭載したサンダーボルトの陸上スピード記録車からインスピレーションを受けていると紹介されており、当時のサンダーボルトが(アルミのポリッシュ仕上げボディはボンネビルのソルトフラッツ上では反射して見えにくかったので)サイドにブラックの矢印とイエローのサークルが描かれていたことに着目し、そこで今回「イエロー」、そして「イエローのサークル」がモチーフとして取り入れられることに。
イエローのモチーフはホイールセンターキャップやスピリット・オブ・エクスタシーのベース部(BLACK ARROWの文字が刻まれている)、フロントバンパー左右のエアインテークガイド、エンジンルーム内のバーや・・・。
V12エンジンのバッジにも。
サイドシル(上のキックプレート)には矢印とサークルが描かれ、「WRAITH BLACK ARROW」「ONE OF TWELVE」の文字も。
ロールス・ロイス・ブラックバッジ・レイス・ブラックアローのインテリアはこうなっている
そしてこのロールス・ロイス・ブラックバッジ・レイス・ブラックアローも非常に特別な仕上げを持っていて、単にイエローがアクセントとして用いられるだけではなく・・・。
ヘッドレストには「アロー」が再現され、ヘッドライナーに輝く2,117個の光ファイバーライト(スターライト)は、1938年にサンダーボルトが記録を樹立した際のボンネビルの夜空を表すパターンを示している、とのこと。
そしてダッシュボードにはV12エンジンを模したイラストも。
クロックにもイエローのアクセントが用いられ、そしてサンダーボルトが記録した357.497mphという記念すべき数字が刻印されています。
ステアリングホイールの12時位置にはドット加工にて「記録達成のために走ったソルトフラッツ上に描かれたマーク」を再現。
センターコンソールには、流線型を持つサンダーボルト号のミニチュアも。
ドアインナーパネルなど一部の内装には「ひび割れた」テクスチャが使用されていますが、これはおそらく「ソルトフラッツを模したもの」。
リアシートのセンターには大きさの異なるパンチング加工にてストライプが表現され、イエローのアクセント、そして左右シートの間にはインフィニティマークがあしらわれています。
ロールス・ロイスCEO、トルステン・ミュラー=エトヴェッシュ氏によると「レイスは、グッドウッド(ロールス・ロイスの本拠地)で製作したクルマの中で最も重要で影響力のある1台です。その並外れたパワー、パフォーマンス、そして存在感は、ロールス・ロイスというブランドをまったく新しい顧客グループに開放しました。この画期的なモデルの最後の一台がグッドウッドから出発する準備をしようとしている今、我々はそれを記念してブラックバッジ・レイス・ブラックアローを送り出そうと決めたのです」と語っており、本当にこれでV12クーペが”最後”となってしまうようですね。
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参照:Rolls-Royce