| マイアミ警察はディーラーからこのロールス・ロイスの提供を受け、よりよい人材獲得のためのプロモーションに役立てたいだけであったが |
これまでの例からしても、まさかこのような反応があるとは思ってもみなかったであろう
さて、マイアミビーチ警察が「新しくロールス・ロイス・ゴーストをパトカーとして導入した」と公式インスタグラムへと投稿したところ、とんでもない数の批判コメントが殺到するという事態に。
このロールス・ロイス・ゴーストは現地ディーラーによって提供(おそらくは貸与)されたもので、カッコよくネット上に登場することで警察官への応募を増加させる予定であったものの、結果としては待ったく逆の感情を(この投稿を見た人に)与えることとなっています。
アメリカではあまりそういったコメントがなされないという認識だったが
なお、日本とアメリカではこういったSNSへの投稿に対する反応に大きく差があると認識していて、簡単に言えばアメリカではポジティブ、日本だとネガティブといった反応が多いと考えています。
たとえば、猫さんが可愛い被り物をした画像をSNSへ投稿すると、アメリカでは「Soooo Cute!I Love It」という反応が多いものの、日本だと「動物虐待!」というコメントが多いという印象であり、よってこういった「高級車をパトカーに」という投稿を行った場合でも、アメリカでは「Cool」「Nice」「Amazing」といった賛同コメントが付き、日本だと「税金の無駄遣い」「そんな高級車やスーパーカーは日本だと必要ない」といったアンチコメントがなさるといった認識です。
-
フェラーリが速い車を発売→「日本では不要」。ホンダがNSXを発売→「NSXは世界一!」。なぜなのか
スポーツカーメーカーが速い車を発売すると必ず出てくるのが「速い車不要論」。日本ではそんなに速度を出せない、どのみち速度は100キロに制限されている、というのがこの趣旨になりますが、この理論だと全て ...
続きを見る
実際のところ、マイアミビーチ警察もここまで批判されるとは思っていなかったようで、もちろんほか警察の「スーパーカーをパトカーに導入した」という投稿同様に、ある程度の好意的な注目を集められると考えたのだと思われ、しかしインスタグラムにこの動画がアップされるやいなや批判の嵐となったわけですね。
批判コメントの中には(マイアミビーチ警察が行った、”車両はディーラーによる提供で、ここには税金が使用されていない”という説明を読まず)、脊髄反応的に「我々の税金はここにすべて使われているのか」と書き込む人はもちろん、説明を読んだうえで「同じ費用を投じるならば、地域社会を助けるために別のことをすべきでは」と冷静に進言を行う人も。
すべては「ロールス・ロイス」が良くなかったのか
一方、マイアミビーチ警察のウェイン・ジョーンズ署長はマイアミ・ヘラルド紙へ「このロールス・ロイスはイノベーションへの取り組みと、地域社会に貢献する最も優秀な人材を採用するというわれわれの献身的な姿勢を表している」と語ったほか、「ロールス・ロイスは警察が購入したものではなく、税金を使用していない」ということを改めて強調し、このプロジェクトは採用促進を目的としているという声明を別途出すなど異例の事態に発展しています。
さらにはマイアミビーチ警察の広報官クリストファー・ベス氏は「従来の採用方法では優秀な人材を採用するのには十分ではなく、革新的かつ創造的な採用ツールを使用することで、我々の職業の中心である誠実さ、奉仕、卓越性の価値観を体現する人材を惹きつけることができる」とコメントしているものの、この騒ぎは一向に収まる気配がなく、マイアミ市は「ロールス・ロイスのパトカーには税金が使用されていないことは確認したが、もしこのクルマに損害が発生した場合、納税者に負担が生じる可能性がある」とコメントするなど”思わぬ方向へと発展しつつある”のが現在の状況。
なお、マイアミビーチ警察の投稿に対するコメントを見ると、「じゃあこれからはシャンパンボトルを持った警察に逮捕されるってことか」というものも見られ、ここから推測するに、ロールス・ロイスの持つイメージがマズかったのかもしれません。
つまり、ロールス・ロイスは(マイアミだと)パーティーピープルの乗り物であって誠実さとは無縁であり、今回のパトカーが仮にロールス・ロイスではなく、ストイックなスポーツカーや、人々に夢を与えるスーパーカーであれば、SNS上での反応は違っていたんじゃないか、と考えたりします。
あわせて読みたい、関連投稿
-
レクサスLC500が栃木県警のパトカーに採用!寄贈したのは栃木県民、なんとGT-R NISMOも寄付した人だった
| 世の中にはスゴい人がいるものだ | なんと栃木県警にレクサスLC500クーペがパトカーとして導入されることに。これは栃木県民そして会社役員の中村和男さんから寄贈されたものだそうで、交通機動隊に配備 ...
続きを見る
-
ランボルギーニがドバイ警察へと666馬力のスーパーSUV、ウルス・ペルフォルマンテを納入したと発表。これによって世界最強パトカー軍団がさらに強化される
| 今回はランボルギーニが直接ドバイ警察へとウルスを納入 | ドバイ警察は様々な警察車両を取り揃えることでも知られている さて、ランボルギーニはイタリアの警察へとウラカン、そしてウルスを納入し、これら ...
続きを見る
-
トルコ警察にフェラーリ、ベントレー、ポルシェ、メルセデス・ベンツなど「5億円相当の」23台のパトカーが配備。なんと一人の麻薬密売人からの押収車両
| ここ最近は犯罪者から押収した車両をパトカーへと転用する例が増えている | 車両の有効活用や「犯罪は報われない」というアピールには”もってこい”の方法なのかも さて、「高級車やスーパーカーをパトカー ...
続きを見る