
Image:Rolls-Royce
| 花見を再現するため、ロールス・ロイス初の「3D刺繍」が用いられ、柔らかな光すらも表現 |
その控えめなラグジュアリーはまさに「日本文化そのもの」である
さて、ロールス・ロイスが最新の「オーダーメイド車両」を公開。
ベースとなるのはファントム、そしてこの時期にぴったりな「チェリーブロッサム」と命名されていますが、その概要は以下の通り。
- 日本の伝統「花見」にインスパイアされた特別なカスタムオーダー
- クライアントが家族と共有するために桜の美しさを表現
- 25万以上のステッチと6か月の開発期間を経て実現
- スターライト・ヘッドライナーに桜の刺繍を施し、幻想的な空間を演出
- ロールス・ロイス初となる立体的な3D刺繍を採用
ロールス・ロイス・ファントム「チェリーブロッサム」はこんなクルマ
このプロジェクトは3年前、ロールス・ロイスの職人たちがクライアントと直接会い、そのビジョンを詳しく理解することから始まったと説明されており、完成したファントムは「単なるクルマではなく、職人技の粋を集めた芸術作品」に。
もちろんこのファントムのオーナーは日本人だそうですが、オーナーが幼少期から親となるまでの「花見」の思い出を反映した作品でもあるのだそう。
Image:Rolls-Royce
「日本では桜が、人生の儚さと美しさの象徴として大切にされています。この壮麗なオーダーメイドのファントムは、国際的に知られるこの瞬間を極上の刺繍技術で表現しました。25万以上のステッチを施し、初めて3D刺繍を採用することで、落ちる花びらに立体的で触れられるような質感を持たせました。このクルマは、クライアントの個人的な思い出を形にしたものであり、ビスポークデザインが個々のストーリーと伝統的な職人技、そして現代アートを融合できることを示す象徴的な一台です。」
マルティナ・スターク(ロールス・ロイス・モーターカーズ、ビスポーク・デザイン部門ゼネラルマネージャー)
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車内には桜の木の下に座る感覚を再現すべく繊細な刺繍が施され、ビスポーク仕上げの「スターライト・ヘッドライナー」には満開の桜の枝が刺繍され、ここで用いられる”花びらが舞うデザイン”は後部ドアパネルや前後席を隔てるプライバシースイートの仕切りにも採用されることに。
この現代的な工芸品のデザインと開発には6か月以上を要したといい、特にヘッドライナーの刺繍には3週間をかけ、合計25万ステッチ以上が施されています。
ここで採用される3D刺繍の効果として、光が当たることで刺繍の細かなディテールが浮かび上がるとともにその緻密さが際立って見え、桜の幹部分には、日本の伝統的な織物技術「タタミステッチ」を応用した特殊な刺繍技法が使われるなど、その豊かな質感を生み出すために最大限の注力がなされているようですね。
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さらに、刺繍された枝が絡み合いながら成長しているように見えるデザインは「11枚の刺繍パネルを職人が一つひとつ丁寧に配置する」ことでシームレスなビジュアルが実現されたもの。
加えて桜の花びらは個々にサテンステッチが施され、光の当たり方によって異なる輝きを放つ「宝石のような」質感を持つことにも言及されています。
その美しさもさることながら、これを実現した「3D刺繍」についても触れておかねばならず、これはロールス・ロイスがはじめて採用する技術であるそうですが、これにより、クラシカルな平面刺繍とは異なる、視覚的・触覚的な奥行きの演出が可能となっています。
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この3D刺繍の製作には、まったく新しい技術が要求され、糸を重ねることで自立する構造を作り、その後、職人が一枚ずつ手作業で花びらを整え、最適な位置に配置するというプロセスが採用され、これによりて”インテリア照明と組み合わせた際”、柔らかな影が生まれるよう計算されているようですね。
このほか、「花見」のテーマは内装だけでなく、細部にまで反映されています。たとえば、特別仕様の傘の内張りには舞い落ちる桜の花びらが描かれ、この「傘」とはロールス・ロイスの「お決まり」としてドア内部に収納されているものを指しています。
また、外装にも桜をモチーフにしたデザインが取り入れられ、ボディカラーは「クリスタル・オーバー・アークティック・ホワイト(もちろん特別な技法を用いた塗装)」、リアドア部分には手描きによる桜のコーチラインも。
Image:Rolls-Royce
こうやって見ると、「ファントム・チェリーブロッサム」は、ただのラグジュアリーカーではなく、日本文化とビスポーク・クラフツマンシップが融合した、世界に一台しか存在しない芸術作品であることがわかり、桜が持つ「儚さの美学」を永遠に刻み込み、オーナーの思い出とともに世代を超えて受け継がれる—それがこの特別なファントムであることもわかります。
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