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ブガッティが「トゥールビヨン」のデザインプロセスについて語る。「我々の場合、単にハイパーカーを作るのではなく、次の100年を定義しているのです」。なお限定250台は一瞬で完売

ブガッティが「トゥールビヨン」のデザインプロセスについて語る。「我々の場合、単にハイパーカーを作るのではなく、次の100年を定義しているのです」。なお限定250台は一瞬で完売

Image:Bugatti

| ブガッティは「10年に一度」しかモデルチェンジを行わないため、デザイナーの仕事は他の自動車メーカーとは大きく異なる |

トゥールビヨンでは「歴史」を重視し、これまでに発売してきたモデルの要素を融合したデザイン案に決定

さて、ブガッティはデザイナーの交代、そして新型ハイパーカー「トゥールビヨン」の発表をもって「新しい時代」へと突入していますが、”どう新しくなったのか”についてはシリーズ化したコンテンツにて紹介されています。

そして今回リリースされたのが「トゥールビヨンのデザインを作成する過程」に関するもので、2022年2月にブガッティのデザインチームがトゥールビヨンのデザイン案を発表した重要な瞬間に起きた新しい変化、そして挑戦、さらにブガッティの”次の世紀に”インスピレーションを与えるだけでなく、永遠に関連性を保つクルマを作るため、未来の世代を見据えて設計されたそのプロセスについて述べることに。

ブガッティ・トゥールビヨン
ブガッティ・トゥールビヨンの「上に開くドア」はデザイン的側面ではなく機能上の理由からだった。「あれは、ドレスを着た御婦人が降りるときに”変な格好”をしなくてすむようにです」

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ブガッティ・トゥールビヨンのデザインは「新旧デザイナーの合作」

ブガッティのデザイナーはアキーム・アンシャイトからフランク・ヘイルへと交代していますが、この交代のための準備を行う時間は十二分に確保されており、よってトゥールビヨンにおいては、この両名を中心として多くのデザインを最終案へと絞り込んでいます。

彼らは何ヶ月もの間、1世紀以上のブガッティの歴史を参考にしたアイデアを練り上げ、同ブランドの最も象徴的なモデルから伝説的なデザインのヒントを再考し、まったく新しい時代を迎えるにあたり、明確なブガッティのアイデンティティを維持しようと努めることになりますが、デザイン案が完成した後には実物大の塗装済みモデルを作り上げ、これらが2022年2月に取締役会に提示されたのちに最終デザインが選ばれ、そのご後数か月にわたって実現可能性の調査が行われるという過程を経たのだそう。

ブガッティが「19年間デザインを牽引したデザイナーが退任する」と発表。後任は内部から、そしてシロン後継は後任デザイナーによって2年前から開発され2024年に発表予定
ブガッティが「19年間デザインを牽引したデザイナーが退任する」と発表。後任は内部から、そしてシロン後継は後任デザイナーによって2年前から開発され2024年に発表予定

| ブガッティをデザインするということは、永遠に残る芸術品を作り出すことに等しい | さらにブガッティはパーツ一つ一つ、そして「ボディパネルを外した時の美しさ」にも注意を払っている さて、ブガッティが ...

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Bugatti (3)

「ブガッティでは、デザインの新しい時代を始める機会は非常にまれです。ヴェイロン以来、ほぼ20年にわたり、ブガッティの車は伝説的なW16パワートレインを中心に設計されてきましたが、今、まったく新しいハイブリッドV16エンジンを中心にアイデンティティを完全に変革するチャンスが訪れています。私の仕事は、この新しい時代に向けたデザインを取締役会と株主に推奨することです。それは、現代のブガッティ DNA のエッセンスを 1 つのデザインに凝縮したもの、つまり、どんな距離から見てもブランドの比類のない伝統を紛れもなく表すクルマです。」

元ブガッティ デザイン ディレクター アキーム・アンシャイト

Bugatti (2)


そしてこの「取締役会へのプレゼンの瞬間」は、トゥールビヨンの開発だけでなく、ブガッティ ブランドの近い将来と長期的な未来がどのように進化するかという点でも重要なターニングポイントであったといい、実際のところトゥールビヨンのデザインは、この時代の新しいブガッティのそれぞれに影響を与えるだけでなく、これからの世代のブガッティ デザイナーのデザインのインスピレーションの源になる、とも説明されています(つまり、トゥールビヨンと同じ世代にて、様々なバリエーションが登場するということを示唆している)。

ブガッティ
ブガッティはトゥールビヨンの他にも様々なモデル展開を考えている?「ブガッティはスポーツカーだけを作ってきたわけではありません。フロントエンジンも可能です」

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デザインスタディを絞り込むプロセスは、単に美学の問題ではなく、ブガッティによれば「技術的な実現可能性、認証要件を満たす能力、ブガッティだとすぐに認識できるようにする象徴的なデザイン要素を維持する必要性など、各デザインが完全な量産車になるまでの道のりにおいて、どのように機能するかを総合的に評価するもの」。

加えて、時速400km以上で走行できるクルマの場合、空気力学と熱力学が完璧にバランスしていることも非常に重要だったといいます。

かくして取締役会は、この新しい時代のブガッティにふさわしい、”最も本物で時代を超越した外観デザイン”、これまでに発表されたモデルのデザイン要素を融合したデザインに同意し、ここからプロジェクトが加速することとなるわけですね。

「決定を下すと、エンジニアの仕事が始まります。何とかして、デザイナーが望むものにできるだけ近づけるようにします。そして、デザイナーとエンジニアの非常に密接なコラボレーションが始まります。」

ブガッティ・リマックCEO メイト・リマック

01 BUGATTI Visual Identity

「今日、私たちはブガッティの次の 100 年の基礎を築いています。これは、単にハイパースポーツカーを新たに作るということではありません。ブガッティがこれからの世代にどのような存在となるかを定義することです。ですから、私たちはそれを正しく行う必要があります。今私たちが下す決断が、ブランドの未来を決定します。2016年の発表以来、シロンが数多くの派生モデルや特別版の青写真となったのと同じです。」

このトゥールビヨンの納車は2026年に開始される予定ですが、それに先立ちエンジニアリング上の課題を解決した「市販モデル」としての姿にて今年6月にブガッティの本社で世界初公開され、そして「発表後すぐに250台の生産枠がすべて割り当てられた」ことについても言及されており、ヴェイロン、シロン、そしてトゥールビヨンと「代を重ねるごとに」その完売のペースが早くなっていることもわかります。

ブガッティが「トゥールビヨン」のデザインプロセスについて語る動画はこちら

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参照:Bugatti

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