
Image:Bugatti
| ザ・クエイルに現れたブガッティ究極の1台 |
随所にブガッティ創業者、そしてその愛馬へのオマージュが込められる
さて、ブガッティがそのワンオフモデル「Brouillard(ブルイヤール)」の実車をモントレー・カー・ウィーク「ザ・クエイル」にて世界初公開。
このブルイヤールはブガッティが116年前に創業して以来、ブガッティが培ってきたコーチビルド(特注車体製作)分野における芸術、そしてユニークなハイドメイドによる自動車を創造する技術をあますところなく称賛するモデルという位置づけです。
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【世界限定1台】ブガッティが「創業者の愛馬」に捧げた特別モデル「ブリュイヤール」公開。新たなコーチビルドプログラム「ソリテール」第一弾
Image:Bugatti | 新プログラム「ソリテール」から誕生した、唯一無二のクーペ「ブリュイヤール」 | 今後、ブガッティからは数々の「世界に一台」、唯一無二のハイパーカーが誕生しそうだ ブガッ ...
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創業者エットーレ・ブガッティの愛馬がモチーフ
その雄大なシルエットから精緻にキュレーションされたコックピットに至るまで、ブルイヤールは創業者エットーレ・ブガッティがこよなく愛した情熱、「乗馬」へのオマージュを表現しており、「ブルイヤール」という名称そのものがエットーレ・ブガッティのかつての「愛馬」を指しています。
(かつての)ブルイヤールは、エットーレ・ブガッティが所有し、深く敬愛した白とグレーの経路を持つ雄大なサラブレッドであったといい、その馬が持つスピード感、美しさ、そして比類なき優雅さは、シャトー・サン・ジャン(当時のブガッティの本拠地)から送り出されたすべてのブガッティ車を定義するようになったと言われています。
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実際のところ、ブガッティと馬とは関係性が非常に深く、フロントグリルも「ホースシュー」つまり蹄鉄の形をしていますが、このブルイヤールのホイールも一見すると(ランボルギーニにて顕著な)「リボルバー」のように見えるものの、よく見ると「ホースシュー」。
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こういったユニークなエピソードこそが、ブガッティの新たなビスポークプログラム「プログラム・ソリテール」の創造性を掻き立てる要素でもありますが、このブルイヤールの場合、すでに高度に個別化されたパーソナリゼーションプログラム、「シュール・ムジュール」のカスタムによる範疇をさらに超え、20世紀初頭のコーチビルドの豊かな伝統からインスピレーションを得たということに。
なお、この「プログラム・ソリテール」は今回ブガッティが発足させた「ワンオフ車両を制作する」プログラムではありますが、ブガッティはその創業初期にもタイプ57シャシーをベースとして「ガリビエ」「ステルヴィオ」「ヴァントゥー」「アタランテ」といった歴史的なモデルを数多く生み出しており、「プログラム・ソリテール」は、かつてのブガッティのコンセプトやデザインを蘇らせるだけではなく、その活動内容そのももの「復活」といっていいのかもしれません。
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フォームと機能を融合させた新コンセプト
その「プログラム・ソリテール」第一号となるブルイヤールは、過去20年にわたって絶え間なく磨き上げられてきたブガッティの最新技術、そして前例のないデザインコンセプトを融合させており、その核となるのは、1,600PSを発生する象徴的なW16クワッドターボエンジン。
これまでのエンジニアリングの伝統に加え、ブルイヤールはまったく新しいクーペ・スタイルをまとっており、優雅に形作られたエアインテーク、流れるようなルーフラインから特注のダックテールリアウィングまで、そのエクステリアデザインは、フォーム(形)と機能が慎重にバランスよく両立されています。
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唯一無二のインテリア
そしてインテリアにおいてはまた違った芸術性を体現しており、ギアセレクターにはブルイヤール(馬)の手彫彫刻が埋め込まれ、ドアパネルとバックシートには馬モチーフが刺繍にて再現され、どちらもパリから取り寄せられた特注のタータン生地で構成されています。※ステアリングホイールにもこのタータンチェックが採用される
クリアグリーン塗装が施されたカーボンファイバーはアルミニウム製パーツとエレガントにペアリングされ、フロントフードとシンクロする形状を持つガラスルーフは、広々とした空間と大聖堂のような壮大な感覚を生み出すことに。
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芸術作品としてのハイパーカー
ブガッティのマネージング・ディレクター、ヘンドリック・マリノフスキー氏はこのプログラム・ソリテール、そしてブルイヤールについて以下のように語っています。
「ブルイヤールがそのすべての美しさを体現し、初めて発表されるのを見るのは、個人的にも、そしてブランドにとっても、感動的な瞬間であり、祝福すべき成果です。
プログラム・ソリテールは、ブルイヤールの誇り高きオーナーのような情熱的なコレクターが、ブガッティを唯一無二の存在たらしめているものすべてを称えつつ、誰も目にしたことのない創造物を実現するために設立されました。このようなアートと情熱の作品は、私たちを信じられないほどの興奮と未来への期待で満たしてくれます。大切なお客様の自動車の夢が、次に私たちをどこへ連れて行ってくれるのか、待ちきれません」
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