AutoExpress報じるところによると、アルピーヌは2019年に「SUV」をリリース、とのこと。
たしかに新生アルピーヌは発足当初から「SUV発売」の計画を持っていましたが、ここへきてそれが現実的に。
なおアルピーヌは「A110」を発表し、内容を見ると多くの専用パーツを持ち、それらを見る限り「とうていビジネスとしては成り立たないだろう」というほどの内容となっています。
アルピーヌはルノーの展開するブランドではあるものの、プラットフォームはもちろんシート、ブレーキなどに専用開発したものを使用し、タイヤまでも専用品。
要はルノー車との互換性がなく、それだけコストがかかっている、ということに(レイアウト自体もミドシップ)。
販売においても「専売ディーラー」を立ち上げており、とにかくあらゆる方面でコストがかかったプロジェクトで、しかし「A110」だけでは(投じた費用を)到底回収できないであろうことは素人でも容易に想像のつくところですね。
そこで今回の「SUV」ですが、どうやらアルピーヌの(利益上の)本命はこちらであったようで、A110はアルピーヌブランドを周知させるためのフックであり、実際の利益はSUVで稼ぐ、という計画である模様。
たしかにいきなり「アルピーヌがSUVを出しても」往年のファンは納得せず、であればオリジナル同様のコンセプトを持つ軽量なスポーツカーを発表してマニアを唸らせ、その後にやはり同様にスポーティなSUVを発売、というシナリオであれば非常に有効。
現在のところ世界中で「SUV人気」ではあるものの市場は過密状態で、ここへ新規参入するにはあまりに「空きスペースが少ない」のも事実。
ただし「スポーツカー的SUV」であればまだブルーオーシャンの可能性があり、ここは以前にロータスが狙った部分であると思われます(今回のロータス買収によっておそらく白紙撤回?)。
似たようなカテゴリだと「史上最速SUV」を標榜するアルファロメオ・ステルヴィオがあり、ジャガーが先ごろ発表した小型SUV「E-PACE」も同様かもしれません。
ただしこれらは「セダンやSUVのプラットフォームを流用したもの」でバックボーンがスポーツカーではなく、しかしアルピーヌの場合はA110という強力なモデルが存在するために「スポーツイメージ」をより色濃く出せる、つまり強力な競争力を発揮する、とも考えられますね。
なお実際のアルピーヌ製SUVは「A110のリフトアップ版」ではなく、メルセデス・ベンツGLAをベースにすると言われており、しかしA110同様に軽量が徹底的に図られるのだろう、とは考えています(ルノー=日産とダイムラーは提携関係にある。メルセデス・ベンツ初のピックアップトラック、Xクラスも日産ナヴァーラがベース)。
おそらくはルノー=日産アライアンスという「資金力のある」会社だからこそできた長期的なつ資金を要求される戦略であると考えていますが、最近の新ブランド(もしくは復活したブランド)ではあまり見られないビジネスモデルではありますね。
アルピーヌA110のレビューが解禁されたようだ。動画が続々公開になり16分間走るだけの映像も
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