| アルピーヌは今ひとつ日本に対しての本気度が感じられない |
先日より「ニューモデル」のティーザーキャンペーンを開始していたアルピーヌですが、ついにのニューモデル、”A110S”を公開。
現在アルピーヌのラインアップは「A110」のみ。
しかし今回、よりパフォーマンスの高い「A110"S”」を追加した、ということになります。
アルピーヌA110Sとはいったいどんなクルマなのかを見てみましょう。
アルピーヌA110Sはスポーツ性能を徹底的に向上させたハイパフォーマンスモデル
やはり「S」というからにはパワフルなエンジンが与えられ、通常のアルピーヌA110と同じ1.8リッター4気筒ターボ(ルノー・メガーヌRSとも同じ)ながらも出力は252PSから292PSへとパワーアップ。
トランスミッションもこれまでと同じ7速デュアルクラッチという組み合わせです。
車体重量はちょっと増えて(1110kgから)1114kgへ。
これは(後述の)ブレーキディスクの大径化が影響しているのかもしれません(ホイールサイズはもともと18インチ)。
通常、ハードコアモデルは「軽量化」がなされることになりますが、すでにベースモデルのA110でも徹底した軽量構造を持つため、これ以上軽くすることはもう無理なのかもしれませんね。
なお、重量増加よりもパワーアップのほうが勝るため、0-100キロ加速は4.5秒から4.4秒へ。
最高速度は260km/hだとアナウンスされています。
そしてエンジンのパワーアップとともにサスペンションの強化もなされ、スプリングレートは50%増し、アンチロールバーの強度は100%増し(つまり2倍)に。
ダンパーも専用品へと変更され、車高は4ミリダウンしています。
足元にはダーク仕上げの18インチサイズの「GT レース」ホイールにミシュラン・パイロットスポーツ4、そしてより径の大きなディスクを持つブレンボ製ブレーキ。
アルピーヌのチーフエンジニア、ジャン・パスカル・ドース氏によるとA110Sは「A110と全く違う性格を持つ」。
当然A110に比較してスパルタンな乗り味を持つということになり、「ハイスピード領域における安定性」「ハンドリングの正確さ」が両者を隔てる決定的な差だとしています。
おなじように「スタンダードモデル」「S」という構成を持つミドシップスポーツとしてはポルシェ718ケイマンがありますが、こちらもスタンダードモデルと「S」とでは大きく差があって、そしてやはりその差はA110とA110S同様に「対象とする速度域」「ハンドリング」だと認識しています。
アルピーヌA110はポルシェ718ケイマンを仮想ライバルとして設定していると言われますが、そのラインアップや、ラインアップごとの性格までもが「競合する」ことになりそうですね。
そのほか、こんな外観上の差異もある
フロントの「Alpine」バッジのインナーはブラック。
Cピラーのバッジもこれまでの「フレンチトリコロール」からカーボン、そしてオレンジのインレイへ。
アルピーヌA110Sのインテリアも「アップグレード」
アルピーヌA110Sのインテリアももちろんスタンダードモデルから変更され、専用の表皮を持つサベルト製スポーツシート、そしてシート、センターコンソール、ドアインナーパネル、ダッシュボード、ステアリングホイール等に施されるオレンジステッチがその特徴。
カーボン製トリム、アルミ製のペダルやフットレストは「標準装備」とのこと。
なお、オプションが豊富に揃うのもアルピーヌA110Sの魅力。
さらに軽量なホイール、マットペイント、カーボンファイバー製ルーフ(-1.9キロ)などが選択可能に。※カーボンルーフの価格は不明ですが、軽量化される重量を考えると「ちょっと割にあわない」かも。外観の変化を期待してこれを装着する人のほうが多そう
現在のところ受注を開始しているのはフランス国内のみ。
アルピーヌA110自体が大変な人気のため「納車待ち」となっていると聞きますが、右ハンドル国への対応はさらに遅れており、よって日本でこの「A110S」を見ることができるのはずっと先になりそうです。
なお、アルピーヌA110は大変に素晴らしい車で、ぼくに「ポルシェ718ケイマンを購入したことを後悔させた」唯一のクルマ。
真剣に注文を考えたものの、「ディーラーが遠い(アルピーヌはまだまだ拠点が少ない)」、そして「ボディカラーの選択肢が少ない(明るい色がない。メガーヌRSのようなイエロー、オレンジがあればいいと思う)」ことがひっかかり、現在発注は「様子見」状態。