| 生半可な腕ではドライブできない |
アウディがフランクフルト・モーターショーにおいて、R8の後輪駆動モデルを発表。
これは先日ドーナツターンを繰り返す様子を収めたティーザー動画を公開していたモデルで、正式名称は「アウディR8 V10 RWS」。
「RWS」は「Rear Wheel Series(リアホイールシリーズ」を表すとされており、今後シリーズ拡大の予感も(RWS Plusなど)。
※アウディジャパンからのプレスリリースはこちら
アウディR8 V10 RWSはクーペ/スパイダー両方に設定され、アウディスポーツCEO、ステファン・ヴィンケルマン氏によると「運転の楽しみを見出すための特別なモデル」としており、限定での発売。
なおレーシングカーのアウディR8 LMSは(レギュレーションの規定により)後輪駆動となりますが、R8 LMSからのフィードバックを受けたのが今回の「R8 V10 RWS」ということになりそうです。
エンジンはもちろん自然吸気V10/5.2リッター、出力は540馬力(ベースグレードのアウディR8 V10と同じ)。
0-100キロ加速は3.7秒(4WDモデルの+0.3秒)、最高速度はクーペで時速319キロ、スパイダーで時速317キロ(4WDモデルよりそれぞれ2キロ弱低い)。
なお重量は4WDシステム(クワトロ)を廃することで-50キロを実現し、1590キロにまでダイエット。
50キロ軽くなったとしても0-100キロ加速において0.3秒を要するということは、いかに4WDが停止からの加速において重要であるかもわかります。
限定台数は999台とされているものの、クーペ/スパイダー”それぞれ”なのか”あわせて”なのかは不明。
発売は世界中で行うとしており、じき日本でも発表があるかもしれませんね。
外観上の(4WDモデルとの)差異はマットブラックのグリル、ボディ同色にペイントされたサイドブレードのアンダー部分。
R8 V10 RWSクーペには画像の通り、「Audi R8 LMS GT4」風のレッドストライプを装着可能とのこと。
ちなみに兄弟車である「ランボルギーニ・ウラカン」も「4WD」と「2WD(後輪駆動)」モデルがあり、4WDモデルは610馬力、2WDモデルは「580馬力」。
アウディの場合は「R8 V10(4WD/RWS両方)」が540馬力、「R8 V10プラス(4WD)」が610馬力、という設定。
なおランボルギーニ・ウラカンの2WDモデルは「RWD」という呼称で呼ばれており、今回のR8とは似ていてちょっと異なるネーミングとなっています。
上の方で「0-100キロ加速」について少し触れましたが、ウラカンの場合もやはり0-100キロ加速では4WDのほうが優れるものの、そこから先は部分的にRWDのほうが数値的に優れていたようにも記憶しています。
出力は30馬力低くとも車体重量が軽く、なにより「1輪あたりが担当する馬力」が大きな後輪駆動モデル(ウラカンRWD)は、実際に走らせると4WDよりも「ダイレクト」な印象があり、それはやはりR8 V10 RWSも同じだと推測可能。
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つまりは単純な加速を楽しむというよりは「実際に走行する環境において」、通常速度域からの加速や、駆動力をもって車体の向きを変えるという「操る楽しさ」を表現したモデルであると考えられ、R8 V10 RWSは4WDモデルとはまた異なる性格を持つのでしょうね。
R8は「S」「RS」モデルを扱う「アウディスポーツ」扱いですが、このアウディスポーツにおいて初の「4WD(クワトロ)」ではない市販車の登場、ということになりそうです。
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「Audi Sprts」バッジ。
本来であれば「quattro」の文字があるはずですが、2WDモデルが今後増加するであろうこと、そもそもクワトロ社が「アウディスポーツ」に社名変更していることを考えると、この「audi sports」バッジが増えてゆくのかもしれません。
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限定モデルをあらわすシリアルプレート。
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アウディがおそらくはフランクフルト・モーターショーにて発表すると思われる、R8後輪駆動モデルのティーザー動画を公開。
これを見ると優雅にドーナツターンを繰り返す様子がわかりますね。
なお、アウディR8が「後輪駆動化」されるのはこれが初となりますが、これは現CEO、ステファン・ヴィンケルマン氏の意向が強そうです。
というのも同氏は前にCEOを務めていたランボルギーニにてガヤルドを後輪駆動化した実績があり、その後のウラカンでも後輪駆動モデルを用意。
加えてアウディのハイパフォーマンス部門「クワトロ」の責任者となってすぐには「4WD」を意味する社名である「クワトロ」を「アウディスポーツ」へと変更し、さらには「必ずしも4WDは正しい回答とは言えない」と発言しています。
こういった流れから「後輪駆動の」R8が登場するのは必然とも言えますが、今の時点でこれがどういったエンジンを積むのかは全く不明。
現行の他モデル同様に5.2リッターV10なのか、それとも噂されてきた2.5リッターツインターボなのか。
さらには5.2リッターV10であれば馬力は540馬力なのか610馬力なのか、それともその上か下か中間か、など。
ただ、動画ではドリフトを繰り返していることを考えると「操る楽しみ」を追求したのだと考えられ、であれば自然吸気エンジンの可能性大。
ちなみにランボルギーニ・ウラカンでは4WDモデルが610馬力、2WDモデルは580馬力。
後輪駆動モデルの方が出力が落とされていることにはなるものの、「1輪あたりの馬力」は後輪駆動モデルの方が上となっており、よって実際に乗ってみると後輪駆動モデルの方が鋭い加速を見せる、という印象があります。
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いつでもどこでもドリフトだ
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R8初の後輪駆動モデルとなり、これは出力540馬力、0-100キロ加速3.7秒、最高速度は317キロ。
R8と基本構造やエンジンを同じくするランボルギーニ・ウラカンの後輪駆動モデル「ウラカンRWD」は足回りやスタビライザーに変更が加えられ、そのスプリングレートなどは4WDモデルに比べてよりハードに。
アクセルオンで自由に車体の向きを変えることができる
具体的にはサスペンション/スタビライザーが4WDモデルに比べ50%ハードになり、フロントデフやプロペラシャフト、ドライブシャフトがなくなることで重量は-31キロ。
これによって重量配分は前後40:60へとリア寄りとなり、さらにアクセルを踏み込むと「オーバーステア」つまりドリフト許容の設定に。
アウディR8 RWSについてガヤルドRWDと同様の設定かどうかは不明ですが、動画を見る限りだと「アクセルオンでオーバーステア」つまりドリフトマシン、と言えそうです。
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