| レクサスのSUVラインアップではメルセデス・ベンツ、BMW、アウディに対抗できない |
Automotive Newsによると、レクサスは「ラインアップの大幅入れ替え」を狙っている、とのこと。
要約すると、レクサスはメルセデス・ベンツやBMWMに比較するとSUVのラインアップに乏しく、よって消費者にとっては「それら、もしくはアウディの次」という代替的選択肢に甘んじているため、この状況を改善すべくSUVを拡充する模様。
実際のところ、ちょっと前の数字ではあるものの、レクサスのSUV構成比率は50%にとどまり、これに対してアウディは55%、メルセデス・ベンツは63%、BMWは62%。
アウディ「2025年には販売の半分がSUVになる」。SUV車種構成比ではアウディ55%、BMW62%、ベンツ63%、レクサス50%
時代はSUV。もうSUVしか売れない状況に
ちなみにフォルクスワーゲンは2020年には34台のニューモデルを発売するとしていますが、うち12車種はSUV。
フォルクスワーゲンはゴルフカブリオレ、ビートルなどを販売終了とし、それらのかわりにSUVを追加しているということになりますが、とにかく欧州の自動車メーカーは(中国と北米対策として)SUVに注力しているのが現状です。
つまりレクサスはSUVに関し、欧州の自動車メーカーに比較して「出遅れた」ということになりますが、これはトヨタが「セダンこそがメイン」だという妄想に囚われていたためだと思われます。
実際のところ「カムリ」はそれなりに売れてはいて、だからこそトヨタは「セダンはまだ売れる」という幻想を抱いたのかも。
反面、メルセデス・ベンツやBMWの場合、セダンがさほど売れていなかったために”見切りをつける”ことができたのだと思われますが、トヨタ/レクサスはその判断が遅かったのかもしれません。
そんなワケで今更ながらレクサスは「SUV拡充」に乗り出すことになり、その第一弾と言われるのはミッドサイズSUV。
7人乗りもしくは8人乗りになると推測されていますが、登場時期などは今のところ不明。
レクサスにはラグジュアリーSUVとクーペSUVが必要
加えてレクサスはLX、GX、RX、NXといった既存SUVもアップデートしてゆくと言われ(UXはまだ新しい)、しかしメルセデス・ベンツ、BMW、アウディにあってレクサスにないのは「ラグジュアリーSUV」と「クーペSUV」。※RXは北米だとベストセラーSUV
レクサスは「LX」を持つものの、こちらはオフローダーベースであり乗用車ベースではないので、乗り心地についてはBMW X7、メルセデス・ベンツGLS、AudiQ8に一歩譲ることになり、これらに対抗できる、たとえばGA-LプラットフォームベースのラグジュアリーSUVが必要だとぼくは考えています(メルセデス・ベンツはかなり早いタイミングでGLSをフルモデルチェンジさせたが、それは新しいプラットフォームを使用することで洗練された乗り心地を手に入れたかったからだと思われる)。
そしてクーペSUVについてもメルセデス・ベンツはGLCクーペ、GLEクーペを持ち、BMWはX4、X6を持つものの、レクサスのクーペSUVは「ゼロ」。
そのうえアウディはQ3スポーツバックを投入し、ポルシェもカイエン・クーペを投入しているという状況の中でレクサスは「クーペSUVを持たないプレミアムブランド」。
ちなみにレクサスはラグジュアリーSUVとして「LF-1リミットレス」を発表していますが、こういったクロスオーバーこそが今のレクサスに必要なのかもしれません。