
Image:BMW
| BMWは「ノイエクラッセ」にてそのパフォーマンスを別次元へと引き上げることになりそうだ |
果たしてノイエクラッセはEV市場、ハイパフォーマンスEVセグメントの覇者となりうるか
BMWが上海モーターショーにて新たなコンセプトカー、「ヴィジョン・ドライビング・エクスペリエンス(Vision Driving Experience)」を公開。
これは2023年に初披露された「ヴィジョン・ノイエクラッセ(Vision Neue Klasse)」のアップグレード版で、パフォーマンス重視の電動モデルとして開発されおり、公式には“電動M3”とはされていないものの、その方向性を強く示唆する1台です。
Image:BMW
ヴィジョン・ドライビング・エクスペリエンスでのカモフラージュは「最小」
この新しいプロトタイプはこれまでのカモフラージュを脱ぎ捨て、その代わりに特殊なルミネセント塗装が施されることに。
これには(スーパールミノヴァのように)光を蓄えて暗闇で発光する顔料が使われており、さらに紫外線を浴びるとリアセクションに黄色のグラデーションが浮かび上がるフィルムも装着されています。
Image:BMW
加えてホイールには加速度や回生ブレーキの動作状況に応じてグリーン・ブルー・オレンジに発光する要素が付与されるなど、視覚的にも革新的な試みがされていることが特徴です。
パフォーマンス面では、4つのエレクトリックモーターを搭載し、高度なトルクベクタリングによって圧倒的なコントロール性を実現しますが、驚くべきはそのトルク値で、BMWは最大で17,990Nmのトルクを発揮すると発表しています。
Image:BMW
これはホイール出力での数値と考えられ、一般的なエンジンのクランク出力とは異なるものの、いずれにせよ異次元のパフォーマンスであることに変わりはありません(車体やドライブトレーンがこれを許容できるのかどうかが心配である)。
その他の特徴としては、すでに公開済みの「Heart of Joy(=ハート・オブ・ジョイ、歓びの核)」と呼ばれる新しい制御ユニット。
これは今後のノイエクラッセすべてに搭載予定だと説明されており、駆動・回生ブレーキ・操舵・制動すべてを統合制御し、次世代BMWのドライビング体験を担うという「文字通りの中核」です。
Image:BMW
おそらくそのディティールは今後の市販車にも採用される可能性が大
BMWはこの車両を「市販化の予定はない開発用プロトタイプ」としていますが、そのデザインやテクノロジーが今後登場する電動Mモデルやノイエクラッセシリーズに大きな影響を与えることは間違いなく、とくにこのキドニーグリル、さらにはその中に示されるルーバーのようなデザインは今後のBMWにおける「定番」となるのかもしれませんね。
Image:BMW
なお、BMWは2027年までに40車種以上の新型・改良モデルを投入予定であると発表済みで、まずは2025年末にハンガリーのデブレツェン工場で生産される新型iX3が皮切りとなり、2026年にはi3(3シリーズのEV版)と見られるセダンも登場予定。
そして順次そのデザインがこのヴィジョン・ドライビング・エクスペリエンスに寄せられることになるものと思われます。
合わせて読みたい、BMW関連投稿
-
-
BMW M専売モデル「第二弾」、XMは正直言って期待外れ?すべての意味においてBMWの思惑とは異なる方向へとものごとが動いてしまい、悪夢のような結果を招くことに
| Z4にも販売台数で抜かれたところを見ると”やはりBMWはSUVではなくスポーツカーを作るべき”であったのかも | 一方のZ4は逆の意味での「想定外」である さて、BMWはM専売モデル「第二弾」とし ...
続きを見る
-
-
もはやメルセデス、BMW、アウディも「中国市場では歓迎されない」状況に。完全に時代に取り残され、中国車を「追う」立場へ
| まさかこの短期間ですべての状況が逆転しようとは | そしてこの状況を再び「ひっくり返す」ことは難しいであろう さて、とにかく欧州の自動車メーカーが現在頭を悩ませているのが「中国での販売状況」。簡単 ...
続きを見る
-
-
ポルシェは中国においてBMWやメルセデス・ベンツよりも大きな販売減少を記録。現地では「ポルシェは他のブランドに置き換え可能」なブランドにすぎない?
| ボクらにとってポルシェは「唯一無二、孤高の」スポーツカーブランドであるが、中国市場では「そうではない」 | 中国市場にポルシェが正式に参入したのは「カイエンの発売」とほぼ同時である さて、中国が「 ...
続きを見る
参照:BMW