| あまり話題にされないが、メルセデスAMGのエンジンは比類ない |
メルセデスAMGは「A35」「CLA35」「CLA35シューティングブレーク」を発表していますが、まだ登場していないのが「A45」「CLA45」「CLA45シューティングブレーク」。
メルセデスAMGの場合は数字が大きいほうが出力が高くなり、「A」系モデル、つまり2リッター4気筒エンジンを搭載するFFベースモデルの頂点は「45」という数字が付与されることになります。
ただ、これはティーザーキャンペーンが開始されたものの、これまで実車の発表やスペックの公開がなく、世界中のファンが「今か今か」とその発表を心待ちにしている状況。
限定モデルだとランエボのほうがリッターあたり出力は「上」だった
そこで今回メルセデスAMGがその2リッター4気筒エンジン”M139”についてちょっとだけ情報を公開し、「45」モデルについては387PS、そして「45 S」モデルに至っては421PSを発生するということに触れています。
もともとメルセデスAMGの2リッター4気筒エンジンは「リッターあたり世界最高の出力」を誇る強力なエンジンでしたが、今回「リッターあたり210PS」というとんでもない数字にて自身の記録を更新することに。※厳密に言えば、三菱ランサーエボリューションFX-440 MRが2リッターエンジンにて440馬力。ただし40台の限定生産
ちなみにA200に搭載される1.4リッターターボもリッターあたり163PSを発生し、なかなかにパワフルということになりますが、メルセデス・ベンツ製のターボエンジンは(あまり話題にならないものの)相当に優れていると考えて良さそうです。
さらにメルセデスAMGは、このエンジン(M139)のレブリミットは7200回転と(ターボエンジンにしては)かなり高く、トルクカーブも自然吸気エンジンに近いものを持つ、としています。
そして「45」モデルについては、「35」にて搭載されるエンジンとは方向が180度回転させられているといい、これによって「前方吸気、後方排気」となるそうですが、同じ車体、同じエンジンであるにもかかわらず、エンジンの搭載方向を真逆にするというのはニワカには信じがたい事実でもありますね。
そのほかタービンの軸受にはじめてボールベアリングを使用したり、ツインスクロールターボ(最高で2.1Barまでブーストをかけられる)を採用するなど、チョコチョコと(35用エンジンに比べ)細かい改造がなされている模様。
エンジン本体についてはクランクシャフトが鍛造スティールへ、ピストンが鍛造アルミニウム製へ。
そしてシリンダー内壁にはナノサイドコートが施され、インジェクターは「2ステージ」。
ここまで来ると問題となるのが高出力化に伴うクーリングですが、45シリーズでは独立して動かせるウォーターポンプ(つまりエンジンから動力源を取っていない)、追加ラジエターにて発熱に対応しているようですね。
かつて、F1のエンジンがダウンサイジングターボへと移行するのに際し、「えぇ・・・」と思ったものですが、こうやってメルセデスAMGが技術について語る様子を見ていると、ちゃんとF1の技術がフィードバックされているようで、自動車メーカーのモータースポーツ活動もちゃんと意味があるんだな、と改めて感じさせられます(よって、モータースポーツ活動を行わない自動車メーカーを信用しない人もいる)。