さて、先日試乗したメルセデス・ベンツGLAとGLB。
ぼくはずっと前に、ごく短い期間だけメルセデス・ベンツを所有した経験があるものの、最近のメルセデス・ベンツからは遠ざかった状態です。
ただし何度かはメルセデス・ベンツの購入を検討したことがあり、直近だと「先代GLA」。
しかしながら乗り心地の硬さから購入を見送ったという経緯があり、しかし今回はGLAがフルモデルチェンジを受け、かつGLBも登場したということで改めて購入の検討を開始しています。
GLAとGLBとは基本的に同じクルマ
今回発売されたGLAとGLBとは同一のプラットフォームを使用し、エンジン始めドライブトレーンやサスペンションも共通。ただし微妙な相違もあり、ここでざっとその内容を見てみましょう。
| GLA | GLB | |
| ボディサイズ | 全長4440/全幅1835/全高1620（ミリ） | 全長4650/全幅1845/全高1700（ミリ） |
| ホイールベース | 2730ミリ | 2829ミリ |
| 車体重量 | 1710kg（GLA200d） 1730kg（GAL200d AMGライン） | 1640kg（GLB200d） 1710kg（GLB200d AMGライン） 1710kg（GLB250 4MATIC） |
| 最小回転半径 | 5.3メートル | 5.5メートル |
| エンジン | 2リッターディーゼルターボ（150PS） | 2リッターディーゼルターボ（150PS） 2リッターガソリンターボ（224PS） |
| トランスミッション | 8速AT | 8速AT |
| 燃費 | リッター16.5km | リッター17.5km（GLB200d） リッター12km（GLB250 4MATIC） |
| 定員 | 5名 | 7名 |
| 駆動方式 | 4WD | FF（GLB200d） 4WD（GLB250） |
| 価格 | 502万円（GLA200d） 530万円（GLA200d AMGライン） | 512万円（GLB200d） 540万円（GLB200d AMGライン） 696万円（GLB250 4MATIC） |
これをみても分かる通りですが、GLAは2列シートのコンパクトな4WD、GLBは3列シートを持つFF（GLB250という4WDもあるが、これはいずれ廃止になってFF一本となると言われている）。
そのほかは内外装とも機能・装備についてGLA/GLBとも共通していると考えてよく、外装の相違はそのデザインテイスト（GLBはGクラスに似せてタフでスクエアなイメージ、GLAはメルセデスのほかSUVと共通するスマートな印象）、内装については加飾の差程度。
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ただ、走りについてはGLAとGLBについてはけっこう差があり、実際の重量はGLAのほうが50kg重いものの、フィーリングとしては「軽く鋭い」。
逆にGLBは「どっしりとして快適」といった感じですが、GLAの軽さ、鋭さはやはり4WD（4MATIC）によるところが大きく、4つのタイヤで地面を蹴ること、そしてトヨタ プリット機構によって積極的にクルマを内側に向けようとする性格が強いのだと捉えています。
もちろんGLA、GLBともにSUVなので、走りを云々するクルマではないものの、運転していて「楽しい」のはGLA。
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一方のGLBはというと、GLAと同じ足回りを持つと聞いているものの、突き上げが小さく、カドが取れたイメージ（GLAはちょっとゴツゴツしていて、正直いうと”固い”）。
鋭さや楽しさはGLAに譲るものの、安心して運転できるといった印象もあり、そしてサイドのベルトラインが高く、フロントウインドウ面積が狭いために「囲まれ感」が強いように思われ、安心感もある、という印象です（GLAのほうがグラスエリアが広く、解放感があるように感じられる）。
よって、機構的・機能的には同じ2車ですが、実際に乗ってみるとその印象は大きく異なっていて、「ちゃんと性格を分けているんだなあ」という感じですね（実際のところ、Aクラスは”機敏なコンパクト”、Bクラスでは”人とモノが乗る、余裕のあるコンパクト”といった感じで性格が分かれていて、それはそのままGLAとGLBとに当てはまる）
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ぼくの生活環境で言えば、人やモノを乗せることはさほど大きな要件ではなく、冬季には自宅周辺が凍結するので4WDが好ましいといったところ。
ただ、4WDについてはちょっと思うところもあって、最近までは「凍結路には4WD必須」と考えていたものの、最近のFFはトラクションコントロールが非常に優れ、かつ（クルマによっては）後輪も左右独立してブレーキ制御ができるために「滑らずに前に進む」ようにできていて、いうなれば「擬似4WD」。
よって、生活の範囲において、通常のスピードで凍結路や悪路を走るのであればFFで十分だろう、とも考えています。
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GLA、GLBの魅力は？
考えれば考えるほど悩むのがGLAとGLBですが、現在ぼくが考える両者のメリットは下記の通り。
GLA、GLBともに魅力を感じる点といえばレーダーセーフティはじめとする安全性、360度カメラ等の運転支援、インフォテイメントシステム「MBUX」、LEDヘッドライト、シートヒーターや自動開閉テールゲート等快適・自由装備の標準化といったところですが、内容と価格をみる限り、BMWはもちろん、アウディ、レクサスといったプレミアムカーブランドの他車と比較してコストパフォーマンスが高いようですね。
もちろん、ライバルにはそれぞれの美点があり（レクサスだと品質や快適性、静粛性など）単純な比較はできないものの、それでもぼくにとっては「メルセデス・ベンツのほうが優っている」ように思えます。
| GLAのメリット | GLBのメリット |
| スタイル的にはこちらのほうが好み | ブランニューモデルなので注目度が高い |
| 4WDレイアウト採用 | おそらくはこちらのほうがリセールがいい |
| 4WDなのに価格が10万円安い | FFなので燃費がいい |
メルセデス・ベンツGLAとGLBにはこんなオプションが揃っている
なお、両者ともに標準的な（推奨）オプションとして用意されるのはナビゲーションパッケージ（189,000円、これがないとカーナビが機能しない）、AMGライン（280,000円、ホイールが18→19インチに、内外装がAMG仕様になり、そしてマルチビームLEDやアンビエントライトもこれに含まれる）、メタリックペイント（71,000円）。
おそらくほとんどの人がこれらを選ぶことになると思われ、そして売却時にもこれらは加味されることになると思われるために装着しておいた方がよさそう。
受注生産オプションとしてはAMGレザーエクスクルーシブパッケージ（194,000円）、レザーエクスクルーシブパッケージ（263,000円）、アドバンストパッケージ（168,000円）、パノラミックスライディングルーフ（168,000円）、あとは細かい販売店装着オプションも揃います。
ちょっとした懸念としてはボディカラーの選択肢が「メタリックグレーに偏っていること」で、先代GLAに用意されていたような明るいブルー、そしてレッドといったカラーがないこと。
なお、GLA、GLBともにボディカラー構成は同一ですが、GLBにもに「ギャラクシーブルー」がラインアップされています。
ちなみにGLBの標準仕様はこんな感じで、ちょっとオフロードテイストが感じられるデザイン。
AMGラインを選択するとこのオフロード色が消えて「スポーツカーっぽい」、ガバっと大きく口を開けたダクトが装備されるようになりますが、ぼくとしては標準仕様の方が好みではあります（ただ、マルチビームLEDがついてくることを考えると、AMGラインを装着することになりそう）。
