| アルファロメオは新CEOのもとで一気に電動化を加速、同時にハイパフォーマンス路線を突っ走る |
近年、ここまで急激にその方向性を変えてきたブランドも珍しい
さて、アルファロメオは近年その販売が大きく落ち込んでいますが、親会社であるステランティスから時間的猶予と資金援助を得て再建に乗り出しており、新CEOのもとで品質やデザインの見直し、そして販売手法やサービス含むディーラー体制、さらにはCIの再構築など様々な角度から改革を進めています。
なお、新CEOであるジャン・フィリップ・インペラート氏の指示により品質が見直されることでトナーレの発売が遅れたのは記憶に新しいところで、しかしその甲斐あってトナーレの販売は好調だといい、アルファロメオいわくトナーレの発売された2022年は「極めてポジティブな結果となった」。
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実際に欧州での登録台数は22%増加し、フランス、ドイツ、イタリアはもちろん、オーストリア、スペイン、ギリシャ、ポルトガルでも需要が増え、アルファロメオの継続的な成長の礎になっていると報じられています。
そしてこの成功の多くにつき、アルファロメオは「トナーレのおかげ」だと考えており、同社によれば「トナーレは今後トランスフォーメーションを開始し、アルファロメオが目指す2027年のラインアップのオール電動化、さらにはゼロ・エミッションへ移行する段階において、そのプロセスのマイルストーンとなる」。
アルファロメオはさらなる成功を目指す
そこで今回報じられているのが「新世代のアルファロメオのエレクトリックモデル」ですが、トナーレを別とするとアルファロメオに加わる最初のピュアエレクトリックモデルの1つはブレネロ(Brennero)」と呼ばれるエントリーレベルのサブコンパクトクロスオーバーで、これはピュアエレクトリックパワートレインに加えてハイブリッド仕様もラインアップされるもよう。
その次は2025年頃に登場する予定の次世代ジュリアになるといい、エントリーモデルでは350PS、スポーティグレードのヴェローチェだと801PS、そしてトップレンジのクアドリフォリオだとその出力が1,000PSにも達するとも報じられています。
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さらに驚くのはアルファロメオCEO、ジャン・フィリップ・インペラート氏が「WLTPでの航続距離が最大で700kmに達する可能性がある」と述べたことで、さらに同氏は「新型ジュリアは、私たちが望むアルファロメオ のように見えるだろう」ともコメント。
そしてこれに続くのはステルヴィオのピュアエレクトリック版で、しかしこちらについてはまだタイムラインが決まっていないようで多くは語られないままです。※ただしアルファロメオは、今年から2027年まで、毎年エレクトリックモデル(EV、PHEV)を発売すると宣言しているので、2026年にはステルヴィオのエレクトリック版が登場しそう
アルファロメオのスーパースポーツはすでに完売
なお、アルファロメオは昨年11月に話題にのぼったスーパースポーツについても触れており、これについてはどうやら「すでに完売」しているもよう。
正式発表は2023年3月を予定しているそうですが、何ら公式発表がなされていないこの時点で(ジャン=フィリップ・インパラートCEOによれば)すでに完売しており、実際にデポジット(保証金)の支払いを受けているとコメントしています。※となると、重要顧客には購入の打診があったものと思われる
ただ、この新型スーパーカーについては現時点では「開発中」だとコメントされているので、今年発表されたとしても実際の納車は来年以降となるのかもしれませんm。
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そしてジャン=フィリップ・インパラートCEOはこのスーパーカーについて「私たちは、アルファロメオの歴史に貢献したことを誇りに思いながら、自社の博物館に並べることができるような記念碑的なクルマを作っているのです」と述べており、このほか語られたのは「エレクトリックパワートレインではなく内燃機関を搭載する可能性が高い」こと、「前輪を駆動するためにエレクトリックモーターを搭載する可能性もあること(つまり4WDとなる可能性がある)」、「フェラーリやランボルギーニと同程度の価格帯でありながら、サーキット走行だけでなく、毎日乗れるようなクルマとなること」、「まさに象徴的で、セクシーで、一目でアルファロメオさとわかるクルマになること」を示唆。
同時に(8Cのように)アルファの新しいコアラインナップと並行して生産される限定車であることについても言及しており、しかしその限定台数については現時点では不明です(8Cは500台限定だった)。
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参照:Autocar