| いったいなぜメルセデスAMG GTがここまで重いのかはわからない |
なかなかに魅力的なクルマであり、一度は運転せねばなるまいとは考えている
さて、新型メルセデス AMG GT 63 4MATIC+ クーペを見てきたので、ここでざっとどんなクルマなのかを紹介してみたいと思います。
展示車のボディカラーはハイパーブルーマグノ(マット)、インテリアカラーはブラック、オプションはパノラミックルーフに21インチAMG鍛造アルミホイール、AMGカーボンパッケージ、ブルメスターハイエンド3Dサラウンドサウンドシステム といったスペックです(車両価格は2750万円)。
なおボディサイズは全長4,730ミリ、全幅1,985ミリ、全高1,355ミリ、搭載されるエンジンは4リッターV8ツインターボ(585馬力)、駆動方式は4WD、そしてもっとも驚かされるのはその出力ではなく「車体重量が2,190kgもある」ということ。
新型メルセデス AMG GT 63 4MATIC+ クーペはこんなクルマ
まず、新型メルセデス AMG GT 63 4MATIC+ クーペの初見での印象は「けっこう大きい」。
ちなみに共同開発されたAMG SLだと全長4,705ミリ、全幅1,915ミリ、全高1,365ミリなので、全高を除くとAMG GTのほうが若干大きいということになりますね。
そしてこのクルマが大きく見える理由のひとつはこの「シャークノーズ」で、このボディ同色部分がフロントいっぱいいっぱいまで伸びているために全長がかなり長く見えるのだと思われます。
横から見るとこう。
そしてフロントフード上には伝統の”パワードーム”。
ノーズにはメルセデス・ベンツではなく「AMG」のエンブレムが装着されており、これは最新世代のAMGに共通する仕様です(エンブレムの表面はツルっとしたフィニッシュではなく立体的)。
もちろんフロントグリルは「パナメリカーナ」、そしてグリル下部がブラックアウトされ「よりグリルが大きく見えるように」デザインされているのも新しいAMG GT系の特徴ですね。
なおボディパネルからは一切のエッジや段差が排除されており、これはメルセデス・ベンツがしばらく採用している「官能的純粋」なるデザイン言語に由来するもの。
ホイールのスポークは細く、かつ肉抜きがなされ、いかにも軽そう(ホイールボルトはチタンではなくスチールのようだ)。
カーボンパッケージが装着されるため、ドアミラーや・・・。
サイドアンダー、ディフューザーにはカーボンファイバーが用いられています。
ドアハンドルはフラッシュマウント。
リアフェンダーは大きく張り出し・・・。
左右テールランプを連結する「EQデザイン」を採用することでいっそうワイドに見えるように思います(これもやはり近年のメルセデス・ベンツのひとつのデザイン的特徴である)。
そして実車を見て初めて気づいたのが「テールランプの”3つの楕円”」がレンズ内部にあるのではなく、外側に”立体”としてデザインされていること。
なお、テールランプやヘッドライト、テールパイプなどに「AMG」ロゴが再現されており、これもやはり近年のメルセデス・ベンツの(ブランディングに関する)方針に従ったものだと思われますが、「メルセデス・ベンツ」「マイバッハ」のように、ダクトやそのカバーなどにAMGマークが再現されていないのは、それらとAMGとの性格の差異なのかもしれません(AMGはピュアスポーツを追求するブランドであり、コスメチューンを重要視するブランドではない)。
ちなみにメルセデス・ベンツのスリーポインテッドスター、「AMG」「GT 63」バッジ、テールパイプなどは”ブラック”クローム。
全体的に見て美しく流麗なスタイルを持つクルマだとは思いますが、この重量、4WDということを考慮するに、先代AMG GTからは大きく性格が変わったと捉えるべきなのかもしれません。
ただ、たとえばBMW M3 / M4のように、「車体重量が重くとも、その重さを全く感じさせず楽しいクルマ」も存在するため、現代においては重量ペナルティを帳消しにするだけの技術が存在することも間違いなく、おそらくはこのAMG GTもそういった技術を盛り込んだスポーツカーなのだろうと推測しています(一度運転してみなくてはならないクルマである)。