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ゴードン・マレー、食道がん治療を経てもスーパーカー開発を継続。「S1 LM」は闘病中に生まれた作品であることが明らかに

ゴードン・マレー、食道がん治療を経てもスーパーカー開発を継続。「S1 LM」は闘病中に生まれた作品であることが明らかに

Image:Gordon Murray Automotive

| 闘病中であっても、その創作意欲は「衰えを見せない」 |

真のクリエイターは「どんな状況にあっても」クリエイターである

自動車史にその名を刻む名エンジニア、ゴードン・マレー。

80歳を目前にしてなお、新型スーパーカーの開発に情熱を注ぎ続けており、そのキャリアがすでに60年を超えていることが話題となっていますが、驚くべきことに、マレー氏は2024年初頭に「食道がん」と診断され、抗がん剤治療と手術を受けつつも、けしてその手を止めることはなかったという事実が明らかに。

マクラーレンF1の設計者、ゴードン・マレーが「活動開始60周年」を記念してなにやら特別なハイパーカーを発表するようだ。おそらくはT.33のハードコア版、T.33Sだと見られるが
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闘病と並行して進められた「S1 LM」の開発

ゴードン・マレー氏が明かしたところによると、がんは定期的な内視鏡検査で早期に発見されたとのことで、抗がん剤治療を受け、副作用に苦しみながらも様々なモデルの開発を続行したのだそう。
そして治療の最中に開発が進められていた車両のひとつが、モントレー・カーウィークにてデビューを飾ったスペシャルモデル「S1 LM」。

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ゴードン・マレーの最新作「GMSV S1 LM」はマクラーレンF1の再来か? 生産は5台のみ、その5台は同じオーナーによって注文される
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これはマレー氏の代表作でもあるマクラーレンF1 GTRのル・マン優勝にオマージュを捧げる特別なクルマで、顧客との緊密なやり取りを通じて形にされたシリーズです(5台が製造されるが、この5台はすべて同じ人物が発注したものである)。

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そしてこのコメントを見る限り、S1 LMの存在そのものが、ゴードン・マレー氏に対して辛い高がん治療を乗り切るだけの気力を与え、未来に対する希望をもたらしたのかもしれません。

「このプロジェクトが、マレーを治療中も支えていた。彼は集中力を保ち、長く辛い抗がん剤治療を受けながらも、顧客と共にクルマを仕上げた。S1 LMはその成果であり、特別な存在だ」

GMA(Gordon Murray Automotive)CEO フィル・リー

GMA 「S1 LM」とはどんなクルマなのか?

このS1 LMは、GMAのフラッグシップであるT.50をベースとし、(新たに発足した)ワンオフ仕様車を担当する「ゴードン・マレー・スペシャル・ビークルズ」によって製作された特別なクルマ。
モントレー・カー・ウィークにてデビューを果たし、同じ会場には(オマージュ元となった伝説的マシン、マクラーレンF1 GTR ル・マン仕様も展示されたことで一層の話題を呼んでいます。

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まだまだ止まらないゴードン・マレー

GMAは今後も多くの新型車を計画しており、ゴードン・マレー氏自身も活動を続ける意欲を見せているというのが今の状況で、がんを克服しながらスーパーカーを生み出してゆく姿は、彼がいかに自動車開発を人生そのものとしているかを物語っているかのようですね(これを取り上げたら命が尽きてしまいそうだ)。

そして世の中には、どんな逆境にあってもくじけなかった人々が存在しますが(ニキ・ラウダ、アレッサンドロ・ナニーニ、アレックス・ザナルディなど)、ゴードン・マレー氏もまたその一人、ということになりそうです。

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参照:Motor1

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