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メルセデス・ベンツが「北京ではじめてレベル4自動運転のテスト許可を取得した国際自動車メーカーになった」と発表。ただしこの外観で実装されたらちょっと嫌だな

メルセデス・ベンツが「北京ではじめてレベル4自動運転のテスト許可を取得した国際自動車メーカーになった」と発表。ただしこの外観で実装されたらちょっと嫌だな
Mercedes-Benz

| 「レベル4」は高度な自動運転レベルを意味し、上から2番目のレベルである |

中国市場では高度な「自動運転」の実装が強く求められる

さて、メルセデス・ベンツが北京の指定都市道路と高速道路にて「レベル4」の自動運転試験の承認を取得した初の国際自動車メーカーとなったと発表。

このレベル4の試験はメルセデス・ベンツ チャイナの技術研究プロジェクトの一環として行われており、自動運転システムのソフトウェアとハ​​ードウェアの開発における最先端の技術を探求することを目的としている、ともアナウンスされています。※2023年末、メルセデス・ベンツは北京でレベル3の試験の承認を取得した最初の自動車メーカーの1つになったことも発表済み

なお、プレスリリースに添えられた画像を見てみると、前後バンパー、ドア、ルーフなどに様々なセンサーが取り付けられており、これはもちろん「既存車種に後付けしたから」こうなったのだと思われますが、もしこの技術を実用化するのであれば、やはり最初から「センサーやカメラを内蔵することを前提に」設計された車両に搭載せねば「とんでもなく格好悪いクルマに」なってしまうのかもしれません。

現在はメルセデス・ベンツ Sクラス2台が北京にて走行中

メルセデス・ベンツによると、このプロジェクトは、高度な自動運転におけるマルチセンサー認識の研究、さまざまな条件下でのシステムパフォーマンスの検証、および認識の深い統合の探求に重点を置いているといい、現在は特別にアップグレードされた(画像の通りの)メルセデス・ベンツ Sクラス2台がレベル4の自動運転テスト車両として使用中。

これにはLiDAR、レーダーセンサー、カメラなど、プロジェクト専用に設計された豊富なセンサーアレイが搭載されています。

「138年前に自動車を発明して以来、メルセデス・ベンツは革新的な技術で常に新しい世界基準を設定してきました。現在の自動運転システムの開発と導入は、自動車の役割を再定義しています。当社は、強化されたレベル2機能を含む40を超える運転支援システムを提供しており、市場でレベル3システムを備えた最初の自動車メーカーです。北京地域でレベル4技術を試験するための新しい承認により、メルセデス・ベンツは自動運転への道を飛躍的に前進させ、その後世界中の個人所有の車両で使用できるようになります。再び、私たちは”チャイナ・スピード”により新たな業界ベンチマークを設定しています。」

メルセデス・ベンツ グループ AG 取締役、開発および調達担当最高技術責任者 マルクス シェーファー

「メルセデス・ベンツ チャイナは、優れた人材とパートナーが当社の先進技術研究に絶好の機会を提供し、世界的なイノベーションの最前線に立っています。北京でレベル4 の自動運転路上試験の承認を取得することで、メルセデス ベンツは自動運転技術をさらに加速させることができます。近年、メルセデス・ベンツは現地での研究開発投資を継続的に増加させており、一連の先進研究プロジェクトを通じ、現地の研究開発チームは「チャイナ・スピード」で中国のお客様のニーズに応えるインテリジェントな高級製品とサービスを提供することに尽力しています。」

メルセデス・ベンツ グループ チャイナ有限会社上級副社長、メルセデス ベンツ チャイナ研究、開発、調達担当責任者 オリバー ロッヒャー

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このシステムは「混雑した都市部では左折、ラウンドアバウトのナビゲート、Uターン、駐車などの操作を安全かつ効率的に完了できるように開発されている」といい、ドライバーがいつでも(運転を)引き継ぐ準備をしていない状況であっても”車両は運転タスクを完了できる”だけの能力を保有しているのだそう。

こういったメルセデス・ベンツの自動運転分野における成果は、1986年に自動運転の研究を開始して以来、数十年にわたる調査と投資から生まれており、さらに近年だとメルセデス・ベンツR&D中国を中心として自動運転技術の研究、開発、展開を継続的に加速させているとされ、こういった傾向は「中国市場では自動運転機能を消費者が強く求めているから」なのかもしれません(よって自動運転に関連する企業やサプライヤーが多いのだと思われる)。

こういった「自動運転を好む」傾向は他の国や地域とは大きく異なるものではありますが、だからこそメルセデス・ベンツは中国にて自動運転機能の開発に本腰を入れ、実際に同社のレベル2自動運転は中国R&Dチームによって開発されており、これが全世界で販売される(一部の)メルセデス・ベンツに反映されているわけですね。

メルセデス・ベンツは2005年に現地での研究開発活動を開始しており、この中国の開発チームは先進的な設計、電動化、コネクティビティ、自動運転、車両全体のテストなど、ドイツ以外では最も包括的な研究開発を行う一大ネットワークに成長しており、さらには上述のように継続的な投資によってこの規模が拡大しているというので、もしかすると中国は同社で最大の「自動運転における研究開発拠点」となるのかもしれません。※現在は上海にも研究開発センターが新設されている

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