★MT設定で揺れるポルシェ。「RS」を一つの境界線に?★
ポルシェGT部門の開発担当者がCar Advice誌に対し、今後「RSモデルにはマニュアル・トランスミッションを設定しない」という意向を語った模様。
これによると、「”RS”はRenn Sportつまりレーシング・スポーツを意味し、サーキットで速く走るためのモデルだ。全てはタイム向上のために設計される必要があり、トランスミッションだとそれはPDKということになる」とのこと。
「マニュアル・トランスミッションではどうやってもPDKの優位性を覆せない」
加えて「サーキットにおけるPDKのアドバンテージはマニュアルがどうやっても覆せるものではない。サーキットを走るドライバーがマニュアル・トランスミッションを選択するとは思えず、マニュアル・トランスミッションを選ぶドライバーは公道を走るドライバーだと考えている。だからGTモデルにはマニュアルを設定しても、”RS”モデルには今後マニュアルを設定しないだろう」とも語っています。
同時に911GT2RSにおけるマニュアル・トランスミッション(オプション)の選択率は5-6%にとどまるともしており、この数値だと「存続させる意味はない」とも考えているようですね。
なお、911GT3(991.2)におけるマニュアル・トランスミッションの選択比率は30%だということも明かされています。
別の統計によると、あれだけ「マニュアル大好き」なアメリカにおいて、しかもコルベットでマニュアルを選ぶ人の比率は23%にまで低下している、とのこと。
この数字は「マニュアル・トランスミッションの終焉」を示していますが、同時に「ポルシェにはかなりマニュアル好きが多い」ということも示している、と思います。
なお、これには各メーカーとも考え方に相違があり、今回の話がポルシェの総意だとすると、ポルシェは「RSにはマニュアルなし、ほかグレードにはマニュアルあり」ということに。
マニュアルを作らないと明言しているのはランボルギーニ、フェラーリ、マクラーレンで、BMWは「今後、Mモデルにおいてマニュアルを用意しない」と明言。しかもトランスミッションはトルコン式ATになる可能性も示唆しています。
反面、マニュアルを作り続けると宣言したのはアストンマーティンが筆頭ですが、その他には「アポロ」「SCG」など少量生産のスポーツカーメーカーがマニュアル回帰の動きを見せているようで、ここは少し前と異なる流れ。
なお、ポルシェ911Gt3の場合、マニュアル・トランスミッションを選択した場合の0-100キロ加速は3.9秒、PDKの場合は3.4秒。
この「0.5秒」は非常に大きい、とは思います。