
| ポルシェ911が「もっとも売れたクルマ」となるとは全くの予想外である |
ポルシェ911が販売台数1位に輝いた国とは?
世界で最も売れている車といえば、トヨタ・カローラやフォードFシリーズなどが定番ですが、国ごとに見ると意外な結果が浮かび上がります。
自動車業界アナリスト、フェリペ・ムニョス氏がまとめたデータによると、2024年、アンドラ公国では「ポルシェ911が最も売れた新車」となったのだそう。
アンドラ公国は人口約8.2万人、国土面積わずか468平方キロ(東京23区の約3分の2ほど)の小国ですが、同年に83台の911が販売され堂々のトップに。
豊かな国民の購買力を象徴する結果といえそうです。
GRヤリスやカイエンも上位にランクイン
アンドラ公国は、ヨーロッパの南西部、ピレネー山脈の東部に位置する小さな内陸国で、フランスとスペインに挟まれており、首都アンドラ・ラ・ベリャはヨーロッパの首都の中で最も標高が高い場所にあるのだそう。
世界でも珍しい二人の共同元首(Co-Princes)を持つ立憲君主制国家ですが、アンドラ公国は9世紀初めに起源を持ち、1278年にウルヘル司教とフォワ伯爵(のちにフランス国王)が「対等の宗主契約」を結んで以来、長きにわたってこの共同統治体制が続いているようですね。
そして気になるのは「なぜ購買力が高いのか」ということで、その主たる理由は「美しい山岳風景や冬のスキーリゾート、温泉」といった観光資源であり、実際に観光による収入がGDPの80%を占める、とのこと。※かつては免税国として栄え、「タックス・ヘイヴン(租税回避地)」として人気があった時期もあったようだ(現在は税制改革によって税金が導入済み)。
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話をアンドラ公国に戻すと、販売ランキング2位はなんとトヨタGRヤリス。
さらに3位、4位はポルシェ・カイエンとマカンが占め、スポーツカーや高級SUVが圧倒的な存在感を示しています。
「山間部の国だからSUVが売れる」という単純な理由だけではなく、高級車・スポーツカーを好む市場特性が反映されているのかもしれません。
まとめ
国別のランキングを見ると、世界の自動車市場の多様性がはっきりと見えてきますが、アンドラのポルシェ911やトヨタGRヤリスの躍進は、単なる販売数以上に「その国の経済状況や嗜好」を映し出しているのかもしれません。
そしてわが日本だと、「フェラーリやランボルギーニが、フォードの数倍売れている」「ポルシェがフィアットの倍以上、メルセデス・ベンツがフォルクスワーゲンの倍以上の台数を販売している」といった事実もまた、欧米の人々にとっては大きな驚きなのかもしれません。
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