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| チーム名が「ポルシェ・フォーミュラEチーム」に正式変更 |
ポルシェはWECからも撤退を表明、モータースポーツ参戦体制を再編成
さて、ポルシェは衝撃の「WEC撤退」を発表したところですが、これによって今後のポルシェのモータースポーツ参戦体制は「IMSAウエザーテック」「フォーミュラE」の2本に絞られます。
そして今回、フォーミュラEの編成についてアナウンスがなされ、それは「スポンサーの変更」。
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タグ・ホイヤーはポルシェのモータースポーツにおけるプレゼンスを「縮小」
これまでスイスの高級時計メーカーTAG Heuer(タグ・ホイヤー)とポルシェ・モータースポーツは密接な関係を築いてきたものの、今回パートナーシップの形を再構築すると発表しており、これまでタイトルおよびタイミング・パートナーを務めてきたタグ・ホイヤーは、今後もファクトリーチームをサポートする一方、「ポルシェ・モータースポーツのグローバルパートナー」という大きな枠組みの一部として”フォーミュラEチームにおけるプレゼンスを縮小する”、とアナウンスされています。
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これにより、電気自動車のレースシリーズで史上初となる3つの世界選手権タイトルを獲得した「TAG Heuer ポルシェ・フォーミュラEチーム」は、第12シーズンから「ポルシェ・フォーミュラEチーム」として新たな章をスタートさせることとなりますが、「ポルシェ・モータースポーツ副社長のトーマス・ラウデンバッハ氏は、タグ・ホイヤーに感謝を述べつつ、次のようにコメントしています。
「フォーミュラEで6シーズンを共に過ごし、ポルシェは電動モータースポーツの最前線に立っています。この成功は、同じ価値観を共有するパートナー、つまりモータースポーツへの情熱と技術革新があってこそ可能です。」
日本のTDKが新たなオンカーパートナーとして参画
チーム名の変更後もMobil 1、LOCTITE、PUMA、NetApp、Cato Networksといったパートナーは継続してチームをサポートすることとなり(ANSYSはSynopsysに名称変更)、しかし注目すべきは新パートナーとして、日本の電子部品およびシステム専門企業であるTDK株式会社が「オンカー・パートナー」としてチームに加わること。
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TDKは、東京に本社を置く高度な電子・磁気技術分野のグローバルリーダーですが、今回の提携では、次世代電動パワートレインシステムのさらなる開発に向けた技術交流に焦点を当ててゆくこととなるのだそう。
「TDKは、磁性材料、エネルギー貯蔵ソリューション、センサー技術の専門知識を提供し、ポルシェ 99X Electricの将来のパワートレイン開発を支援します。TDKの革新的な製品は、ポルシェ 99X Electricが最高の効率と性能を維持する上で役立つでしょう。」
トーマス・ラウデンバッハ
パートナーシップの歴史と今後の展望
タグ・ホイヤー(TAG Heuer)の役割の変化
タグ・ホイヤーは、ポルシェがフォーミュラEに参戦した初日(2019年)からのパートナーであり、その最初のスマートウォッチである「TAG Heuer Connected」は、チームメンバーの腕元を飾ってきたという歴史も。
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タグ・ホイヤーのチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)であるジョージ・チズ氏は、次のようにコメントし、ポルシェ・モータースポーツ全体への継続的なコミットメントを強調しています。
「我々はポルシェのフォーミュラEへの取り組みの初日からのパートナーであり、より大きな進行中のコミットメントの一環として、新シーズンもポルシェ・フォーミュラEチームのタイミング・パートナーを継続できることを非常に嬉しく思います。」
よくわかるようなわからないようなコメントではありますが、タグ・ホイヤーは現在モータースポーツとの関係性をいっそう強化しており、この流れにおいて、「ポルシェという一つのチームに特化するよりも、もっと大きな開催団体とのパートナーシップを強化したい」ということなのだと思われます(それには、ポルシェとの強固な結びつきが足かせになることがあるのだと考えられる)。
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ポルシェのフォーミュラE戦略
現行のチームおよびマニュファクチャラーズ・ワールドチャンピオンであるポルシェは、2025/2026シーズンに”7シーズン目として”以下の体制にてフォーミュラEに参戦する予定。
- ワークスチーム: 「ポルシェ・フォーミュラEチーム」
- カスタマーチーム(GEN3 Evo): 米国のアンドレッティ・フォーミュラE(Andretti Formula E)
- カスタマーチーム(GEN3): クプラ・キーロ(Cupra Kiro)(前ERTフォーミュラEチーム/NIO333)
ポルシェはかなてより「フォーミュラEでの競争を通じ、市販スポーツカー開発のための貴重な知見を得ている」とも発言しているので、この電動モータースポーツへの取り組みは、同社の電動化戦略において極めて重要なステップである、とも考えられます(WECを撤退しながらもフォーミュラEへの参戦を継続するという方向性からも、その方向性がうかがえる)。
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