| 欧州では、環境や健康に対してよろしくないモノは何でも肩身が狭くなるようだ |
ますます社会主義化し、ボクらは囚人のような生活を強いられそう
さて、フォルクスワーゲンが「自動車よりも多くのソーセージを生産している」ことはけっこう知られた事実ではありますが、なんとそのソーセージ(カリーヴルスト)の販売が終了したというニュース。
すでにこのソーセージは8月20日に一切の販売を停止しており、もはや社員食堂で食べることも、買って帰ることもできなくなった、とのこと。
なお、このソーセージはもともとフォルクスワーゲンの社員向けに販売されていたもので、しかしウワサがウワサを呼んで一般向けにも販売されるようになり、その後もどんどん販売を伸ばした人気商品なのだそう(VWのパーツカタログにも掲載されており、日本だと豊橋のVWジャパン本社で食べることができたという)。
-
2019年、VWは”クルマよりも多い”680万本のソーセージを販売!日本だとVWジャパン豊橋本社で食べることができるらしい
| 毎年”クルマよりも多く販売”は恒例だが、まだ食べたことはない | フォルクスワーゲンが「2019年には680万本のソーセージを販売した」と発表。え?フォルクスワーゲンがソーセージを?と思ってしまい ...
続きを見る
一体なぜこんなこんなことに・・・
そこで気になるのが、そういった人気商品がなぜ販売中止となってしまったのか。
フォルクスワーゲンによると「従業員の健康維持と環境負荷の低減」ということですが、前者は「食べ過ぎでファットになってしまう」ということを防止するためだと思われ、しかし後者は「なんで?」という感じ。
ただ、国連の調査によると、人間が排出する温室効果ガスの約15%を家畜が占めているという報告があり、欧州環境機関の報告によると、2017年には運輸部門がEU全体の排出量の27%を占めているそうなので、「家畜が排出するCO2は自動車が排出するCO2の半分くらいある」ということに。
フォルクスワーゲンとしては、こういった「家畜が排出するCO2」をへらすために食肉の加工をやめたということになりますが、ちょっと「行き過ぎ」といった気もします。
代替品は植物性ソッセージ
ただ、フォルクスワーゲンは、おいしく食べられる代替品を提供するため、ミシュランの星を獲得したシェフであるニルス・ポトスト氏の協力を得て代替肉食品を開発しており、すでに植物性のカリーヴルストの提供が始まっている、とのこと。
フォルクスワーゲン本社では、現在1日に約6万人の従業員に食事を提供していますが、肉を使用したメニューを廃止し、かわりにジャックフルーツやナスを使ったパテのハンバーガーなどすべて植物性の製品に置き換えることに。
なお、フォルクスワーゲンCEO、ヘルベルト・ディース氏によると、「このテーマは、私個人にとっても非常に重要です。これまでに、400以上の新しいレシピが開発され、試食されました。肉を減らし、野菜を増やし、より良い食材を使っています。美味しい食事は重要であり、健康や気分、ひいては従業員の生産性にも大きく影響します」とコメント。
実際のところはどうかわからないものの、肉の代わりとなる量の野菜を収穫するのは並大抵のこととは思えず、その段階でも相当量のCO2が発生するんじゃないかとも考えていて、であれば砂漠の緑化計画にでも取り組んだほうがよほど将来に渡る環境改善になるんじゃないかと思ったり。
参考までに、ドイツの元首相、ゲルハルト・シュローダー氏はこの決定を嘆いているとも報じられ、「ベジタリアンの食事は良いことだし、私自身も段階的にそうしている」としながらも、「基本的にカリーヴルストは悪なのか?」と疑問を呈しているようですね。
おそらくこの決定はドイツ国内のみだと思われるものの、もしこれをアメリカのフォルクスワーゲン工場でやってしまうと大規模デモが発生する可能性も否定できないと考えていて、ぼく自身としてもこの決定は憂慮すべきものだと捉えています(ぼくは野菜や魚を食べない)。
フォルクスワーゲンの工場にてソーセージが製造される様子を収めた動画はこちら
参照:Discovery UK