| たしかにパフォーマンスは優れるかもしれないが、ゴルフ8にはゴルフ7ほどの輝きがないのが残念だ |
現時点ではゴルフがエレクトリック時代に生き残ることができるかどうかは定かではない
さて、フォルクワーゲンが第8世代のゴルフに「ゴルフR 333」なる特別仕様車を投入。
これはもちろん(その名が示す通り)333馬力を発生するホットハッチであり、限定台数も333台に絞られますが、出力向上に加えて「ライムイエローメタリック」なる専用色を持つことも見逃せず、そして最も驚くのは19インチのブラック仕上げエストリル・ホイールに装着された「セミスリックタイヤ」。
フォルクスワーゲンはすでにガソリン車に見切りをつけ、特にハイパフォーマンスモデルにはこれ以上コストを投じない方針であったと認識していますが(よってゴルフGTIもニュルブルクリンク最速争いから引き揚げている)、その状況でこのモデルを発売したという理由はズバリ「ホンダ・シビック・タイプRや、トヨタ GRカローラのようなハードコアモデルが話題となり、(ハードコアモデルは)直接のセールス以外にも、ブランド価値を高める」効果があると判断したからなんじゃないかと考えています。
ゴルフR 333は「ゴルフR史上最速」
そこでこのフォルクスワーゲン・ゴルフR 333について見てみると、+13馬力アップによって0-100km/h加速は4.6秒に短縮され、これはゴルフR 20イヤーズ・エディションと同じタイムで「ゴルフR最速」。※ゴルフR333の最高速は270km/h
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パワーアップ、そしてセミスリックタイヤの他だと「アクラポヴィッチ製Rパフォーマンスエキゾーストシステム」も特別装備のひとつに数えられ、その外観やサウンドをより勇ましいものとしています。
もちろん、左右のリアタイヤ間でトルクをシフトできる「Rパフォーマンス・トルクベクタリング・ビークルダイナミクス・マネージャー」も装備され、ドリフトモードも内蔵。
ボディサイドには「333」の文字とストライプが入り、いっそうの特別感を演出。
ゴルフR 333のインテリアにはシリアルナンバーも
そしてゴルフR 333のインテリアはスパルタンなブラック仕上げとなり、シート表皮には上質なナッパレザーが採用され、「R」のシグニチャーであるラピスブルーがヘッドレストやステッチに用いられることに。
ダッシュボードにはシリアルナンバー入プレートが装着され、これは他の多くのゴルフの特別仕様車と同じですね。
ステアリングホイールにもブルーアクセントにブルーステッチ(外装だと、ブレーキキャリパーもブルー仕上げ)。
メーター表示やインフォテイメント画面にはイエローベースのグラフィックが見えるので、これは「ゴルフR 333専用」にアレンジされているのかも(プレスリリースに記載はない)。
フォルクスワーゲン”R”ブランドのマーケティング&セールス責任者、ピーター・ヨースト氏によれば、「ゴルフR 333リミテッドエディションは、私たちのブランドにとって非常に重要です。このような限定車や高性能車こそ、フォルクスワーゲンのRブランドを活性化させるものであり、真のアイキャッチャーでもあるのです。このクルマを購入するすべてのお客様が、極めて希少な車両であること、そしてコレクターズアイテムとなりうる車両をガレージに所有しているという満足感を得ることができると確信しています」。
なお、ゴルフRはぼくにとって「完璧だと言っていいクルマ」のひとつではありますが、新車で購入すると売却時の損失がかなり大きく、よって中古車で出物があれば欲しいと(いつも)いう一台。
ただ、その相対的な魅力がゴルフ8世代ではやや低下しているようにも思われ(ゴルフ8自体が、ゴルフ7のように革新的な進化を遂げたクルマではないので)、ぼくにとってもっとも「欲しい」と思わせるゴルフRはやっぱりゴルフ7世代だったな、とも考えています。
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